Pembrolizumab[ペムブロリズマブ]

米国承認初掲載日: 2014/09/18

このページは、米国国立がん研究所(NCI)「Drug Information」に基づいて作成しています。
薬剤の簡単な解説と、本治療薬の用法、関連ニュース、研究結果および現在進行中の臨床試験に関する情報へのリンク集です。最新情報は、下記の原文ページでご覧ください。

米国の商標 Keytruda[キイトルーダ]
日本の承認の有無/商標KEGG PMDA で調べる/商標 キイトルーダ

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『海外がん医療情報リファレンス』内の記事を検索 → Pembrolizumab[ペムブロリズマブ]

適応となるがん

ペムブロリズマブは、以下の治療に承認されています。
・トリプルネガティブ乳がん
 -PD-L1陽性で再発し手術による切除不能または転移したがんを有する患者に化学療法と併用して使用されます。
 -再発リスクの高い初期がん患者に、手術前に化学療法と併用して使用し、手術後に単剤で使用されます。

子宮頸がん。
 -PD-L1陽性で、化学療法による治療中または治療後に増悪した再発または転移がんを有する患者に単剤で使用されます。  
 -PD-L1陽性で再発または転移がんを有する患者または治療が奏効しなかった患者に、化学療法あるいは化学療法+ベバシズマブとの併用で使用されます。

古典的ホジキンリンパ腫。
 -難治性または再発がんを有する成人患者に使用されます。  
 -難治性または2つ以上の他の種類の治療を受けた後に再発したがんを有する小児患者に使用されます。

・局所進行、再発または転移皮膚扁平上皮がん(皮膚がんの一種)。手術や放射線治療で治癒しない患者に使用されます。

・手術または放射線治療で治療できず他の全身治療後に増悪した子宮内膜がん。
 -高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有さない患者に、レンバチニブとの併用で使用されます。  
 -MSI-HまたはdMMRを有するがん患者に単剤で使用されます。

・手術または化学療法と放射線療法の併用により治療できない転移食道がんまたは胃食道接合部がん。
 -プラチナ製剤による化学療法とフルオロピリミジンとの併用で使用されます。  
 -PD-L1陽性で全身療法による治療を受けた扁平上皮細胞がん患者に単剤で使用されます。

胃がん・胃食道接合部腺がん。  
 -HER2陽性で転移がんを有する患者または手術による治療ができない患者に、初回治療としてトラスツズマブとフルオロピリミジン+プラチナ製剤による化学療法との併用で使用されます。1  
 -PD-L1陽性で再発または転移がんを有する患者に単剤で使用されます。2回以上のフルオロピリミジン+プラチナ製剤による化学療法(場合によっては、HER2 標的療法)での治療中または治療後にがんが増悪した患者に使用されます。1

・ソラフェニブによる治療歴を有する患者の肝細胞がん(肝がんの一種)。1

メラノーマ。  
 -手術による切除不能もしくは転移したがんを有する患者に使用されます。  
 -IIB期、IIC期またはIII期のメラノーマを有する成人患者および12歳以上の小児患者に使用されます。手術により切除された後にメラノーマが再発するのを予防するために使用されます。

メルケル細胞がん(成人および小児)。再発または転移がん患者に使用されます。1

・転移性または手術による切除不能な高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)がん。
 -他の治療後に増悪し、他の療法で治療できない成人患者および小児患者の固形腫瘍の治療に使用されます。1  
 -大腸がんの治療に使用されます。MSI-HおよびdMMRがんは特定の遺伝子変異を有し、治療の種類によっては奏効しないことがあります。

非小細胞肺がん。  
 -EGFR遺伝子またはALK遺伝子に変異がない転移非扁平上皮がん患者に初回治療としてペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法との併用で使用されます。  
 -転移扁平上皮がんに初回治療としてカルボプラチン+パクリタキセルもしくはカルボプラチン+パクリタキセル・アルブミン安定小粒子製剤との併用で使用されます。  
 -PD-L1陽性でEGFR遺伝子またはALK遺伝子に変異がないがんを有する患者に初回治療として単剤で使用されます。手術、化学療法または放射線療法で治療できないステージIIIのがん患者に使用されます。転移がんを有する患者にも使用されます。  
 -転移がんを有し、PD-L1陽性でプラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に増悪した患者に単剤で使用されます。EGFR遺伝子またはALK遺伝子に変異を有するがん患者は、遺伝子変異に対しFDAが承認した治療を受けた後に増悪した場合にのみ、ペムブロリズマブによる治療を受けるべきです。

原発性縦隔大細胞型B 細胞リンパ腫。難治性または2つ以上の他の治療法を受けた後に再発したがんを有する成人患者および小児患者に使用されます。

腎細胞がん(腎がんの一種)
 -手術による切除不能または転移したがん患者に初回治療としてアキシチニブまたはレンバチニブとの併用で使用されます。  
 -腎臓を切除する手術または腎臓および転移がんを切除する手術を受けた後に再発するリスクの高い患者に補助療法として使用されます。

・腫瘍遺伝子変異量の高い(TMB-H)固形がん(転移がんまたは手術による切除不能)。治療後にがんが増悪し、他の治療法を受けることができない成人および小児患者に使用されます。1

・再発または転移頭頸部扁平上皮がん。  
 -手術による切除不能ながん患者に初回治療としてプラチナ製剤による化学療法およびフルオロウラシルとの併用で使用されます。  
 -PD-L1陽性で手術による切除不能ながん患者に初回治療として単剤で使用されます。  
 -プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後にがんが増悪した患者に単剤で使用されます。

尿路上皮がん(膀胱がんの一種)。  
 -転移し、プラチナ製剤による化学療法で治療できないがん、もしくはプラチナ製剤による化学療法による治療中または治療後に増悪したがんを有する患者に使用されます。  
 -リスクが高く、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)による治療が奏効せず、筋肉に転移していない上皮内がんを有する患者に使用されます。手術を受けることができないまたは手術を受けないと決めた患者に使用されます。 

1本適応は、FDAの迅速承認プログラムの下で承認されています。承認の条件として、検証的試験によりペムブロリズマブがこれらの患者に臨床的有用性をもたらすことが示されなければなりません。

ペムブロリズマブは、他のがん種の治療についても試験が行われています。
→ 適応となるがん最新(原文ページ)

FDA承認ニュース
FDAが腎細胞がんの術後療法としてペムブロリズマブを承認
FDAが再発/転移子宮頸がんの一次治療にペムブロリズマブの併用を承認
FDAが進行腎細胞がんにペムブロリズマブとレンバチニブの併用を承認
FDAがハイリスク早期トリネガ乳がんの術前/術後補助療法にペムブロリズマブを承認
FDAがHER2陽性胃がんと胃食道接合部がんにペムブロ+トラスツズマブ+化学療法を承認
FDAが食道/胃食道接合部がんにペムブロリズマブを承認
FDAが局所再発切除不能または転移トリネガ乳がんにペムブロリズマブを迅速承認
FDAが古典的ホジキンリンパ腫にペムブロリズマブを拡大承認
FDAが切除不能な大腸がんの初回治療にペムブロリズマブ(キイトルーダ)を承認
FDAが皮膚扁平上皮がんにペムブロリズマブを承認
FDAが、腫瘍遺伝子変異量の高い(TMB-H)成人/小児の固形がんにペムブロリズマブを承認
FDAがペムブロリズマブの新たな投与レジメンを承認
FDAがBCG不応高リスク筋層非浸潤膀胱がんにペムブロリズマブを承認
FDAが肝細胞がんにペムブロリズマブを迅速承認
FDAが転移扁平上皮肺がんの初回治療にペムブロリズマブ併用を承認
FDAが転移非扁平上皮肺がん初回治療にぺムブロリズマブを正式承認
FDAが尿路上皮がんでのアテゾリズマブとペムブロリズマブの使用を制限
FDAが再発または転移性子宮頸がんにペムブロリズマブを承認
FDA が再発・難治性B細胞リンパ腫(PMBCL)にペムブロリズマブを承認
FDAが特定の遺伝子特性を有するあらゆる固形がんにペムブロリズマブを承認
FDAが進行または転移性尿路上皮がんにペムブロリズマブを承認
ペムブロリズマブ、古典的ホジキンリンパ腫にFDAが迅速承認
ペムブロリズマブ、高PD-L1発現肺癌一次治療にFDA承認
FDAが頭頸部扁平上皮がん治療にペムブロリズマブを迅速承認
FDAが転移性メラノーマの一次治療にペムブロリズマブを承認
FDAが進行非小細胞肺がんの治療にペムブロリズマブを承認

Pembrolizumab[ペムブロリズマブ]に関する詳細情報

NCI治療薬辞典(原文)-詳細な科学的定義や、この治療薬に対する別名
Medline Plusの情報(原文)-治療薬に関する重要な情報を一般の方向けの言葉でまとめています。内容は次のようなものです。
・この治療薬に対するFDAの警告や注意
・この治療薬の適応症、使用方法
・この治療薬の使用の前に担当医に伝えておくべきこと
・この治療薬の使用の前に知っておくべきこと
・この治療薬と相互作用がある可能性のある他の薬剤
・起こりうる副作用

【NCIブログ】HLA遺伝子:免疫療法薬が必ずしもすべての人に有効ではない理由(2022/01/27)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報
【NCIブログ】免疫チェックポイント阻害薬の長期的な副作用が研究で明らかに(2021/04/30)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報
【NCIブログ】新しい抗がん剤、新たな副作用、がん免疫療法の合併症(2019/05/10)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報

治療薬は、すでに承認された適応以外にも治療や予防に役立つ効果があるかどうか別の試験で調べられることがあります。この患者向け『薬剤情報』では、承認された用法のみ記載していますが、情報の大部分は、現在試験が行われている未承認の使用法にも適応されることでしょう。

ペムブロリズマブの臨床試験/治験を検索(原文)-現在患者を受け入れているがん領域のNCI臨床試験リスト

検索リンク

PubMed論文検索-米国National Library of Medicine。世界の科学論文一覧。薬剤の論文を調べることができます。
Clinicaltrials.Gov-世界中の臨床試験、治験一覧ページ。薬剤名で検索可能。

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