ASCO26:治療困難なEGFR変異肺がんにサンボゼルチニブは化学療法より有効
MDアンダーソン研究ニュース 2026年5月28日
●sunvozertinib[サンボゼルチニブ]は、特定のEGFR遺伝子変異を標的とする経口薬であり、Dizal Pharmaceutical社が製造している。
●第3相WU-KONG28試験では、特定のEGFR遺伝子変異を有する進行肺がん患者を対象に、サンボゼルチニブの有効性を評価した。
●試験によると、サンボゼルチニブは生存期間を延長し、化学療法と比較して高い抗腫瘍活性を示した。
●サンボゼルチニブは、これらの患者に対して2023年にFDAの迅速承認を受けた (監修者注: FDA迅速承認は2025年7月2日)。
アブストラクト:LBA8500
シカゴ、2026年5月29日 ―テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの新たなによると、標的治療薬サンボゼルチニブは、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異(EGFR exon20ins)によって引き起こされる進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の一次治療として、標準的なプラチナ製剤ベースの化学療法よりも効果的であった。
第3相WU-KONG28試験の結果、サンボゼルチニブは、無増悪生存期間(病状が悪化することなく生存する期間)を、化学療法単独の場合の7.5カ月に対し、10カ月以上に有意に延長した。また、サンボゼルチニブ投与群では58.9%の患者で腫瘍が縮小したのに対し、化学療法群では31.1%にとどまった。
この試験結果は、本日開催された2026年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、筆頭著者であるJohn Heymach医学博士(胸部・頭頸部腫瘍内科部長)によって発表され、同時New England Journal of Medicine誌にも掲載された。
「長年の間、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有する肺がん患者の予後は不良でした。なぜならば、既存の治療法が効果的でなかったり、副作用が重かったりしたためです」とHeymach医学博士は述べた。「今回の結果は、サンボゼルチニブが化学療法よりも長期間にわたって病状を制御し、腫瘍をより縮小できることを示しており、治療を開始する患者にとって待望の新たな選択肢となるでしょう」。
サンボゼルチニブとは何か?また、患者にどのようなメリットがあるか?
EGFR遺伝子エクソン20挿入変異は、非小細胞肺がん患者のごく一部にみられるが、これらのがんは従来の標的治療薬に反応しにくいため、治療が特に困難となる。サンボゼルチニブは、これらのエクソン20挿入変異によって引き起こされる異常なシグナル伝達を特異的に阻害するように設計された次世代EGFR阻害薬である。
サンボゼルチニブは経口錠剤としても服用できるため、患者にとって治療がより便利になり、クリニックや病院での滞在時間を短縮できる。
2023年8月、サンボゼルチニブは、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有する進行非小細胞肺がん患者のうち、プラチナ製剤を用いた化学療法の治療歴のある患者に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を受けた(監修者注: FDA迅速承認は2025年7月2日)。
WU-KONG28試験のその他の重要な発見は何か?
この国際臨床試験では、患者324人が登録され、無作為にサンボゼルチニブを1日1回投与する群と、カルボプラチン+ペメトレキセドの標準化学療法(その後ペメトレキセドによる維持療法)を受ける群に割り付けられた。化学療法を受けている患者は、がんが進行した場合、サンボゼルチニブに切り替えることが認められた。
サンボゼルチニブ投与群における奏効期間の中央値は11.2カ月であったのに対し、化学療法群では7.1カ月であった。副作用はこれまでの試験結果と一致していた。薬剤関連の副作用により治療を中止した患者はわずか7.4%であり、治療関連の死亡例はなかった。
本試験の限界としては、全生存期間に関する詳細な結果がまだ得られていない点が挙げられる。また、化学療法を受けていた患者のほとんどが、がんの進行に伴いサンボゼルチニブに切り替えたため、両群間の長期的な比較が困難となっている。
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UT MDアンダーソンASCO年次総会に関するすべてのコンテンツの詳細は、 MDAnderson.org/ASCOを参照のこと 。
本試験はDizal Pharmaceutical社の資金提供を受けて実施された。共同研究者および利益相反に関する開示事項の全リストは、 New England Journal of Medicine誌に掲載された論文に記載されている。
- 記事担当 仲里芳子
- 監修 久保田 馨(呼吸器内科/日本医科大学呼吸ケアクリニック)
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- 原文掲載日 2026/05/28
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