【ASCO26】進行大腸がんにエンコラフェニブ+セツキシマブ併用で無増悪生存期間がほぼ2倍に

【ASCO26】進行大腸がんにエンコラフェニブ+セツキシマブ併用で無増悪生存期間がほぼ2倍に

  • BREAKWATER試験のコホート3では、FOLFIRI化学療法に、エンコラフェニブ(販売名:ビラフトビ)およびセツキシマブ(販売名:アービタックス)を併用した治療を評価した。
  • 最新の結果では、無増悪生存期間の延長、全生存期間の改善、および従来の解析と一貫した副作用プロファイルが示された。
  • 本結果は、奏効率および生存転帰の改善を示したこれまでのデータをさらに裏付けた。
  • 2月には、米国食品医薬品局(FDA)がBRAF V600E変異陽性転移大腸がんに対する一次治療の選択肢として、FOLFIRIを含むBREAKWATERレジメンを承認した。


抄録3503

テキサス大学 MDアンダーソンがんセンターの研究者らが主導した第3相BREAKWATER試験の最新結果により、標的治療薬の併用療法を受けたBRAF V600E変異陽性転移大腸がん患者において、病勢進行または死亡のリスクが56%減少したことが示された。

本データは、2026年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、筆頭著者であり消化器腫瘍内科学教授兼トランスレーショナル・インテグレーション担当副学長であるScott Kopetz医学博士により発表された。また、結果はAnnals of Oncology誌にも掲載された。

今回の最新結果は、mFOLFOX6を用いたBREAKWATER試験の先行結果に加えて、BRAF V600E変異陽性転移大腸がん患者に対するエンコラフェニブ、セツキシマブ、およびフルオロウラシルベースの化学療法による3剤併用療法のFDA承認をさらに支持するエビデンスとなる。また、この治療が困難な疾患において、標的治療併用戦略の有用性を一層示す結果となった。

「これらの結果は、このレジメンが標準化学療法と比較して病勢コントロールおよび生存転帰を大幅に改善することを示しており、BRAF変異陽性転移大腸がんの患者さんの新たな標準治療の選択肢となることを支持するものです」とKopetz氏は述べた。

BREAKWATERレジメンで評価した治療と、最新データの内容

第3相BREAKWATER試験のコホート3では、BRAF変異陽性大腸がんの特性を標的とした以下の治療法の併用を評価した:
・エンコラフェニブ:BRAFを標的とする治療薬
・セツキシマブ:EGFRを標的とする治療薬
・FOLFIRI:大腸がんで広く用いられている5-フルオロウラシルおよびイリノテカンを組み合わせた化学療法

本試験では、BRAF V600E変異を有する未治療の転移大腸がん患者を対象に、この併用療法と、標準化学療法(ベバシズマブを併用するケースと、併用しないケースの両方を含む)とを比較した。

エンコラフェニブ+セツキシマブ+FOLFIRIで治療を行った患者では、転帰が有意に改善した。病勢が悪化することなく生存した期間を示す無増悪生存期間中央値は15.2カ月であり、標準治療群の8.3カ月と比較して大幅に延長した。

この治療は全生存期間の延長も示し、併用療法群の約75%が18カ月時点で生存していたのに対し、標準治療群では50%をわずかに上回る程度であった。研究者がデータを解析した時点では、併用療法群の全生存期間が中央値には到達しておらず、多くの患者が引き続き治療の効果を得られていることが示唆された。

治療の忍容性は概ね良好であり、副作用はそれぞれの治療について既知のものと一致していた。新たな安全性上の懸念は認められなかった。

なぜBREAKWATER試験が大腸がん患者にとって重要なのか

この悪性度が高いタイプの大腸がんの患者にとって、BREAKWATERレジメンは、化学療法に標的治療薬を追加することで生存期間を大幅に延長し、より長くがんをコントロールできることを示した。この患者集団における近年で最も重要な治療進歩の一つである。

本結果は、転移大腸がんにおいてバイオマーカーに基づく治療戦略の重要性が高まっていることを裏付けるものであり、この治療レジメンのFDA承認にもつながった。

研究者らは現在、長期追跡調査および標的治療戦略のさらなる最適化に取り組み、BRAF変異陽性大腸がん患者の転帰改善を目指している。

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MDアンダーソンによるASCO年次総会の全コンテンツの詳細は、MDAnderson.org/ASCOで確認できる。

本研究はPfizer Inc.社の支援を受けて実施された。Kopetz氏はPfizerのコンサルタントを務めるとともに、同社から研究資金を受領していることを開示した。共同著者全員および利益相反情報の一覧は、Annals of Oncology掲載の論文全文に記載されている。

  • 記事担当 平沢沙枝
  • 監修 中村能章(消化管悪性腫瘍/オックスフォード大学腫瘍部門)
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  • 原文掲載日 2026/05/30

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