Folotynは再発または治療抵抗末梢T-細胞リンパ腫に有益である

キャンサーコンサルタンツ

第2相臨床試験であるPROPEL(「再発または治療抵抗末梢T細胞リンパ腫患者へのpralatrexate(プララトレキサート)投与(Pralatrexate in patients with Relapsed OR refractory PEripheral T-cell Lymphoma)」)試験において、Folotyn(フォロチン)で治療した後に、再発または治療抵抗末梢T細胞性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫の一種)患者の29%で検出可能な癌が完全消滅もしくは部分消滅した。Journal of Clinical Oncologyで発表されたこれらの結果は、Folotyn(フォロチン)が本疾患のための治療薬として米国食品医薬品局に承認されるもとになった。

末梢T細胞性リンパ腫(PTCL)は非ホジキンリンパ腫の中でも比較的まれな種類である。
PTCLに対する最適な治療法はいまだ確立されてないため、多くの患者の予後は悪い。

Folotyn(フォロチン)は、葉酸拮抗剤である。本剤は、癌細胞内に蓄積して、癌細胞のDNA合成を阻害することにより細胞死を誘発すると考えられる。

PTCLの治療でFolotyn(フォロチン)を評価するために、研究者らは、PROPEL(「再発性または難治性末梢T-細胞リンパ腫患者へのpralatrexate(プララトレキサート)投与(Pralatrexate in patients with Relapsed OR refractory PEripheral T-cell Lymphoma)」)として知られている第2相臨床試験を行った。本試験では、初回治療後再発したか、初回治療剤に対して耐性化したPTCLを有する患者115人を登録した。

被験者にはビタミンB12および葉酸補給に加えてFolotyn(フォロチン)を静注(IV)投与した。

本試験の関心の主要項目は、治療奏効率であった。完全奏効とは検出可能な癌の完全な消滅、部分奏効とは検出可能な癌の量が減少することを意味する。

109人の患者に関する情報の分析が可能であった。

・患者109人のうちの32人(29%)は治療に対して完全奏効もしくは部分奏効した。これらの奏効のうち12人は完全奏効し、20人は部分奏効した。
・奏効期間の中央値は10.1カ月であった。
・全生存期間の中央値は14.5カ月であった。
・治療で最も頻度が高かった重篤な副作用は、汎血球減少および粘膜炎であった(頻繁に口腔の疼痛として消化管粘膜の炎症がみられた)。

これらの結果がFolotyn(フォロチン)が再発または治療抵抗性PTCLに対して有効であることを示唆したため、Folotyn(フォロチン)はこの疾患に使用するために米国食品医薬品局によって承認された。

参照文献:

O’Connor OA, Pro B, Pinter-Brown L et al. Pralatrexate in patients with relapsed or refractory peripheral T-cell lymphoma:results from the pivotal PROPEL study.Journal of Clinical Oncology.Early online publication January 18, 2011.


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翻訳担当者 有田 香名美

監修 井上 進常(首都医校教員、小児科医)

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