FDAが進行尿路上皮がんにsacituzumab govitecanを迅速承認

 2021年4月13日、米国食品医薬品局(FDA)は、プラチナ製剤を含む化学療法とプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)またはプログラム細胞死リガンド 1(PD-L1)阻害薬の投与を受けたことのある局所進行性または転移性尿路上皮がん(mUC)患者を対象に、sacituzumab govitecan[サシツズマブ ゴビテカン](販売名:Trodelvy、Immunomedics Inc社)を迅速承認した。

  TROPHY試験(IMMU-132-06; NCT03547973)では、有効性と安全性が評価された。この試験は、多施設共同単群試験であり、プラチナ製剤を含む化学療法とPD-1またはPD-L1阻害薬による治療歴のある局所進行性またはmUCの患者112名が登録された。患者は、21日間の治療サイクルの1日目と8日目に、サシツズマブ ゴビテカン10mg/kgの静脈内投与を受けた。

 主な有効性評価項目は、客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)で、RECIST規準第1.1版を用いて独立した中央判定により評価された。確定したORRは27.7%(95% CI:19.6, 36.9)で、完全奏効率が5.4%、部分奏効率が22.3%であった。DORの中央値は7.2カ月(n=31、95%CI:4.7, 8.6、範囲1.4+, 13.7)であった。

 サシツズマブ ゴビテカンの投与を受けた患者に最も多く見られた副作用(発現率25%以上)は、好中球減少、悪心、下痢、疲労、脱毛、貧血、嘔吐、便秘、食欲減退、発疹、腹痛であった。

 サシツズマブ ゴビテカンの推奨用量は、週1回すなわち1日目と8日目に10mg/kgを投与し(3週目は休薬)21日間の治療サイクルで疾患進行または許容できない毒性が認められるまで継続するというものである。

 サシツズマブ ゴビテカンの全処方情報はこちらを参照。

翻訳担当者 後藤若菜

監修 榎本裕(泌尿器科/三井記念病院)

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