米FDAが白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫にピルトブルチニブを通常承認
2025年12月3日、米国食品医薬品局(FDA)は、再発/難治性の慢性リンパ性白血病または小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)成人患者のうち、共有結合型BTK阻害薬による治療歴のある患者に対し、ピルトブルチニブ(販売名:ジャイパーカ、Eli Lilly and Company社)を通常承認した。2023年にFDAは、BTK阻害薬およびBCL-2阻害薬を含む2ライン以上の治療歴のあるCLL/SLL成人患者を対象に、ピルトブルチニブを迅速承認した。
ジャイパーカの詳細な処方情報は、こちらに掲載される。
有効性と安全性
有効性は、ランダム化非盲検実薬対照試験のBRUIN-CLL-321(NCT 04666038)で評価された。本試験では、共有結合型BTK阻害薬を含む慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の治療歴のある患者238人が無作為に割り付けられた。非共有結合型BTK阻害薬による治療歴のある患者は除外された。患者は、ピルトブルチニブ単剤投与群、あるいは、治験責任医師の選択によるイデラリシブ+リツキシマブ併用(IR)群またはベンダムスチン+リツキシマブ併用(BR)群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。治験責任医師選択群の患者は、病勢進行が確認された後、ピルトブルチニブ単剤投与群へのクロスオーバーが許可された。
主要な有効性評価項目は、独立審査委員会が2018年iwCLL基準を用いて評価した無増悪生存期間(PFS)であった。PFS中央値は、ピルトブルチニブ群で11.2カ月(95%信頼区間:9.5~11.4)、治験責任医師選択IR/BR群で8.7カ月(95%信頼区間:7.2~10.2)であった(ハザード比0.58 [95%信頼区間:0.38~0.89]、p値0.0105)。治験責任医師選択群の患者119人のうち、50人がピルトブルチニブ単剤投与群にクロスオーバーした。追跡期間中央値19.8カ月の最新解析では、全生存率(OS)のHRは1.09(95%信頼区間:0.68~1.75)であった。
処方情報には、感染症、出血、血球減少症、不整脈、二次性原発性悪性腫瘍、肝毒性、および胚胎児毒性に関する警告と注意事項が含まれる。
推奨用量
ピルトブルチニブの推奨用量は、1日1回経口投与で200 mgであり、病勢の進行または許容できない毒性が現れるまで継続する。
- 監修 佐々木裕哉(血液内科/筑波大学附属病院)
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- 原文掲載日 2025/12/03
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