Atezolizumab[アテゾリズマブ]

米国承認初掲載日:2016年05月20日~

このページは、米国国立がん研究所(NCI)「Drug Information」に基づいて作成しています。
薬剤の簡単な解説と、本治療薬の用法、関連ニュース、研究結果および現在進行中の臨床試験に関する情報へのリンク集です。最新情報は、下記の原文ページでご覧ください。

米国の商標 Tecentriq
日本の承認の有無/商標KEGG PMDA で調べる

  ※原文リンクは、個人のブラウザの自動翻訳でご覧いただけます。

『海外がん医療情報リファレンス』内の記事を検索 → Atezolizumab[アテゾリズマブ]

適応となるがん

アテゾリズマブは、以下の治療に承認されています。

• 手術による切除不能または転移肝細胞がん(肝がんの一種)。全身療法を受けたことのない患者にベバシズマブとの併用で使用されます。

• BRAF遺伝子に特定の変異のあるメラノーマ。手術による切除不能または転移がんを有する成人患者にコビメチニブおよびベムラフェニブとの併用で使用されます。

• 非小細胞肺がん。以下の用法で使用されます。
 ・PD-L1タンパク質を発現するステージIIA、ステージIIBまたはステージIIIAのがんを有する成人患者に手術後およびプラチナ製剤ベースの化学療法後の補助療法として使用されます。
 ・PD-L1タンパク質を発現し上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子または未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子に変異のない転移がんを有する成人患者に初回治療として使用されます。
 ・EGFR遺伝子または ALK遺伝子に変異がない非扁平転移がんの成人患者において、初回治療としてベバシズマブ、パクリタキセルおよびカルボプラチンまたはパクリタキセル・アルブミン安定化小粒子製剤およびカルボプラチンとの併用で使用されます。
 ・プラチナ製剤ベースの化学療法による治療中または治療後に転移がんが増悪した成人患者に使用されます。EGFR遺伝子またはALK遺伝子に変異がある患者では、これらの変異に対するFDA承認治療を行った後にがんが増悪した場合に使用されます。

• 小細胞肺がん。進展型小細胞肺がんの成人患者に初回治療としてカルボプラチンおよびエトポシドとの併用で使用されます。

• 手術による切除不能または転移尿路上皮がん(膀胱がんの一種)。以下の患者に使用されます。
  ・PD-L1タンパク質を発現しシスプラチンで治療できないがんを有する成人患者1
  ・プラチナ製剤ベースの化学療法で治療できない成人患者1

1本適応は、FDAの迅速承認プログラムの下で承認されています。承認の条件として、検証的試験によりアテゾリズマブがこれらの患者に臨床的有用性をもたらすことが示されなければなりません。

アテゾリズマブは、他の種類のがんの治療でも研究されています。 
→ 適応となるがん最新(原文ページ)

FDA承認ニュース
FDAがBRAF V600変異陽性メラノーマにアテゾリズマブを含む3剤併用療法を承認
FDAがPD-L1高発現の転移性非小細胞肺がんにアテゾリズマブを承認
FDAが転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がんにアテゾリズマブ+ナブパクリタキセル+カルボプラチンを承認
FDAがPD-L1陽性の特定のトリネガ乳がんにアテゾリズマブを承認
FDAが進展型小細胞肺がんにアテゾリズマブを承認
FDAが転移非小細胞肺がんに化学療法+アテゾリズマブを承認
アテゾリズマブ、転移非小細胞肺がん治療にFDA承認
FDAが白金治療後の転移性尿路上皮がんにアテゾリズマブを承認

Atezolizumab[アテゾリズマブ]に関する詳細情報

NCI治療薬辞典(原文)-詳細な科学的定義や、この治療薬に対する別名
Medline Plusの情報(原文)-治療薬に関する重要な情報を一般の方向けの言葉でまとめています。内容は次のようなものです。
・この治療薬に対するFDAの警告や注意
・この治療薬の適応症、使用方法
・この治療薬の使用の前に担当医に伝えておくべきこと
・この治療薬の使用の前に知っておくべきこと
・この治療薬と相互作用がある可能性のある他の薬剤
・起こりうる副作用

研究結果
【NCIブログ】HLA遺伝子:免疫療法薬が必ずしもすべての人に有効ではない理由(2022/01/27)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報
【NCIブログ】FDAがアテゾリズマブを非小細胞肺がんの術後免疫療法として初承認(2021/10/26)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報
【NCIブログ】免疫チェックポイント阻害薬の長期的な副作用が研究で明らかに(2021/04/30)(日本語訳)-この治療薬に対するNCIからの情報

治療薬は、すでに承認された適応以外にも治療や予防に役立つ効果があるかどうか別の試験で調べられることがあります。この患者向け『薬剤情報』では、承認された用法のみ記載していますが、情報の大部分は、現在試験が行われている未承認の使用法にも適応されることでしょう。

アテゾリズマブの臨床試験/治験を検索(原文)-現在患者を受け入れているがん領域のNCI臨床試験リスト

検索リンク

PubMed論文検索-米国National Library of Medicine。世界の科学論文一覧。薬剤の論文を調べることができます。
Clinicaltrials.Gov-世界中の臨床試験、治験一覧ページ。薬剤名で検索が可能です。

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