Pembrolizumab[ペムブロリズマブ]

このページは、Pembrolizumab[ペムブロリズマブ]の簡単な解説と、本治療薬の用法、関連ニュース、研究結果および現在進行中の臨床試験に関する情報へのリンク集です。

米国の商標Keytruda[キイトルーダ]
FDA承認承認済み

FDA承認済み適応一覧

薬剤添付文書はこちらDailyMed

FDA承認ニュース

FDAが腎細胞がんの術後療法としてペムブロリズマブを承認

FDAが再発/転移子宮頸がんの一次治療にペムブロリズマブの併用を承認

FDAが進行腎細胞がんにペムブロリズマブとレンバチニブの併用を承認

FDAがハイリスク早期トリネガ乳がんの術前/術後補助療法にペムブロリズマブを承認

FDAがHER2陽性胃がんと胃食道接合部がんにペムブロ+トラスツズマブ+化学療法を承認

FDAが食道/胃食道接合部がんにペムブロリズマブを承認

FDAが局所再発切除不能または転移トリネガ乳がんにペムブロリズマブを迅速承認

FDAが古典的ホジキンリンパ腫にペムブロリズマブを拡大承認

FDAが切除不能な大腸がんの初回治療にペムブロリズマブ(キイトルーダ)を承認

FDAが皮膚扁平上皮がんにペムブロリズマブを承認

FDAが、腫瘍遺伝子変異量の高い(TMB-H)成人/小児の固形がんにペムブロリズマブを承認

FDAがペムブロリズマブの新たな投与レジメンを承認

FDAがBCG不応高リスク筋層非浸潤膀胱がんにペムブロリズマブを承認

FDAが肝細胞がんにペムブロリズマブを迅速承認

FDAが転移扁平上皮肺がんの初回治療にペムブロリズマブ併用を承認

FDAが転移非扁平上皮肺がん初回治療にぺムブロリズマブを正式承認

FDAが尿路上皮がんでのアテゾリズマブとペムブロリズマブの使用を制限

FDAが再発または転移性子宮頸がんにペムブロリズマブを承認

FDA が再発・難治性B細胞リンパ腫(PMBCL)にペムブロリズマブを承認

FDAが特定の遺伝子特性を有するあらゆる固形がんにペムブロリズマブを承認

FDAが進行または転移性尿路上皮がんにペムブロリズマブを承認

ペムブロリズマブ、古典的ホジキンリンパ腫にFDAが迅速承認

ペムブロリズマブ、高PD-L1発現肺癌一次治療にFDA承認

FDAが頭頸部扁平上皮がん治療にペムブロリズマブを迅速承認

FDAが転移性メラノーマの一次治療にペムブロリズマブを承認

FDAが進行非小細胞肺がんの治療にペムブロリズマブを承認

適応となるがん

ペムブロリズマブは、以下の治療に承認されています。

・トリプルネガティブ乳がん
  -PD-L1陽性で再発し手術による切除不能または転移したがんを有する患者に化学療法と併用して使用されます。
  -再発リスクの高い初期がん患者に、手術前に化学療法と併用して使用し、手術後に単剤で使用されます。

子宮頸がん。
  -PD-L1陽性で、化学療法による治療中または治療後に増悪した再発または転移がんを有する患者に単剤で使用されます。
  -PD-L1陽性で再発または転移がんを有する患者または治療が奏効しなかった患者に、化学療法あるいは化学療法+ベバシズマブとの併用で使用されます。

古典的ホジキンリンパ腫。
  -難治性または再発がんを有する成人患者に使用されます。
  -難治性または2つ以上の他の種類の治療を受けた後に再発したがんを有する小児患者に使用されます。

・局所進行、再発または転移皮膚扁平上皮がん(皮膚がんの一種)。手術や放射線治療で治癒しない患者に使用されます。

・手術または放射線治療で治療できず他の全身治療後に増悪した子宮内膜がん。
  -高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有さない患者に、レンバチニブとの併用で使用されます。
  -MSI-HまたはdMMRを有するがん患者に単剤で使用されます。

・手術または化学療法と放射線療法の併用により治療できない転移食道がんまたは胃食道接合部がん。
  -プラチナ製剤による化学療法とフルオロピリミジンとの併用で使用されます。
  -PD-L1陽性で全身療法による治療を受けた扁平上皮細胞がん患者に単剤で使用されます。

胃がん・胃食道接合部腺がん
  -HER2陽性で転移がんを有する患者または手術による治療ができない患者に、初回治療としてトラスツズマブとフルオロピリミジン+プラチナ製剤による化学療法との併用で使用されます。1
  -PD-L1陽性で再発または転移がんを有する患者に単剤で使用されます。2回以上のフルオロピリミジン+プラチナ製剤による化学療法(場合によっては、
HER2 標的療法)での治療中または治療後にがんが増悪した患者に使用されます。1

・ソラフェニブによる治療歴を有する患者の肝細胞がん(肝がんの一種)。1

メラノーマ
  -手術による切除不能もしくは転移したがんを有する患者に使用されます。
  -IIB期、IIC期またはIII期のメラノーマを有する成人患者および12歳以上の小児患者に使用されます。手術により切除された後にメラノーマが再発するのを予防するために使用されます。

メルケル細胞がん(成人および小児)。再発または転移がん患者に使用されます。1

・転移性または手術による切除不能な高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)がん。
  -他の治療後に増悪し、他の療法で治療できない成人患者および小児患者の固形腫瘍の治療に使用されます。1
  -大腸がんの治療に使用されます。
  MSI-HおよびdMMRがんは特定の遺伝子変異を有し、治療の種類によっては奏効しないことがあります。

非小細胞肺がん
  -
EGFR遺伝子またはALK遺伝子に変異がない転移非扁平上皮がん患者に初回治療としてペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法との併用で使用されます。
  -転移扁平上皮がんに初回治療としてカルボプラチン+パクリタキセルもしくはカルボプラチン+パクリタキセル・アルブミン安定小粒子製剤との併用で使用されます。
  -PD-L1陽性でEGFR遺伝子またはALK遺伝子に変異がないがんを有する患者に初回治療として単剤で使用されます。手術、化学療法または放射線療法で治療できないステージIIIのがん患者に使用されます。転移がんを有する患者にも使用されます。
  -転移がんを有し、PD-L1陽性でプラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に増悪した患者に単剤で使用されます。EGFR遺伝子またはALK遺伝子に変異を有するがん患者は、遺伝子変異に対しFDAが承認した治療を受けた後に増悪した場合にのみ、ペムブロリズマブによる治療を受けるべきです。

原発性縦隔大細胞型B 細胞リンパ腫。難治性または2つ以上の他の治療法を受けた後に再発したがんを有する成人患者および小児患者に使用されます。

腎細胞がん(腎がんの一種)
  -手術による切除不能または転移したがん患者に初回治療としてアキシチニブまたはレンバチニブとの併用で使用されます。
  -腎臓を切除する手術または腎臓および転移がんを切除する手術を受けた後に再発するリスクの高い患者に補助療法として使用されます。

・腫瘍遺伝子変異量の高い(TMB-H)固形がん(転移がんまたは手術による切除不能)。治療後にがんが増悪し、他の治療法を受けることができない成人および小児患者に使用されます。1

・再発または転移頭頸部扁平上皮がん
  -手術による切除不能ながん患者に初回治療としてプラチナ製剤による化学療法およびフルオロウラシルとの併用で使用されます。
  -PD-L1陽性で手術による切除不能ながん患者に初回治療として単剤で使用されます。
  -プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後にがんが増悪した患者に単剤で使用されます。

尿路上皮がん(膀胱がんの一種)。
  -転移し、プラチナ製剤による化学療法で治療できないがん、もしくはプラチナ製剤による化学療法による治療中または治療後に増悪したがんを有する患者に使用されます。
  -リスクが高く、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)による治療が奏効せず、筋肉に転移していない上皮内がんを有する患者に使用されます。手術を受けることができないまたは手術を受けないと決めた患者に使用されます。 

1本適応は、FDAの迅速承認プログラムの下で承認されています。承認の条件として、検証的試験によりペムブロリズマブがこれらの患者に臨床的有用性をもたらすことが示されなければなりません。

ペムブロリズマブは、他のがん種の治療についても試験が行われています。

Pembrolizumab[ペムブロリズマブ]に関する詳細情報

NCI治療薬辞典による定義-詳細な科学的定義や、この治療薬に対する別名

ペムブロリズマブに関するMedline Plusの情報(原文)-この治療薬に関する重要な情報を一般の方向けの言葉でまとめています。内容は次のようなものです。

・この治療薬に関するFDAの警告や注意
・この治療薬の適応症、使用方法
・この治療薬の使用の前に担当医に伝えておくべきこと
・この治療薬の使用の前に知っておくべきこと
・この治療薬と相互作用がある可能性のある他の薬剤
・起こりうる副作用

治療薬は、すでに承認された適応以外にも治療や予防に役立つ効果があるかどうか、別の試験で調べられることがしばしばあります。この患者向け『薬剤情報』では、承認された用法にのみ記載していますが、情報の大部分は、現在試験が行われている未承認の使用法にも適応されることでしょう。

【ファクトシート】モノクローナル抗体(原文)-この治療薬をがんに使用する際の情報

【ファクトシート】免疫チェックポイント阻害薬(原文)-この治療薬をがんに使用する際の情報

【ファクトシート】がんの分子標的薬(日本語訳)-この治療薬をがんに使用する際の情報

研究結果

【NCIブログ】HLA遺伝子:免疫療法薬が必ずしもすべての人に有効ではない理由(2022/01/27)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報

【NCIブログ】Pembrolizumab May Help Prevent Early-Stage Melanoma from Returning[早期メラノーマの再発防止にペムブロリツマブが有望](2021/10/13)(原文)-この治療薬に対するNCIからの情報

【NCIブログ】New Immunotherapy Option Approved for Cervical Cancer, Rare Lymphoma[子宮頸がんおよび稀なリンパ腫に新しい免疫療法の選択肢を承認](2018/8/2)(原文)-この治療薬に対するNCIからの情報

【NCIブログ】免疫チェックポイント阻害薬の長期的な副作用が研究で明らかに(2021/04/30)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報

【NCIブログ】新しい抗がん剤、新たな副作用、がん免疫療法の合併症(2019/05/10)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報

現在行われている臨床試験

ペムブロリズマブに関する臨床試験を検索-現在患者を受け入れているがん領域のNCI試験のリスト

2022年3月25日更新

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

原文掲載日 :