NCI(米国国立がん研究所)がん研究ブログ

非筋層浸潤性膀胱がんにBCGの代替療法としてゲムシタビン+ドセタキセル併用が有効の画像

非筋層浸潤性膀胱がんにBCGの代替療法としてゲムシタビン+ドセタキセル併用が有効

米国国立がん研究所(NCI)がん研究ブログ 最も一般的な膀胱がんの治療に使われてきたBCGは、新型コロナウィルス感染症(COVID)の大流行が加速したサプライチェーン危機の遥か前から不足していた。BCGは長期にわたり、高リスクの非筋層浸潤性
がん治療戦略として炎症の標的化が浮上の画像

がん治療戦略として炎症の標的化が浮上

1863年、ドイツの病理学者は、がん組織内の白血球を観察した。白血球は人体の炎症反応の一部で、病原微生物などの侵入微生物に対抗し、かつ、損傷組織を治癒するために活性化される。 この観察に基づいて、病理学者Rudolf Virchow氏は、が
肝臓がん患者の肝移植に関する最新エビデンスの画像

肝臓がん患者の肝移植に関する最新エビデンス

肝臓がんの中でも最も多い肝細胞がん(HCC)の患者の一部にとって、治癒のためには肝移植が唯一の望みである。しかし、移植用の臓器が提供される機会は非常に限られている。そのため、ドナー肝臓が入手可能になった場合、医師と公衆衛生の専門家は、誰が最
ペムブロリズマブは進行トリプルネガティブ乳がんの生存を改善の画像

ペムブロリズマブは進行トリプルネガティブ乳がんの生存を改善

免疫療法薬ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の化学療法への追加によって、一部の進行トリプルネガティブ乳がん患者では化学療法単独と比べて生存期間が延長することが、臨床試験の最新結果で示された。 このKEYNOTE-355試験において、腫瘍のPD
がんを感染症に見せかけることで、免疫系の腫瘍排除を促進の画像

がんを感染症に見せかけることで、免疫系の腫瘍排除を促進

免疫系はがんに対して強力な打撃を浴びせることができるとはいえ、多くの腫瘍は免疫細胞の働きを失わせたり、妨害したりする手段を見出している。しかし、NCIの研究者らは、がんをウイルス感染症に見せかけることで、免疫細胞を優位に立たせることを可能に
免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害は微生物が原因かの画像

免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害は微生物が原因か

免疫チェックポイント阻害薬は免疫療法の一種で、多くのがんの治療を一変させた。しかし、多くの患者にとってこれらの薬剤は、かゆみや痛みを伴う皮膚の発疹など、さまざまな副作用を引き起こす可能性がある。時には、重度の皮膚障害により、投薬を中止するこ
トラスツズマブ デルクステカンはHER2低発現転移性乳がんの生存を改善の画像

トラスツズマブ デルクステカンはHER2低発現転移性乳がんの生存を改善

更新 2022年8月5日、米国食品医薬品局(FDA)は、外科的に切除できない、または体内の他の部位に転移しているHER2低発現乳がんの治療薬としてトラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)を承認した。トラスツズマブ デルクステカンの投与を
小児脳腫瘍の一部には化学療法よりもダブ+トラ標的療法が有効の画像

小児脳腫瘍の一部には化学療法よりもダブ+トラ標的療法が有効

新しい臨床試験の結果によれば、低悪性度グリオーマ(神経膠腫)と呼ばれる脳腫瘍の小児の一部には、新たな標準治療ができるかもしれない。この試験では、安全性に加え、腫瘍を縮小させて進行を抑制する効果について、ダブラフェニブ(タフィンラー)とトラメ
低リスク前立腺がんの監視療法は引き続き増加の画像

低リスク前立腺がんの監視療法は引き続き増加

10年ほど前までは、死亡に至る危険性の低い低リスク前立腺がんと診断された男性の大半が直ちに手術や放射線による治療を受けていた。どちらも低リスク前立腺がんに対する治癒的療法とみなされているが、排尿障害や勃起不全など、深刻で生涯続く副作用を伴う
がんサバイバーの心理社会的な健康ニーズへの対応の画像

がんサバイバーの心理社会的な健康ニーズへの対応

がんやがんの治療の影響は、紛れもなくストレスの多いものです。多くの人は順調に回復しますが、がんサバイバーの約25%は、不安やうつ、心理的・社会的(心理社会的)苦痛などの問題を持続的に抱えています。 このインタビューでは、UCLAジョンソン総
妊娠中のがん治療―現状と今後の画像

妊娠中のがん治療―現状と今後

2020年の秋、妊娠13週のLeticia Ramos-Mateo氏のもとに、「がんが再発した」という思わしくない知らせが届いた。 彼女は3年前、ホジキンリンパ腫の治療を受けていたが、治療が終了して以来、病気の徴候はみられなかった。しかし3
早期肺がんに術前の化学療法とニボルマブの併用が有効の画像

早期肺がんに術前の化学療法とニボルマブの併用が有効

≪研究共著兼監修者注はこちら≫   肺がんが肺の外に広がる前に発見された場合、通常、手術で腫瘍を除去する。残念ながら、がんが早期に発見され手術によって腫瘍がすべて取り除かれたとしても、がんが再発することはよくある。 今回、大規模臨
イボシデニブ+アザシチジン併用は白血病(AML)の新たな選択肢となるかの画像

イボシデニブ+アザシチジン併用は白血病(AML)の新たな選択肢となるか

初回治療として強力化学療法を受けることのできない急性骨髄性白血病(AML)と呼ばれる悪性度の高い血液腫瘍患者の一部にとって新たな選択肢がまもなく加わる可能性がある。 AML患者の約6%から10%はIDH1と呼ばれる遺伝子の変異により病気が誘
精巣がん術後再発を見つける安全な方法の画像

精巣がん術後再発を見つける安全な方法

早期で低リスクの精巣がんの手術を受けた男性は、その後数年間にわたり再発がないかどうかモニターされる。モニターにはCTスキャンによる定期的な画像検査を行うことが多いが、患者は放射線に曝されることになる。 放射線を必要としない別の画像技術である
単一検査による複数がんのスクリーニングは不確実の画像

単一検査による複数がんのスクリーニングは不確実

早期がんの有無や位置を容易かつ正確に判断できる可能性のある非侵襲的検査の開発は、がん予防研究で期待が膨らむ分野の一つである。しかも、1種類だけでなく複数のがんを検出する検査である。この数年の間、この分野で目覚しい進展があった。 他の点では健
初のLAG-3標的免疫療法薬OpdualagのFDA承認の画像

初のLAG-3標的免疫療法薬OpdualagのFDA承認

米国食品医薬品局(FDA)は、進行メラノーマ(悪性黒色腫)の治療として免疫療法薬2種の配合剤を承認した。本剤はレラトリマブとニボルマブ(販売名:オプジーボ)の配合剤であり、Opdualagの製品名で発売される。 2剤とも免疫チェックポイント
ダロルタミドが転移性前立腺がんの生存期間を延長の画像

ダロルタミドが転移性前立腺がんの生存期間を延長

ダロルタミド(販売名:ニュベクオ)は、大規模臨床試験の結果に基づき、進行前立腺がんと診断された一部の患者に対する標準治療に加えられる可能性がでてきた。 本試験では、体の他の部位に転移したホルモン感受性前立腺がん患者を対象に、ダロルタミド+他
AIは今後さらに洗練された方法で、がん画像診断に役立てられるの画像

AIは今後さらに洗練された方法で、がん画像診断に役立てられる

形状が曖昧な白黒の2つの同一な画像がコンピュータ画面に並んで表示されている。左側の画面では、15年の経験を持つ放射線科医のIsmail Baris Turkbey医師が、不明瞭な形状で浸潤性に増大している前立腺がんと思われる領域の輪郭を描い
がん治療の重い副作用は女性に多いの画像

がん治療の重い副作用は女性に多い

化学療法、標的治療、免疫療法などのがん治療において、女性は男性よりも重篤な副作用を経験する可能性が高いことが、新たな研究で示唆された。 全体として、女性は男性に比べて重篤な副作用のリスクが34%高いことがわかった。この性差は、免疫療法を受け
遠隔診療を利用したがんケアの急増とその今後の画像

遠隔診療を利用したがんケアの急増とその今後

2020年に7歳の娘Evaが進行性のウィルムス腫瘍と診断された後、LaBonne夫妻のChrisとAliciaは、娘Evaの治療についてナッシュビルのヴァンダービルト-イングラムがんセンター(VICC)の医師にセカンドオピニオンを求めた。た
mRNAワクチンはがん治療に貢献できるかの画像

mRNAワクチンはがん治療に貢献できるか

COVID-19流行により、細胞にタンパク質産生を指令する分子である 伝令RNA(messenger RNA:mRNA)に注目が集まっている。全世界で何億人もの人々がSARSコロナウイルス2の感染による重篤な新型コロナウイルス感染症(COV
ナノ粒子により実験的髄芽腫治療の効果が飛躍的に向上の画像

ナノ粒子により実験的髄芽腫治療の効果が飛躍的に向上

抗がん剤パルボシクリブ(販売名:イブランス)をナノ粒子に充填することで、脳腫瘍の一種である髄芽腫に対する抗がん作用が高まることが、マウスを用いた新たな研究で明らかになった。この研究を主導した研究者らによると、ナノ粒子コーティングによって腫瘍
小児がん経験者の妊娠に関する朗報と注意点の画像

小児がん経験者の妊娠に関する朗報と注意点

≪記事の概要はこちら≫ まず朗報――小児がん経験者が成人後に妊娠した場合、がんの病歴のない人と同様に健康な子どもを出産する傾向にあることが新たな研究により明らかになった。小児がん経験者の子どもたちは先天性疾患や出生時の健康問題のリスクも高く
デュルバルマブが進行胆道がんの生存を緩やかに改善の画像

デュルバルマブが進行胆道がんの生存を緩やかに改善

大規模臨床試験の新たな結果は、胆管がんや胆のうがんなど、まれだが進行の早い種類のがんである胆道がん患者に希望の光を与えるものである。 TOPAZ-1と呼ばれるこの試験では、免疫療法薬デュルバルマブ(販売名:イミフィンジ)を標準的な化学療法に