ダロルタミドは前立腺がんの生存期間を延長

ダロルタミドは前立腺がんの生存期間を延長

臨床試験においてダロルタミド(販売名:ニュベクオ)を含む併用療法が転移性前立腺がん患者の生存期間を延長させたことをドイツのバイエル社が明らかにし、本薬剤が同社の期待する重要な売上推進力になる確証を得たと発表した。

ダロルタミドと標準治療の併用により、標準治療単独よりも試験の主要評価項目である全生存期間が延長した、とバイエル社は金曜日に声明を発表した。

ダロルタミドは、標準ホルモン療法で治療不可能の非転移性前立腺がんにおいて承認済みであるため、本試験の結果は市場拡大への道を切り開くこととなる。

自社製品の除草剤ラウンドアップに発がん性があるとして米国訴訟の和解に1兆円以上を支払っているバイエル社は、同社ベストセラーである脳卒中予防薬のイグザレルト錠と眼科薬のアイリーアが数年で売上減少に直面しているため医薬品開発のパイプライン強化が必要なのである。

ニュベクオ(ダロルタミド)は、腎臓病治療薬フィネレノン、更年期障害緩和薬エリンザネタントと並んで、バイエル社がピーク時の年間売上10億ドル以上と見込む、業界でブロックバスターと呼ばれるバイエル3大処方薬のうちの1つである。

同社によれば、本試験の詳細は、非公開の医学学会において発表される予定である。

翻訳担当者 平 千鶴

監修 榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)

原文掲載日 

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