血液検査がユーイング肉腫の治療方針決定に役立つ可能性 

血液検査がユーイング肉腫の治療方針決定に役立つ可能性 

全国規模の前向き研究により、血中循環腫瘍DNAが再発リスクの予測指標として有用であることが確認され、患者を低・中・高リスク群に分類できることが示された

ダナファーバーがん研究所とボストン小児病院が共同運営する小児がん・血液疾患センターおよび小児がん研究グループが主導した研究によると、血液検査は、ユーイング肉腫患者のうち再発リスクが高い患者を見極められる可能性があることが示唆された。この知見は、この希少がんに対する治療戦略をより個別化するための基盤となる。

本研究は、治療開始前に血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を測定する血液検査が、ユーイング肉腫患者の予後予測に役立つことを前向きに示した初めての研究である。この検査結果を他の臨床情報や遺伝学的情報と組み合わせることで、患者を低・中・高リスク群に分類でき、今後の臨床試験の設計に役立つ可能性がある。

本研究成果は、Journal of Clinical Oncology誌に掲載された。

「診断時点において、現在の治療あるいはその治療を軽減しても非常に良好な成績が期待できる患者と、新たな治療アプローチを必要とする患者を見極めるための、より優れた方法が必要です」と、共同上席著者であり、同小児がん・血液疾患センターの固形腫瘍センターで研究部門の共同責任者を務めるBrian Crompton医師は述べた。「本研究により、生物学的情報に基づいて、リスクをより確かに把握できるようになるでしょう」。

ユーイング肉腫は、主に小児、思春期の若者、若年成人に発症する、骨や軟部組織の希少がんである。限局性の患者では予後が良好なことが多いが、治療の負担は大きく、生存者には長期にわたる副作用が残る。診断時にすでに転移がある患者では、治癒の可能性が大幅に低くなる。それにもかかわらず、ほとんどの患者には依然として、概ね同様の化学療法が行われている。

本研究は、この課題に対処するために計画されたものである。

研究者らは、全国規模の2つの研究に参加した約400人の患者の血液検体を解析した。一つは限局性ユーイング肉腫患者を登録したLEOPARD研究であり、もう一つは新たに診断された転移性ユーイング肉腫患者を対象とする、小児がん研究グループの第3相試験AEWS1221である。主要解析には、限局性の患者140人と転移性の患者255人が含まれた。本解析の目的は、血液中に存在する腫瘍由来のDNA断片である血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が、再発リスクの高い患者の予測に役立つかどうかを明らかにすることであった。

その結果、診断時のctDNA濃度が高い患者ほど、予後が不良であることが明らかになった。ctDNAの測定結果を、腫瘍の大きさ、転移の有無、腫瘍の遺伝学的特徴と組み合わせることで、患者を低・中・高リスク群へ明確に分類できた。

限局性の患者のうち、ctDNA濃度が低く、腫瘍が小さく、予後良好と関連するゲノム特性を有する少数の患者が、低リスク群として特定された。この群では、研究期間中に再発も死亡も認められなかった。

「これは重要な知見です」と、筆頭著者で、ダナファーバーで思春期・若年成人(AYA世代)を対象とした肉腫診療プログラム(AYA Sarcoma Program)の責任者を務めるハーバード大学医学部小児科助教のDavid Shulman医師は述べる。「将来的に、臨床試験の枠組みの中で、治療の強度を下げることが有益となる患者群が存在する可能性を示唆しています」。

転移のある患者では、化学療法の第1サイクル後もctDNAが検出された場合、またはctDNA中にTP53変異が認められた場合に、特に予後が不良であった。第1サイクル後もctDNAが検出された患者における2年無イベント生存率は5.3%であったのに対し、ctDNAが検出されなくなった患者では63%であった。研究者らはまた、転移のある患者の中で、転移が肺のみに限られ、ctDNA濃度が低く、予後良好と関連するゲノム特性を有する患者を、中間リスク群として特定した。この群の2年無イベント生存率は83%、2年全生存率は100%であった。

「これらの知見は、ユーイング肉腫がすべて同じ経過をたどるわけではないことを示しています」と、共同上席著者で、ダナファーバー/ボストン小児病院 小児がん・血液疾患センターの新規治療開発部門の責任者を務めるSteven DuBois氏(MD、MSc)は述べる。「本研究は、ユーイング肉腫の臨床試験をより合理的に設計するための道筋を示すものであり、一部の患者では治療を軽減し、他の患者では治療を強化したり、治療方針を見直したりできる可能性がある」

著者情報、資金提供、開示事項に関しては原文を参照のこと。

  • 記事担当 岩﨑千穂
  • 監修 遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院)
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  • 原文掲載日 2026/9/24

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