【ASH 2025】難治性リンパ腫に対するCAR-T細胞療法が長期的有効性を示す

【ASH 2025】難治性リンパ腫に対するCAR-T細胞療法が長期的有効性を示す

  • CAR-T細胞療法であるリソカブタゲン・マラレウセル(リソセル)は、TRANSCEND FL試験において97%の全奏効率を達成した。
  • 3年経過後も持続的な効果が認められ、神経毒性および重篤なサイトカイン放出症候群の発生率が低いという良好な長期安全性プロファイルが示された。
  • FDAは2024年5月、再発性または難治性の濾胞性リンパ腫を有する成人患者に対するリソセルの迅速承認を承認した。

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者によると、TRANSCEND FL試験の3年間の追跡調査の結果、再発性または難治性濾胞性リンパ腫の患者は、以前の治療が失敗した場合でも、キメラ抗原受容体 (CAR)T細胞療法により、数年にわたる持続的寛解を達成できることが明らかになった。

リソカブタゲン・マラレウセル(リソセル)に関する試験結果は、本日、第67回米国血液学会(ASH)年次総会・学術集会で、Sairah Ahmed医師(リンパ腫・骨髄腫科准教授)により発表された(アブストラクト467)。MDアンダーソンに関するASHのコンテンツはすべて、MDAnderson.org/ASHへ。

「これまで複数の治療に抵抗性を示した濾胞性リンパ腫の患者において、これまでにない奏効率と持続的寛解がみられています」と、本試験の研究代表者であるAhmed医師は述べる。「この3年間の結果は、CAR-T細胞療法の長期的効果だけでなく、その良好な安全性プロファイルも強調しており、この困難な疾患に直面している患者に真の希望をもたらしています。MDアンダーソンは、TRANSCEND試験の参加施設である。 

TRANSCEND FL試験とは? その主な知見は?

濾胞性リンパ腫はB細胞悪性腫瘍であり、進行は緩やかだが再発の可能性が高い。再発するたびに治療はより困難になり、寛解期間は短くなる。 

多施設共同研究であるTRANSCEND FL試験は、CAR-T細胞療法の一種であるリソセルの単回投与が、複数の前治療後に再発または難治性となった濾胞性リンパ腫患者において、持続的寛解と良好な安全性プロファイルをもたらすかどうかを評価した。 

複数種類の治療歴を有する患者107人において、リソセルは著しく高い奏効率を示し、患者の97%が治療に反応し、94%が完全寛解を達成した。3年間の追跡調査後、大半の患者は寛解状態を維持していた。 

追跡期間中央値41.5カ月時点で、奏効期間中央値、無増悪生存期間中央値、全生存期間中央値はいずれも到達しておらず、再発または疾患進行を経験した患者がほとんどいないことを示している。これは治療効果が持続していることを示す有望な徴候である。

濾胞性リンパ腫患者におけるリソセルの安全性プロファイルはどうであったか?

リソセルの長期的安全性プロファイルは一貫性および管理可能な状態を維持した。CAR-T細胞療法の一般的な副作用である重篤なサイトカイン放出症候群は患者の1%に発生し、重篤な神経学的イベントは患者の2%に発生した。これらは他のCAR-T細胞療法と比較して低い発生率である。 

一部の患者では時間の経過とともに感染症や血球減少が生じたが、これらの影響は予期されていたものであり、長期追跡期間中に新たな安全性の問題や予期せぬ問題は生じなかった。

これらの結果は濾胞性リンパ腫の患者にどのような影響をもたらすか?

米国食品医薬品局(FDA)が2024年5月にリソセルを迅速承認したことで、濾胞性リンパ腫の特定の患者に対する本療法の使用が可能となり、これまで有効な治療法が限られていた患者に新たな選択肢が提供されることとなった。

本研究は、濾胞性リンパ腫におけるCAR-T細胞療法として報告されている中で最も長期に及ぶ一つであり、3年間の追跡データを提供している点で重要である。これらの結果は、特定の患者において治療過程のより早い段階での細胞療法の適用可能性を支持するものである。

  • 監修 パーキソン理咲 (血液内科)
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  • 原文掲載日 2025/12/07

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