NCI(米国国立がん研究所)がん研究ブログ

なぜ若年成人で大腸がんが急増しているのかの画像

なぜ若年成人で大腸がんが急増しているのか

Doug Dallmann氏が大便に血が混じっていることに初めて気づいたのは30代前半であった。 「しかし、たまにしか起こらなかったし、痛みもなかったのであまり気にせず、主治医には相談しませんでした」とDallmann氏は自分のアカウントで
ニボルマブが一部の進行胃がんの生存を改善の画像

ニボルマブが一部の進行胃がんの生存を改善

大規模臨床試験の結果から、進行胃がんと診断された患者の一部において、化学療法に加えて免疫療法薬ニボルマブ(販売名:オプジーボ)の投与を初回治療として行うことで、生存期間が延長する可能性があることが示された。 CheckMate 649と呼ば
オリゴメタ:治癒可能な種類の転移がんかの画像

オリゴメタ:治癒可能な種類の転移がんか

「治癒」と「転移がん」という言葉が一緒に使われることはほとんどない。それは、体内で発生した場所から他の臓器に転移したがんが、死亡のほとんどの原因となっているからである。 しかし、1995年に論争の的になった概念を2人のがん研究者が発表した。
進行食道がんの早期治療に免疫チェックポイント阻害薬が有望の画像

進行食道がんの早期治療に免疫チェックポイント阻害薬が有望

先ごろ発表された2つの大規模臨床試験の結果によると、免疫療法は一部の進行食道がん患者で早期治療の一角を担うことになるかもしれない。 両試験で、標準治療に比べて免疫チェックポイント阻害薬による治療は、進行食道がん患者が増悪することなく生存でき
パゾパニブが小児および成人の軟部肉腫に有望の画像

パゾパニブが小児および成人の軟部肉腫に有望

進行した軟部肉腫の患者の大半に行なう標準治療には、腫瘍切除手術の前に行なう放射線治療と、場合によっては化学療法がある。その目的は手術前に腫瘍を可能な限り多く死滅させることであり、これにより外科医は腫瘍の全部または大部分を安全に切除することが
がん患者は疼痛管理に必要なオピオイドを入手しているかの画像

がん患者は疼痛管理に必要なオピオイドを入手しているか

新しい研究により、米国の腫瘍内科医およびその他の医師が、高齢の患者に処方するオピオイド薬が減少してきたことが明らかになった。2013年から2017年にメディケア受給者に対するオピオイド処方率は、米国全体で、腫瘍内科医で約21%、その他の医師
多くの高齢者が不必要ながん検診を受けている【全米調査】の画像

多くの高齢者が不必要ながん検診を受けている【全米調査】

高齢者の半数以上が過去数年間に1回以上不要ながん検診を受けていたということが全米調査により判明した。 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、一般的ながんリスクの人は、大腸がん検診は75歳まで、乳がん検診は74歳まで、子宮頸がん検診は65
アスピリンの常用が高齢者のがん死亡リスクを高める可能性の画像

アスピリンの常用が高齢者のがん死亡リスクを高める可能性

数多くの研究では、低用量のアスピリンを定期的に服用している人は、がんと診断されたり、がんで死亡するリスクが低減する可能性があることが示唆されている。しかし、ASPREEという無作為化臨床試験から得られた新たな知見により、高齢者には同じことが
トラスツズマブ併用でHER2陽性子宮漿液性がんの生存期間が延長の画像

トラスツズマブ併用でHER2陽性子宮漿液性がんの生存期間が延長

悪性度の高いタイプの子宮体がん患者の一部で、通常はある種の乳がんに用いる薬剤を使用すると生存期間が延長する可能性があることが、小規模な臨床試験の最新結果から明らかになった。 臨床試験に参加したのは、子宮漿液性がん(USC)が子宮外に転移した
AYA世代のがんサバイバーの健康問題に関する研究の画像

AYA世代のがんサバイバーの健康問題に関する研究

AYA世代(思春期および若年成人)にがんと診断されたサバイバーは、がんに罹患していない同世代の人々よりも、広範囲に及ぶ慢性的な健康問題を生じる可能性が高いことが大規模の新しい研究で明らかになった。 また本研究では、特定のがん治療とAYA世代
白血病のFTOタンパク阻害剤として2薬剤が再評価の画像

白血病のFTOタンパク阻害剤として2薬剤が再評価

今では使われなくなった古い薬剤2種が、血液腫瘍の一種である急性骨髄性白血病(AML)の治療薬として有望であることを研究者らが発見した。再評価されたbisantrene(ビサントレン)、 brequinar(ブレキナル)という2薬剤は、マウス
進行膀胱がんに対する免疫療法薬のタイミングが明らかにの画像

進行膀胱がんに対する免疫療法薬のタイミングが明らかに

2020年6月24日  最新情報:2020年7月1日、米国食品医薬品局(FDA)が白金製剤を用いた化学療法後に腫瘍が縮小したか又は増殖を止めた進行膀胱がんを有する患者に対し、アベルマブ(バベンチオ)を承認した。この承認は、転移していない(局
NCIのCCDI構想により小児・AYA世代がんの研究が加速の画像

NCIのCCDI構想により小児・AYA世代がんの研究が加速

Norman E. Sharpless医師の報告 2019年7月、研究者、支援者をはじめ多くの人々が一堂に会して、小児、思春期および若年成人(AYA)がんに対する研究を加速させるために必要なデータの収集、分析、共有のより効率的かつ効果的な手
メンタルヘルス治療はがん生存向上につながる可能性の画像

メンタルヘルス治療はがん生存向上につながる可能性

精神疾患のあるがん患者は、メンタルヘルス治療を受けると延命につながるかもしれない。このことが新規研究によって示唆された。 この研究によれば、退役軍人プログラムで肺がん治療を受けた 50,000 人以上の退役軍人のうち、精神疾患があり、薬物を
リツキシマブを加えた治療法が高悪性度B細胞リンパ腫の若齢患者に有効の画像

リツキシマブを加えた治療法が高悪性度B細胞リンパ腫の若齢患者に有効

最近の研究結果により、バーキットリンパ腫などの増殖が速いB細胞非ホジキンリンパ腫と新たに診断された小児および若年成人の治療基準が確立された。  同研究ではリツキシマブ(リツキサン、Truxima[トルキシマ])を標準化学療法に追加し、小児お
オランザピンは進行がんによる吐き気や嘔吐を軽減の画像

オランザピンは進行がんによる吐き気や嘔吐を軽減

研究者らは、化学療法が原因ではない吐き気や嘔吐がある進行がん患者に対して有望な治療法をみつけたという手ごたえを感じている。NCIが資金を提供した小規模研究において、プラセボと比較し、オランザピンによる治療によりがん患者の吐き気と嘔吐が大幅に
オラパリブとルカパリブの承認で、前立腺がん治療はPARP阻害薬の時代に突入の画像

オラパリブとルカパリブの承認で、前立腺がん治療はPARP阻害薬の時代に突入

米国食品医薬品局(FDA)による最近の承認2件は、一部の前立腺がん男性患者用治療薬である分子標的薬の適応拡大という新たな道を開いた。 今回の承認は分子標的薬オラパリブ(リムパーザ)とルカパリブ(ルブラカ)に対するもので、いずれも前立腺がんが
血液検査で早期がんの発見は可能かの画像

血液検査で早期がんの発見は可能か

血液検査と画像診断を用いて、がんの既往歴も症状もない女性に、がん(一部は早期がん)が検出された。この種としては初めての研究である。 血液検査では、それぞれの検診が推奨される乳がん、肺がん、大腸がんが検出された。しかし、検診方法が存在しない他
改訂版栄養成分表示は、がんも含めた健康や食の科学を反映の画像

改訂版栄養成分表示は、がんも含めた健康や食の科学を反映

2020年1月1日、米食品医薬品局(FDA)は多くの食品製造業者に対し、各自社製品に栄養成分表示の改訂版を表示するよう、要請を開始した。本インタビューでは、FDA食品安全応用栄養センター栄養政策上級顧問 Robin McKinnon博士とN
ルキソリチニブが一部の移植片対宿主病患者に有用の画像

ルキソリチニブが一部の移植片対宿主病患者に有用

造血幹細胞移植を受けて数カ月以内に移植片対宿主病(GVHD)を発症し、ステロイドに反応しなかった血液のがんを有する患者は、他の治療法よりもルキソリチニブ(ジャカビ)に反応する可能性が高いことが、大規模臨床試験の結果により明らかになった。 こ
乳がん女性の定期的な運動が生存期間を延長する可能性の画像

乳がん女性の定期的な運動が生存期間を延長する可能性

高リスク乳がんと診断された女性の生存期間の延長と身体活動を関連づける既存のエビデンスに、新たな研究結果が追加された。 がんの診断前および治療後に定期的に身体活動を行っていた女性は、活動を行っていなかった女性と比較して、がんの再発や死亡の可能
PSMA PET-CT検査が前立腺がんの転移を正確に検出の画像

PSMA PET-CT検査が前立腺がんの転移を正確に検出

一部の前立腺がん男性患者において、身体の他の部位に転移したがんの検出には、最もよく使用されている方法よりも効果的な画像診断方法があることが、大規模臨床試験の結果から示唆されている。 オーストラリアで実施された本試験では、前立腺を超えて転移す
がんサバイバーの不安と苦悩に対処するための支援の画像

がんサバイバーの不安と苦悩に対処するための支援

がんと診断され集学的治療を受けることは精神的ストレスを伴う。それだけに治療が終了すると、家族や友人は祝福を惜しまない。しかし、多数のがんサバイバーは祝福に気乗りしなかったり、前向きに生きる準備ができていないと感じたりする。 「この食い違いの
骨盤領域への放射線治療はより多くの副作用をもたらすの画像

骨盤領域への放射線治療はより多くの副作用をもたらす

子宮頸がんや子宮体がんの放射線治療を受けている女性は、重篤な副作用の発生率がこれまでの認識よりもはるかに高いことが新規臨床試験の結果から分かった。患者と担当医にとって術後療法によってもたらされるであろう利益と有害性についてより正確に評価する