一部の非小細胞肺がんで免疫療法薬がより優れた一次治療となる可能性

一部の非小細胞肺がんで免疫療法薬がより優れた一次治療となる可能性

研究概要

研究タイトル:

進行性BRAFV600E変異陽性非小細胞肺がんに対する一次治療として免疫療法薬とBRAF/MEK標的療法の比較:国際多施設共同コホート研究

掲載誌:

The Lancet Oncology

連絡先となるダナファーバーがん研究所著者:

Biagio Ricciuti

要旨:

国際多施設共同研究の結果、進行性非小細胞肺がん(NSCLC)患者で、BRAF遺伝子にBRAFV600Eと呼ばれる稀な変異を有する症例において、一次治療として免疫療法薬を受けた場合(化学療法併用の有無を問わない)、BRAF/MEK阻害剤と呼ばれる標的治療薬を一次治療として受けた患者と比較して生存期間が延長することが明らかになった。

本研究では、複数国のがんセンターで治療を受けた患者を対象に、2つの一般的な一次治療法、すなわち免疫療法薬ベース治療とBRAF/MEK標的療法を比較した。免疫療法薬から開始した患者の生存期間中央値は41カ月であったのに対し、BRAF/MEK阻害剤から開始した患者では25カ月であった。免疫療法薬の有益性は特に、腫瘍のPD-L1発現率が1%以上の患者、喫煙歴のある患者、脳転移のない患者群で顕著であった。標的療法群では腫瘍縮小が高頻度で、しばしばより迅速であったものの、免疫療法薬から開始した患者群で長期予後が良好である傾向がみられた。さらに本研究では、腫瘍にTP53変異も有する患者はBRAF/MEK阻害剤で著しく予後が悪化したが、免疫療法薬ではその傾向が認められなかった。このことから、治療選択時には腫瘍のより広範な遺伝子構成を考慮すべきことが示唆された。最後に、研究者らは免疫療法薬の後にBRAF/MEK阻害剤を投与しても安全であることを実証し、これらの治療を連続して使用する際の副作用に関する従来の懸念を和らげた。

意義:

BRAFV600E変異を有する非小細胞肺がん患者は、他のドライバー遺伝子変異陽性肺がんと同様に、通常は標的療法を一次治療とする治療アプローチがとられることが取られることが多かった。しかし今回の新たな知見は、BRAFV600E変異を有する多くの患者にとって、これが最善の戦略ではない可能性を示唆している。本結果は、特にPD-L1陽性腫瘍、喫煙歴、脳転移のない患者において、免疫療法薬ベースの治療を第一選択肢とすることを支持する。これらの結果を確証し、免疫療法薬と標的療法薬の最適な投与順序を決定し、各患者に最も効果的な治療法をマッチングさせる追加マーカーを発見するためには、前向き無作為化臨床試験を含むさらなる研究が必要である。

資金供与:

NextGenerationUE

  • 監修 田中謙太郎(呼吸器内科、腫瘍内科、免疫/鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 呼吸器内科学分野)
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  • 原文掲載日 2026/01/20

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