FDAが卵巣がん維持療法にオラパリブ錠を承認 | 海外がん医療情報リファレンス

FDAが卵巣がん維持療法にオラパリブ錠を承認

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

FDAが卵巣がん維持療法にオラパリブ錠を承認

米国食品医薬品局(FDA)

2017年8月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、プラチナベース化学療法に完全奏効または部分奏効となった再発性の上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの成人患者に対する維持療法としてolaparib(オラパリブ)錠(商品名:Lynparza、AstraZeneca社)を承認した。

 

今回の新たな適応追加にともない、オラパリブの錠剤が導入された。FDAは2014年に、生殖細胞系BRCA変異を有する、もしくは有すると疑われる進行卵巣がんで、すでに3次治療以上の化学治療を受けた患者の治療薬としてオラパリブのカプセル剤を承認している。本日、FDAは同適応症に対し、同薬錠剤も承認するに至った。錠剤とカプセル剤の互換性はない。カプセル剤は、近く米国市場での流通はなくなり、Lynparza Specialty Pharmacy Networkを通してのみ入手可能となる。

 

今回の維持療法での新規適応への承認は、プラチナベース化学療法が奏効している再発卵巣がん患者を対象とした2件の多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験に基づく。

 

SOLO-2(NCT01874353)試験は、295人の生殖細胞系BRCA変異を有する再発性の卵巣がん、卵管がん、または原発性腹膜がん患者を、300mgのオラパリブ錠を1日2回経口摂取する群と、プラセボ群に2対1の割合で割り付けた。本試験では、ランダムに割り付けられたオラパリブ群の患者では、プラセボ群に比べ、試験実施医師の評価による無増悪生存期間(PFS)が統計的に有意な延長を示した。PFSのハザード比(HR)は0.30(95% 信頼区間: 0.22, 0.41; p<0.0001)であった。PFSの推定中央値はオラパリブ群が19.1カ月で、プラセボ群が5.5カ月であった。

 

Study 19 (NCT00753545)試験では、BRCA変異の有無にかかわらず、265人の患者を400mgのオラパリブのカプセル剤を1日2回経口摂取する群と、プラセボ群に1対1の割合で割り付けた。本試験では、HR0.35(95% 信頼区間: 0.25, 0.49; p<0.0001)で、オラパリブ群がプラセボ群に比較して試験実施医師の評価によるPFSを有意に延長した。PFSの推定中央値はオラパリブ群が8.4カ月で、プラセボ群が4.8カ月であった。

 

臨床試験で最も多く見られた有害反応(20%以上)は、貧血、悪心、疲労感(無力症を含む)、嘔吐、鼻咽頭炎、下痢、関節痛/筋肉痛、味覚障害、頭痛、消化不良、食欲低下、便秘、口内炎であった。最も多くみられた検査異常(25%以上)は、ヘモグロビン減少、平均赤血球容積の増加、リンパ球の減少、白血球の減少、絶対好中球数の減少、血清中クレアチニンの増加、血小板の減少であった。

 

維持療法および前治療歴のある患者への治療におけるオラパリブの推奨投与量法は、300mg(150mgの錠剤を2錠)の1日2回経口摂取である。食事の影響は受けない。

 

処方情報全文:https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/208558s000lbl.pdf

 

FDAは本申請に対して優先審査を実施した。FDAの迅速プログラムの説明は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品および生物学的製剤」を参照のこと。

 

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われるすべての重篤な有害事象をFDAのMedWatch Reporting Systemに報告する必要がある。報告は、オンラインでのフォームの提出(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで入手可能なフォーム(郵便料金受取人払)の郵送・FAX(1-800-FDA-0178)、または電話(1-800-FDA-1088)のいずれかの方法で行う。

 

Oncology Center of Excellenceのツイッターのフォローはこちらから@FDAOncology

 

最近の承認情報が得られるOCEの新しいポッドキャスト「Drug Information Soundcast in Clinical Oncology(D.I.S.C.O.)」は以下を参照のこと。

www.fda.gov/DISCO(http://www.fda.gov/DISCO

原文掲載日

翻訳片瀬ケイ

監修原野謙一(乳腺・婦人科腫瘍内科/国立がん研究センター東病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1診療時の腫瘍マーカー検査は不要な可能性
  2. 2ペムブロリズマブが治療歴ある進行再発胃がんに有望
  3. 3リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  4. 4非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6DNAシーケンシング試験により希少がんに既存薬の適用...
  7. 7若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  8. 8EGFR陽性非小細胞肺がん一次治療にオシメルチニブが...
  9. 9FDAがベバシズマブ-awwbをバイオシミラーとして...
  10. 10コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他