難治性白血病(AML)にレブメニブ経口薬併用療法で高い奏効率:欧州血液学会
- 再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)は、最も治療が困難な血液腫瘍の一つである。
- メニン阻害薬revumenib[レブメニブ]は、2024年11月に単剤療法として米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けたが、単剤療法への奏効は短期間にとどまる場合がある。
- レブメニブをベースとした全経口併用療法は、特定の遺伝子異常を有する難治性AML患者において、71%の複合完全寛解率を示した。
抄録番号:EHA-5060
メニン依存性の遺伝子異常を有する進行AML患者において、レブメニブ、decitabine[デシタビン]/cedazuridine[セダズリジン]、ベネトクラクス(商品名:ベネクレクスタ)による全経口併用療法を実施したところ、71%が複合完全寛解を達成した。テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが報告した。
研究者主導の第1/2相SAVE試験の結果は、本日『Journal of Clinical Oncology』誌に掲載され、2026年欧州血液学会(EHA)年次集会にて発表された。
本試験には、KMT2A再構成、NPM1変異、またはNUP98再構成を有する再発・難治性AMLの青年および成人患者が登録された。この併用療法による奏効率は88%で、完全寛解(CR)または部分的な血液学的回復を伴う完全寛解(CRh)に達した割合(CR/CRh)は60%であった。また、奏効した患者の80%が、フローサイトメトリーによる測定可能残存病変(MRD)陰性を達成した。CR/CRh持続期間の中央値は全体で10.5カ月であり、KMT2A再構成を有する患者では未到達であった。これは、奏効が長期間持続していることを示すものである。
「今回の結果は、これまで治療が非常に困難であった特定の遺伝子異常を有するタイプのAMLに対し、メニン阻害薬、BCL2阻害薬および低メチル化薬を併用する治療の可能性を示しています」と、主任研究者で白血病部門准教授のGhayas Issa医師は述べた。「すでに複数の治療を受けていた患者さんで持続的な寛解が認められたことは心強く、この併用戦略を今後も評価していくことが妥当であることを示しています」。
本データは、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの白血病部門および小児科部門准教授であるBranko Cuglievan医師によって、EHAで発表された。
レブメニブとは?-AML治療での役割
メニンは、複数のAMLタイプにおいて、白血病の進行を促す中心的な役割を担っている。レブメニブは、メニンとKMT2Aとの相互作用を阻害する経口メニン阻害薬である。KMT2Aは、特にKMT2A再構成、NPM1変異、またはNUP98再構成を有するAML患者において、白血病細胞の増殖に重要なタンパク質である。
レブメニブはこの相互作用を阻害することで、白血病細胞の増殖シグナルを遮断する。レブメニブは、KMT2A再構成またはNPM1変異を有し、再発した患者、あるいは標準治療で効果がみられなくなった患者に対して、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。しかし、単剤療法による奏効は短期間にとどまることがあるため、研究者らは併用療法の検討を進めている。
前臨床研究では、メニン阻害とBCL2阻害を組み合わせることで抗白血病作用が強化される可能性が示されており、レブメニブにBCL2阻害薬のベネトクラクスと、低メチル化薬のデシタビンを併用する根拠となった。
SAVE試験には、複数の治療歴のある12歳以上の患者42人が登録された。いずれも、白血病細胞の増殖がメニンとKMT2Aの相互作用に依存することが知られている遺伝子タイプの患者であった。過去に受けた治療ライン数の中央値は2で、約半数にベネトクラクスによる治療歴があり、3分の1に幹細胞移植歴があった。
再発・難治性AMLの患者にとっての今回の試験結果の意味
再発・難治性AMLは、依然として最も治療が難しい血液悪性腫瘍の一つであり、特にベネトクラクスを含む治療レジメンや複数ラインの前治療を受けた患者では、治療がいっそう困難である。
本試験の有望な結果は、この治療レジメンのさらなる臨床開発を後押しするものである。今後、無作為化第3相試験や、メニン依存性AMLと新たに診断された患者を対象とした同薬の使用に関する研究が計画されている。
多く認められた重度の副作用は、白血球数の減少に伴う発熱、肺感染症、血小板減少などであった。
研究者らは治療抵抗性についても調べた。その結果、治療後に患者の13%で、メニン結合部位に影響を及ぼす新たな変異が出現したことが確認された。この頻度は、レブメニブ単剤療法で過去に報告されたものを大幅に下回っていたが、これらの変異は依然として疾患の再発と関連していた。この結果は、次世代メニン阻害薬と、科学的根拠に基づくさらなる併用戦略が引き続き必要であることを示している。
本研究は、Astex Pharmaceuticals社、Taiho Oncology社およびSyndax Pharmaceuticals社から一部支援を受けた。共同著者の全一覧および開示情報は、『Journal of Clinical Oncology』誌に掲載された論文全文で確認できる。
- 記事担当 平沢沙枝
- 監修 花岡秀樹(遺伝子解析/イルミナ株式会社)
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- 原文掲載日 2026/06/11
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