FDAがBRCA変異卵巣がんの一次治療薬にオラパリブを承認

FDAがBRCA変異卵巣がんの一次治療薬にオラパリブを承認

2018年12月19日、米国食品医薬品局(FDA)は、有害または有害な可能性のある生殖細胞系列BRCA変異(gBRCAm)や体細胞BRCA変異(sBRCAm)を有する進行した上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの成人患者で、初回治療のプラチナベース化学療法に完全奏効または部分奏効している患者の維持療法として、オラパリブ(販売名:リムパーザ、AstraZeneca Pharmaceuticals LP社)を承認した。FDAが承認したコンパニオン診断をもとに、生殖細胞系列BRCA変異を有する進行した上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん患者を選定する。

本承認は、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同試験であるSOLO-1(NCT01844986)試験に基づいている。SOLO-1試験では、BRCA変異陽性(BRCAm)の進行した卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん患者を対象として、初回治療のプラチナベース化学療法後にオラパリブの有効性をプラセボと比較した。オラパリブ錠300 mg の1日2回経口投与群(260人)とプラセボ投与群(n = 131)に、2:1の割合で患者を無作為に割り付けた。

主要有効性評価項目は、固形癌の効果判定規準(RECIST)1.1に基づく試験医師の評価による無増悪生存期間であった。本試験により、オラパリブ群ではプラセボ群と比較して、試験医師の評価による無増悪生存期間に統計的に有意な改善がみられたことが示された。無増悪生存期間の中央値は、オラパリブ群では未到達、プラセボ群では13.8カ月と推定された(ハザード比[HR]0.30、95%信頼区間[CI]0.23~0.41、p <0.0001)。無増悪生存期間の解析時点で、全生存のデータは完成していなかった。

SOLO-1試験において、オラパリブ群でグレードにかかわらず最もよくみられた(10%以上)有害反応は、悪心、疲労、腹痛、嘔吐、貧血、下痢、上気道感染症・インフルエンザ・鼻咽頭炎・気管支炎、便秘、味覚異常、食欲減退、浮動性めまい、好中球減少症、消化不良、呼吸困難、尿路感染症(UTI)、白血球減少症、血小板減少症、および口内炎であった。

FDAは、オラパリブが適応となる生殖細胞系列BRCA変異陽性の進行した上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの患者を特定するBRACAnalysis CDx検査(Myriad Genetic Laboratories, Inc.社)も承認した。BRACAnalysis CDx検査の有効性はSOLO-1試験集団によって裏付けられており、同試験ではBRACAnalysis CDxを用いた前向きまたは後ろ向き試験のいずれかによって、有害または有害な可能性のある生殖細胞系列BRCA変異を確認した。

オラパリブの推奨用量は300 mg(150 mg錠2錠)を1日2回で、食事の有無にかかわらず服用し、1日の総量は600 mgである。

リムパーザの全処方情報はこちらを参照のこと。

本申請の審査にはFDAのOncology Center of ExcellenceによるAssessment Aid Pilot Projectが用いられた。

FDAは本申請を優先審査に指定した。FDAの迅速承認プログラムについての情報は「企業向けガイダンス、重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品およびバイオ医薬品」(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳担当者 坂下美保子

監修 北丸綾子(分子生物学/理学博士)

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