【ASH 2025】2種の高悪性度血液腫瘍に対するピベキマブ・スニリンの有望性
- 2つの臨床研究により、難治性で悪性度の高い2種の血液がん患者における高い奏効率が示された。
- ピベキマブ・スニリン(PVEK)は、両疾患で過剰発現するCD123抗原を標的とする。
- PVEKを含む、一次治療としての3剤併用療法は、集中学療法が適応とならない難治性の急性骨髄性白血病(AML)患者において有望な結果を示している。
- PVEK単剤療法は強力な反応を示し、BPDCN患者の高リスク群における幹細胞移植が可能になる。
2種の高悪性度血液がんの治療における、CD123を標的とする抗体薬物複合体であるピベキマブ・スニリン (PVEK) に関して進行中の2件の研究での有望な最新データを、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが第67回米国血液学会(ASH)年次総会・学術集会で発表した。
Naval Daver医師(白血病科教授)主導の第Ib/II相試験において、初発CD123陽性急性骨髄性白血病(AML)で、集中化学療法を受けられない患者群において、ベネトクラックス(VEN)、アザシチジン(AZA)、PVEKの3剤併用療法が強力な奏効率を示し、Daver医師が12月7日に研究結果を発表した。
Naveen Pemmaraju医師(白血病科教授)が主導した第I/II相登録試験CADENZAにおいては、PVEK単剤療法は、稀で高悪性度血液がんである芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)などの血液がんを患う患者群において高い奏効率を達成した。Pemmaraju医師が12月8日にこの研究結果を発表した。
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PVEKは、CD123陽性AML患者でどのように奏効したのか?
MDアンダーソンが主導した先行研究では、集中化学療法が適応とならない初発CD123陽性AML患者に対するVEN+AZA併用療法は、AZA単独療法と比較して生存が改善した。しかし、この患者群では、さらに治療成績を改善する余地がある。そこで、特定の白血病細胞ではCD123が過剰発現していることを踏まえ、今回の研究では、確立されたVEN+AZA基盤療法へのPVEK追加を検討した。
CD123陽性の急性骨髄性白血病(AML)で、化学療法が不適応である高齢患者49人に対し、3剤併用療法を実施した。中央値10カ月の追跡期間において、63.3%の患者が完全寛解(CR)を達成し、79.6%が不完全な血液学的回復を含むCRを達成、73.5%が部分的な血液学的回復を含むCRを達成した。
大半の患者では、より高感度の検査でも測定可能な残存病変(MRD)は認められなかった。8人の患者は幹細胞移植を受けることが可能になった。治療の忍容性は概ね良好で、新たな重大な副作用は認められなかった。これらの知見は、この治療困難なAML患者に対して、3剤併用療法が安全かつ有効可能性をもつ選択肢であることを示唆している。
「この3剤併用療法は、集中化学療法が適応とならないCD123陽性AMLの高齢患者にとって、重要な前進となる可能性があります」とDaver医師は述べる。「われわれが観察した寛解率と測定可能残存病変(MRD)率は非常に有望であり、より大規模な臨床試験でのさらなる開発を支持するものです」。
CADENZA試験では、BPDCN患者にPVEKどのように奏効したか?
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)は、患者の皮膚、骨髄、リンパ節に影響を及ぼす稀な高悪性度血液がんであり、必要な一次治療の開発が不十分である。この腫瘍ではCD123が過剰発現するため、CADENZA試験ではこれらの患者に対するPVEK単剤療法を評価した。
初期の結果は有望な成果を示し、初発BPDCN患者の70%が完全寛解またはほぼ完全寛解を達成した。しかし、BPDCN患者の約20%を占める高リスク群は、BPDCNより前または同時期に他の血液がんも併発しており、治療がより複雑で困難となる。それでもこれらの患者もPVEK療法に良好な反応を示した。
「BPDCNだけでなく他の血液がんも併発している患者群にとって、これまで治療選択肢が限られていた状況において、われわれは大きな突破口を見出しました」とPemmaraju医師は述べる。「これらの結果は、PVEK療法がこの高リスク群においても同等の効果を発揮する可能性を示唆しており、こうした患者にとって重要な進展です」。
この重要な患者群において、PVEK単剤療法は全奏効率が90.9%であった。生存期間中央値は約17カ月であり、約半数が幹細胞移植に進むことができた。これはこの高リスク群にとって重要な進展である。副作用は全体的に管理可能であり、他のがん治療でみられるものと同様であった。これらの知見は、PVEKが治療困難なBPDCN患者にとって有用な新たな選択肢となり得ることを示唆している。
- 監修 パーキソン理咲 (血液内科)
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- 原文掲載日 2025/12/08
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