腎臓がんの新たな治療選択肢としてカボザンチニブとニボルマブが有望

2つの治療薬が、進行転移性腎細胞がんの治療における現在の展望を変え、生存期間を延長させる。

議題:泌尿生殖器がん

過去10年間で多くの治療薬が進行転移性腎臓がんに対して承認されたが、患者の生存率は依然として深刻な状況にある。しかし、この腫瘍のための治療薬が進化し、そのめざましい結果がウィーンの欧州がん学会(ECC2015)で披露された。

非盲検第3相臨床試験であるMETEOR試験で、分子標的薬であるカボザンチニブ[carbozantinib]が、前治療歴のある進行転移性腎臓がん患者に対する標準的な二次治療と考えられてきたエベロリムスと比較された[1]。本試験では、増悪または死亡のリスクが42%減少し、カボザンチニブは無増悪生存期間の中央値を倍増させた。

良好な成果は、他の臨床試験であるCheckMate 025でも示された[2]。もう1つの薬剤である、チェックポイント阻害剤のニボルマブが、二次治療で全生存期間におけるベネフィットを示した。

これらの2剤は日常臨床に変化をもたらすであろうという見解を、イタリア、ローマのSan Camillo-Forlanini Hospital腫瘍内科部長であるCora Sternberg氏が示した。

1 4LBA: http://www.europeancancercongress.org/Scientific-Programme/Abstract-search?abstractid=23032

2 3LBA: http://www.europeancancercongress.org/Scientific-Programme/Abstract-search?abstractid=23097

翻訳担当者 太田奈津美

監修 榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

腎臓がんに関連する記事

進行腎臓がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の逐次投与を強く否定する研究結果の画像

進行腎臓がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の逐次投与を強く否定する研究結果

ダナファーバーがん研究所研究の概要

表題:免疫チェックポイント阻害薬による治療の後進行した転移性腎細胞がんに対するアテゾリズマブ+カボザンチニブ併用療法とカボザンチニブ単独療法の有効性と...
免疫療法薬後の腎がん脳転移は免疫抑制による腫瘍微小環境が関連かの画像

免疫療法薬後の腎がん脳転移は免疫抑制による腫瘍微小環境が関連か

米国癌学会(AACR)脳転移の治療標的の特定にシングル核RNAシーケンスと空間トランスクリプトームを適用した研究

腎細胞がん患者の脳転移には全く異なる遺伝子発現プログラムがあり、原発腫瘍...
ベルズチファン+カボザンチニブ併用は免疫療法治療歴のある進行腎がんに有望の画像

ベルズチファン+カボザンチニブ併用は免疫療法治療歴のある進行腎がんに有望

ダナファーバー研究所
研究概要試験タイトル:
免疫療法薬による治療歴を有する進行淡明細胞腎細胞がん患者に対するベルズチファンとカボザンチニブの併用:非盲検単群第2相試験
 
公開:
ラン...
免疫療法薬+標的治療併用が進行腎臓がんの生存率を改善の画像

免疫療法薬+標的治療併用が進行腎臓がんの生存率を改善

研究概要 ダナファーバーがん研究所
研究タイトル :
進行腎細胞がんの一次治療としてのレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法とスニチニブ単剤療法の比較:非盲検ランダム化第3相試験(CLEA...