ダラクソンラシブ、RAS変異肺がんで有望な抗腫瘍活性を示す

ダラクソンラシブ、RAS変異肺がんで有望な抗腫瘍活性を示す

  • Daraxonrasib[ダラクソンラシブ]は、Revolution Medicines社が開発したRAS阻害剤であり、既治療の膵がんを適応として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得している
  • この第1/2相試験は、非小細胞肺がん患者を対象としたダラクソンラシブの初のヒト臨床試験である
  • RAS変異は、非小細胞肺がんで最も一般的な発がんドライバーであり、患者の約30%に認められる
  • 本試験の結果を受けて第3相RASolve 301試験が開始されており、その初回データは2027年に得られる見込みである

経口RAS阻害剤であるダラクソンラシブは、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターが主導した第1/2相試験において、RAS変異を有する既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)患者で、持続的な奏効を示した。

本日New England Journal of Medicine(NEJM)誌に掲載された本研究は、がん治療研究部門の副部長であるDavid Hong医師が主導した。

Hong医師は以下のように述べた。「免疫療法薬は多くの非小細胞肺がん患者の予後を改善してきたが、こうした肺がんの大部分は最終的には病勢が進行してしまう」。「その段階に至ると、患者に利用可能な治療選択肢は限られており、その効果も限定的で、有害事象の負担も大きいことが少なくない。そのため、今回の初期結果は有望である」。

これらの患者に対する現在の標準治療は何か?

ドセタキセルを用いた化学療法は、プラチナ製剤ベースの化学療法および免疫療法薬の後に病勢が進行したRAS変異非小細胞肺がん患者において、依然として一般的な標準治療選択肢である。このような患者集団における過去の研究では、奏効率は9~14%、無増悪生存期間(PFS)中央値は3~4.5カ月、全生存期間(OS)中央値は約9~12カ月と報告されている。これは、こうした患者に対する新たな治療選択肢が切実に求められていることを示している。

この肺がん臨床試験において、ダラクソンラシブはどの程度有効だったのか?

最も臨床的意義の高い結果は、進行中の第3相RASolve 301試験で選択された160~220 mgの用量範囲のダラクソンラシブを投与された38例の非小細胞肺がん患者で認められた。これらの患者は、以前にプラチナ製剤を用いた化学療法および免疫療法薬の投与を受けていたが、ドセタキセルは未投与であった。

この患者コホートにおいて、客観的奏効率(ORR)は42%で、奏効期間(DOR)の中央値は11.5カ月であった。無増悪生存期間の中央値は8.3カ月、全生存期間の中央値は16カ月であった。

この臨床試験において、ダラクソンラシブの安全性はどうであったか?

Hong医師いわく、ダラクソンラシブには一定の毒性が認められるものの、患者が直面している病状や化学療法に伴う毒性を踏まえて評価すべきであると述べている。
Hong医師は以下のように述べた。「ほとんどの患者でダラクソンラシブによる何らかの有害事象が認められたが、これは用量を調節して最適化し、有害事象を最小限に抑えることの重要性を示している」。「それでも、利用可能な他の治療選択肢と比較すると、これらの毒性は概ね管理可能である」。

第3相試験の推奨用量において、患者の51%にグレード3以上の有害事象が認められ、71%で用量変更が行われ、10%が治療中止に至った。最も頻度の高かった有害事象は発疹で、患者の90%に認められた(グレード3以上は8%)。次いで、下痢、悪心、嘔吐を含む胃腸障害が挙げられた(全体でそれぞれ73%、62%、54%、いずれもグレード3以上は10%未満)。

肺がんにおけるダラクソンラシブの今後の展開は?

2025年の欧州肺がん学会で発表された本試験の初期解析結果を受けて、現在、第3相試験が進行中である。UT MDアンダーソンでは、胸部・頭頸部腫瘍内科の准教授であるFerdinandos Skoulidis医学博士が、この試験を主導している。

  • 記事担当 山口美智子
  • 監修 田中謙太郎(呼吸器内科、腫瘍内科、免疫/九州大学大学院 医学研究院 呼吸器内科学連携臨床研究講座)
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  • 原文掲載日 2026/09/23

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