米FDAが非筋層浸潤性膀胱がんにゲムシタビン膀胱内注入システムを承認
2025年9月9日、米国食品医薬品局(FDA)は、乳頭状腫瘍の有無を問わず上皮内がん(CIS)を有するカルメット・ゲラン棹菌(BCG)不応非筋層浸潤性膀胱がん(NMIBC)の成人患者を対象に、ゲムシタビン膀胱内注入システム(販売名:Inlexzo、Janssen Biotech, Inc.社)を承認した。ゲムシタビン膀胱内注入システムは、尿道カテーテルと、尿道カテーテルを通して膀胱に挿入するためのスタイレットが一緒に包装されている。
Inlexzoの詳細な処方情報はこちらに掲載される。
有効性は、SunRISe-1(NCT04640623)のコホート2で評価された。これは、経尿道的切除術後のカルメット・ゲラン棹菌(BCG)不応非筋層浸潤性膀胱がん(NMIBC)患者のうち、乳頭腫瘍の有無を問わず上皮内がん(CIS)を有する患者83人を登録した単群多施設共同試験である。膀胱内注入システムを介して3週間ごとに6カ月間膀胱内にゲムシタビンを投与し、その後は12週間ごとに1回、最長18カ月間投与した。
治療開始から2年間は、12週間ごとに膀胱鏡検査と尿細胞診により腫瘍の状態を評価し、その後は少なくとも24週間ごとに膀胱鏡検査を実施した。治療開始から24週間後と48週間後には、生検を必ず実施した。
主要な有効性評価項目は、あらゆる時点での完全奏効(CR)(膀胱鏡検査[該当する場合は経尿道的膀胱腫瘍切除術/生検を含む]および尿細胞診で陰性の場合と定義)および奏効期間(DOR)であった。各時点でのCR評価は、中央病理検査に基づいて行われた。
CR率は82%(95% CI:72~90)で、CRを達成した患者の51%はDORが12カ月以上であった。
処方情報には、膀胱穿孔を伴う患者に膀胱内システムを介してゲムシタビンを投与する際のリスク、膀胱摘出術が遅くなることで膀胱がんが転移するリスク、磁気共鳴画像法(MRI)の安全性、および胚胎児毒性に関する警告と注意事項が含まれている。
ゲムシタビン膀胱内注入システムでは、ゲムシタビン225 mgを膀胱内に投与する。挿入後3週間は留置し、その後抜去する。ゲムシタビン膀胱内注入システムは、3週間ごとに1回、最長6カ月間(8回投与)、その後12週間ごとに1回、最長18カ月間(6回投与)、またはグレードの高い非筋層浸潤性膀胱がん(NMIBC)の持続もしくは再発、病勢進行、もしくは許容できない毒性が認められるまで挿入する。
- 監修 榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)
- 記事担当者 仲里芳子
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- 原文掲載日 2025/09/09
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