急性骨髄性白血病の治療には年齢への柔軟性が必要と示唆される
急性骨髄性白血病(AML)患者の予後に年齢がどのように影響するか、オハイオ州立大学総合がんセンターのアーサー・G・ジェームズがん病院およびリチャード・J・ソロブ研究所(OSUCCC - James)が主導する国際共同研究により知見を深めた。このことは、臨床試験や治療方針の決定において、患者を若年層と高齢層に分ける長年の慣習に疑問を投げかけている。
OSUCCC - Jamesのクララ・D・ブルームフィールド白血病転帰研究センター所長であるAnn-Kathrin Eisfeld医師は、本研究の統括著者であり責任著者である。その論文はJournal Leukemia誌に掲載された。白血病・悪性血液疾患プログラムのメンバーであるKarilyn Larkin医師は、共同筆頭著者である。
「AMLは主に高齢患者に発症しますが、あらゆる年齢層に発症し、患者の予後は年齢、人種、介助なしで日常生活を行える能力、そしてAMLに関連する遺伝子異常といった要因と強く相関しています」とEisfeld氏は述べる。
加齢は急性骨髄性白血病(AML)患者の生存率を悪化させることが知られているため、化学療法や臨床試験などの治療選択肢を決定する上で主要因となっている。しかし、近年の病態生物学への理解の深まりにより、より標的を絞った治療法や薬剤の組み合わせが開発されているため、年齢のみで患者を分類し、治療法を決定するという考え方には疑問が生じている。
「年齢が臨床試験においての選択除外基準の主要因となると、患者が効果的な治療を受けられなくなる可能性があり、疾患の生物学的特性や治療への反応に関する理解を妨げる可能性があります」とLarkin氏は述べた。
本研究では、ドイツと米国の18才から92才までの2つの急性骨髄性白血病(AML)患者集団を対象に、遺伝子変異パターンと生存率の相関関係を5才刻みで調べた。
研究者らは、本研究が成人年齢層全体を対象としたAMLにおける遺伝子変異パターンと患者の予後に関する、初めての大規模かつ世界規模の研究のうちのひとつであると考えている。
研究者らの目的は、年齢層の「正確な境界値」を定めることではなく、全年齢層にわたって分子パターンを示し関連する生存パターンが年齢制限による定義より、より重要な意義を持っているかどうかを検証することだった。
研究者らは、急性骨髄性白血病(AML)における実年齢によるグループ分けの妥当性に疑問を呈しようとしたものの、実際には年齢は時間の経過とともに、ほぼ継続的に患者にリスクの層別化をもたらすため、患者を厳密な年齢グループに分類することの妥当性は低下することが示されたと報告している。
「青年および若年成人患者を高齢者から区別するために39才、あるいは「若年」と「高齢」のAML患者を識別するために59才などの厳密な年齢のカットオフ値(境界値)を決めることは、私たちの分析結果によっては裏付けられていないようです」とLarkin氏は述べた。「一方で、私たちの目的は定められた年齢のカットオフ値が遺伝子変異のパターンにより裏付けられるかどうかを評価することでした。私たちのデータは年齢層全体にわたる一定のカットオフ値の存在を否定する傾向にあります」。
「これらの研究結果は、臨床試験の設計と治療の決定のために患者を「若年」と「高齢」グループに分ける長年の慣習に疑問を投げかけています」とEisfeld氏は述べた。「一方で、この研究は、遺伝子および分子のリスク特性と並行して、年齢を継続的な要因として考慮することの重要性を強調しています」。
急性骨髄性白血病(AML)患者の年齢をより柔軟に考慮できるようになれば、より包括的な臨床試験や個別化治療戦略への道が開かれ、「患者が単に生年月日だけでなく、個々の生物学的特性に合わせたケアを受けられるようになる」とEisfeld氏は付け加えた。
オハイオ州立大学の他の共著者は以下のとおりである。 Deedra Nicolet氏、 Krzysztof Mrozek医学博士、 James S. Blachly医師、 Alice Mims医師、 Christopher Walker博士、 Michael Walker博士、 Christopher Oakes博士、 Shelley Orwick氏。
- 監修 パーキソン理咲 (血液内科)
- 記事担当者 山口みどり
- 原文を見る
- 記事掲載日 2025/11/03
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