米FDAがNPM1変異陽性再発/難治性の急性白血病にジフトメニブを承認

米FDAがNPM1変異陽性再発/難治性の急性白血病にジフトメニブを承認

2025年11月13日、米国食品医薬品局(FDA)は、感受性ヌクレオホスミン1(NPM1)変異を伴う再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)患者のうち、十分な代替治療選択肢がない成人患者を対象に、メニン阻害薬のziftomenib[ジフトメニブ](販売名:Komzifti、Kura Oncology, Inc.社)を承認した。
 
Komziftiの詳細な処方情報は、こちらに掲載される。

有効性と安全性

次世代シーケンシングまたはポリメラーゼ連鎖反応を用いてNPM1変異が同定された再発または難治性の急性骨髄性白血病成人患者112人を対象とした、非盲検、単群、多施設共同試験のKO- MEN-001(NCT04067336)で有効性を評価した。NPM1変異を伴う患者が登録されたが、そのNPM1変異には、A型、B型、D型の変異、およびNPM1タンパク質の細胞質局在に至り得るその他のNPM1変異が含まれた。
 
完全寛解(CR)+部分的な血液学的回復を伴うCR(CRh)率、CR+CRh期間、および輸血依存から輸血非依存への移行率に基づいて、有効性を決定した。追跡期間の中央値は4.2カ月(範囲:0.1~41.2カ月)であった。CR+CRh率は21.4%(95%信頼区間:14.2~30.2)、CR+CRh期間は5カ月(95%信頼区間:1.9~8.1)であった。CR率は17.0%(95%信頼区間:10.5~25.2)、CRh率は4.5%(95%信頼区間:1.5~10.1)であった。ベースラインで赤血球(RBC)や血小板輸血に依存していた患者66人のうち、14人(21.2%)がベースライン以後に連日56日間赤血球および血小板輸血非依存となった。ベースラインで赤血球と血小板の両方の輸血に非依存であった患者46人のうち、12人(26.1%)がベースライン以降に連日56日間輸血非依存を維持した。
 
処方情報には、分化症候群、QTc間隔延長、および胚胎児毒性に関する警告と注意事項が含まれている。

推奨用量

ジフトメニブの推奨用量は、経口投与で1日1回600 mgであり、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで継続する。

  • 監修 喜安純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)
  • 記事担当者 仲里芳子
  • 原文を見る
  • 原文掲載日 2025/11/13

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

白血病に関連する記事

米FDAが感受性NPM1変異陽性再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認の画像

米FDAが感受性NPM1変異陽性再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認

2025年10月24日、米国食品医薬品局(FDA)は、感受性ヌクレオフォスミン1(NPM1)変異を伴う再発または難治性の急性骨髄性白血病患者のうち、十分な代替治療選択肢がない成人および...
危険:農薬で白血病の子どもの死亡リスクが60%上昇の画像

危険:農薬で白血病の子どもの死亡リスクが60%上昇

農薬やその他の環境汚染物質の有害な影響、特に子どもへの影響に対する社会の懸念が高まり続けている。農薬はこれまで、小児白血病の発症リスク上昇と関連付けられてきた。新たな研究では、母親の妊...
【ASCO2025】年次総会注目すべき追加研究・LBA ①の画像

【ASCO2025】年次総会注目すべき追加研究・LBA ①

ASCOの見解(引用)5月30日-6月3日イリノイ州シカゴおよびオンラインで開催された2025年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会では、がんのさまざまな部位にわたる幅広いテー...
難治性白血病(AML)にロジックゲートを用いたCAR-NK細胞療法SENTI-202で完全寛解の画像

難治性白血病(AML)にロジックゲートを用いたCAR-NK細胞療法SENTI-202で完全寛解

それまでの治療が奏効しなかったり、治療後に再発したりした急性骨髄性白血病(AML)患者が数人、first-in-class[画期的医薬品]のキメラ抗原受容体ナチュラルキラー(CAR-N...