欧州医薬品庁(EMA)が慢性リンパ性白血病に対し、idelalisibの適応拡大を推奨

慢性リンパ性白血病成人患者に対するリツキシマブまたはオファツムマブとの併用に関する新規適応

 ・トピック:血液腫瘍/抗がん剤と生物学的療法

2016年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)欧州医薬品委員会(CHMP)は医薬品Idelalisib[イデラリシブ](商品名Zydelig[ザイデリグ])の販売申請内容の変更を勧告する肯定的意見を採択した。

本医薬品の販売承認取得者は、Gilead Sciences International Ltd社である。

医薬品委員会は既存の適応症範囲を次のとおり拡大することを採択した。

「イデラリシブは、抗CD20モノクロナール抗体(リツキシマブ、またはオファツムマブ)との併用療法として、以下の慢性リンパ性白血病(CLL)成人患者に適応される。

・少なくとも1回の前治療歴を有する患者
・17p欠損ないしTP53変異がみとめられ、化学・免疫療法が不適当な患者に対する初回治療」

イデラリシブの全適応についての詳細は以下のとおりとなる。

「イデラリシブは、抗CD20モノクロナール抗体(リツキシマブ、またはオファツムマブ)との併用療法として、以下の慢性リンパ性白血病(CLL)成人患者に適応される。

・少なくとも1回の前治療歴を有する患者
・17p欠損ないしTP53変異が認められるため化学・免疫療法が不適当である患者に対する初回治療

イデラリシブは2回の前治療で不応性を示した濾胞性リンパ種(FL)成人患者に単剤療法として適応される。」

本医薬品の使用に関する詳細な推奨内容は、製品の最新概要に記載される予定である。この製品概要は、欧州委員会が医薬品販売認可への変更決定を承認した後、改訂版欧州公開医薬品審査報告書に公表されて、すべてのEU公用語で利用可能になる。

翻訳担当者 佐藤美奈子

監修 吉原 哲(血液内科・細胞治療/兵庫医科大学)

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