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FDAが転移尿路上皮がんにエルダフィチニブを迅速承認

2019年4月12日、米国食品医薬品局(FDA)は、プラチナ製剤を含む化学療法実施中または実施後(プラチナ製剤を含む化学療法を使用したネオアジュバント療法または術後化学療法開始から12カ月以内を含む)に増悪したFGFR3 またはFGFR2感受性遺伝子変異を有する局所進行性または転移がみられる尿路上皮がん患者に対してエルダフィチニブ(商品名:BALVERSA, Janssen Pharmaceutical Companies社)を迅速承認した。

患者はFDAにより承認されたエルダフィチニブのコンパニオン診断薬に基づき治療法を選択する。FDAはQIAGENが開発したtherascreen®FGFR RGQ RT-PCRキットを本適応のための診断薬として使用することも同日に承認した。

エルダフィチニブの承認は、多施設共同非盲検単群試験、BLC2001(NCT02365597)に登録された患者87人のコホートのデータに基づくものである。対象患者は過去に1回以上の化学療法実施中または実施後に増悪が認められた局所進行性または転移がみられる尿路上皮がんを有しており、特定のFGFR3遺伝子変異またはFGFR2もしくはFGFR3遺伝子融合を有する者であった。1日1回8 mgの開始用量でエルダフィチニブを投与され、14〜17日目に血清リン酸値が基準値とする5.5 mg / dLを下回る患者に対しては1日9 mgに増量した。41%の患者において、開始用量から1日9 mgに増量された。エルダフィチニブは、疾患の進行または忍容できない毒性が認められるまで投与された。

主要有効性評価項目は、RECIST 1.1に従い独立審査委員会によって盲検下で評価された客観的奏効率(ORR)であった。ORRは32.2%(95%信頼区間[CI]:22.4~42.0)で、完全奏効は2.3%、部分奏効は29.9%であった。奏効期間中央値は5.4カ月(95%CI:4.2~6.9)。奏効した患者の中には過去に抗PD-L1またはPD-1抗体治療で奏効しなかった患者が含まれた。

エルダフィチニブは眼障害を引き起こす可能性がある。視野欠損をもたらす中心性漿液性網膜症または網膜色素上皮剥離が25%の患者で報告された。最もよくみられた有害反応は、血清リン酸増加、口内炎、疲労、血清クレアチニン増加、下痢、口渇、爪甲剥離症、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アルカリホスファターゼ増加、ナトリウム低下であり、40%以上の患者にみられた。

エルダフィチニブの推奨用量は食事の有無に関係なく1日1回8 mgを経口投与し、基準を満たす場合は1日9 mgに増量可能とする(上記参照)。

BALVERSAの全処方情報はこちらを参照。

本適応は、奏効率に基づき迅速承認された。本適応に対する継続的な承認は検証的試験における臨床的有用性の検証と内容次第である。FDAは、本申請を優先審査および画期的治療薬に指定した。FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム−医薬品およびバイオ医薬品」(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

 

翻訳西原 晋

監修高濱隆幸(腫瘍内科/近畿大学奈良病院)

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