既治療子宮体がんにミルベツキシマブ ソラブタンシンとペムブロリズマブの併用が有望

ダナファーバーがん研究所

ダナファーバーがん研究所の研究者らによる医師主導の小規模な第2相試験において、抗体薬物複合体と免疫チェックポイント阻害薬の新規併用療法が、治療困難な子宮体がん(子宮内膜がん)の治療歴がある患者に顕著な活性を示した。この研究では、併用療法を受けた16人中6人で腫瘍が縮小し、そのうちの1人はがんが消失した。

この試験では、葉酸受容体α(FRα)陽性の再発マイクロサテライト安定(MSS)/ミスマッチ修復機能正常(pMMR)漿液性子宮体がん患者を対象に、ミルベツキシマブ ソラブタンシン(mirvetuximab soravtansine)とペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)を試験した。本試験は主要評価項目を達成し、併用療法の試験継続を支持する結果となった。

「非常に心強い奏効率が得られました」と、ダナファーバーがん研究所スーザン・F・スミス女性がんセンター、婦人科腫瘍学プログラムの腫瘍内科医で主任研究員であるRebecca Porter医学博士は述べた。 「この研究は、抗体薬物複合体と免疫療法薬との併用がこの患者群に有効である可能性を強調するものです」。

Porter氏は、4月7日(日)にカリフォルニア州サンディエゴで開催される米国がん学会(AACR)年次総会でこの研究結果を発表する。

漿液性子宮体がんは子宮体がん症例の約5%を占めるが、子宮体がんによる死亡の約40%を占める。漿液性子宮体がんは進行性で予後不良である。

漿液性子宮体がん患者の約30%は、抗体薬物複合体(ADC)、ミルベツキシマブ ソラブタンシンの標的であるFRαを発現している。ADCは、強力な抗がん剤と、FRαのような特定のマーカーを発現している細胞に薬剤を誘導する抗体を組み合わせることで機能する。以前の研究で、漿液性子宮体がんがFRαを最も多く発現している可能性が高いことが示され、今回の研究でこの集団に焦点を当てる根拠となった。

この試験でPorter氏らは、両者が相乗効果をもたらす可能性を示唆する前臨床の証拠に基づいて、抗体薬物複合体と免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブとの併用を選択した。免疫チェックポイント阻害薬は免疫系のブレーキを解除し、抗腫瘍T細胞ががんを攻撃できるようにする。免疫チェックポイント阻害薬は単独ではMSS/pMMR漿液性子宮体がんに作用しない傾向がある。しかし、前臨床試験では、ADCが腫瘍微小環境内の免疫細胞を変化させ、T細胞の腫瘍への浸潤を増加させ、免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強する可能性が示唆されている。

「この組み合わせには強力な根拠があり、どちらかの薬剤を単独で使用するよりも効果があると期待していました」とPorter氏は語った。

Porter氏らは、この2段階試験を、すべての患者が同じ治療を受ける単群試験としてデザインした。第1段階では、再発または持続性のFRα陽性、MSS/pMMR漿液性子宮体がんで、1次~4次の治療歴のある患者16人を募集した。第2段階では、第1段階で客観的奏効が2例以上、または6カ月の無増悪生存期間が2例以上認められた場合に追加登録が行われる。

最初に治療を受けた16人の患者の37.5%が客観的奏効を得た。1人の患者が完全奏効を達成し、さらに5人の患者が部分奏効を示した。さらに5人の患者が病勢安定を示した。したがって、本試験は両段階で4例を超える客観的奏効により主要評価項目を達成した。さらに、2人の患者が6カ月以上、1人は12カ月近く、もう1人は18カ月以上無増悪であった。

「これらの患者のほぼ3分の2は3次~4次の治療を受けており、この結果は注目に値します」とPorter氏は語った。「これらの反応のいくつかは、私たちが例外的と呼べるものです」。

Porter氏はまた、一部の患者は他の患者より早く進行することも観察している。Porter氏らのチームは、腫瘍の分子的変化や微小環境の特徴から併用療法に対する奏効性や抵抗性を予測できるかどうかを調べるために、さらなる解析を行う予定である。

「私たちの次のステップは、私たちが見ている反応の違いを媒介する可能性のある因子をさらに深く掘り下げることです」とPorter氏は語った。「私たちの目標は、併用療法に反応した人たちの反応期間を改善することです」。

資金提供: ダナファーバーがん研究所、イミュノジェン社、メルク社

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  • 監訳 勝俣範之(腫瘍内科/日本医科大学武蔵小杉病院)
  • 翻訳担当者 青山真佐枝
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  • 原文掲載日 2024/04/05

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