Bendamustine/TreandaTM (Bendamustine)は非ホジキンリンパ腫の治療に顕著な効果がある

キャンサーコンサルタンツ
2005年12月

2005年12月、アメリカ血液学会(ASH)第47回年次総会で発表された2件の新しい研究から、Treandaの静脈内投与が非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療において顕著な効果があることが示唆される。[1], [2]

Treandaは現在いろいろな疾病の第2相試験にあるアルキル化活性とプリン活性を有する二機能性薬剤である。Treandaの利点のひとつは他のアルキル剤と交差耐性がないことである。ドイツではNHL、慢性リンパ球白血病、多発性骨髄腫、乳癌、および肺癌などの固形腫瘍の治療にTreandaが長年販売され、臨床的に利用されてきた。ドイツでのある無作為試験から、BMF(bendamustine、 メトトレキサート、5フルオロウラシル)は転移性乳癌の初回治療においてCMF(シクロホスファミド、メトトレキサート、5フルオロウラシル)よりも有効であることがわかった。[3]

ドイツで実施され2005年5月のJournal of Clinical Oncologyで発表された前回の試験では再発性または難治性の低悪性度NHLまたはマントル細胞リンパ腫の治療に、Treandaおよびリツキサン(リツキシマブ)が顕著な効果があることがわかっている。 [4]

米国およびカナダにおけるTreanda多施設試験では、化学療法が不成功の低悪性度リンパ腫またはマントル細胞リンパ腫の患者67例でTreandaがリツキサンと併用して評価され、ASH2005で発表された。37パーセントではリツキサンによる治療も不成功に終わっていた。

全奏効率は87パーセントで、33パーセントの完全寛解が確認された。最も多く見られた合併症は可逆性骨髄毒性に関するものであった。

ドイツの研究者はまた、低悪性度NHLまたはマントル細胞リンパ腫の患者164例に対しBOP(bendamustine、オンコビン、プレドニゾン)とCOP(シクロホスファミド、オンコビン、プレドニゾン)を比較する無作為試験をも実施した。[5] 完全寛解率は似通っていたが、5年生存率はCOP(46%)と比較しBOP(61%)の方が高かった。毒性はいずれの治療方法でも許容範囲内であった。

ASH2005で発表された第二の試験も米国およびカナダの17の施設で再発性または難治性NHLの患者77例を対象に実施された。約半数の患者に濾胞性NHLが見られ、残りの患者には悪性度がより高い組織像が見られた。全員がTreanda単剤で治療を受けた結果、全奏効率は74%、完全寛解率は39%であった。奏効期間中央値は6.6ケ月で組織学的転換の患者よりも濾胞性リンパ腫の患者の方が長かった。副作用は主に骨髄抑制に関連したものであった。

コメント

これらの試験より、NHLおよび他の癌の治療に用いる第一のアルキル化薬としてTreandaがシクロホスファミドに取って代わる可能性が示唆される。


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翻訳担当者 Chihiro

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

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