低リスク前立腺がんに対する短期サイクル放射線治療は長期サイクルと同等の効果
キャンサーコンサルタンツ
低リスク前立腺がん患者の治療において、短期サイクルの寡分割照射法、すなわち、通常の放射線療法より短いサイクルで高線量の放射線を照射する療法は、長期サイクル照射療法と同等の効果があるとみられる。これらの結果がこのほど、米国放射線腫瘍学会(ASTRO)第57回年次総会で発表された。
放射線療法は現在も、早期前立腺がん患者の治療において重要な選択肢である。低リスク前立腺がんとは、低い再発確率に関連する特徴を有するがんのことである。
米国腫瘍放射線治療グループ(RTOG)の研究者らは最近、低リスク前立腺がん患者1,105人を対象として、短期サイクル寡分割照射法と、通常の長期サイクル照射療法とを比較する臨床試験を実施した。
寡分割照射法群に割り付けられた患者は5.6週間、通常照射法群に割り付けられた患者は8.2週間の放射線療法を受けた。
・約6年間の追跡調査の結果、無病生存率は2群間でほぼ同じであった。
・追跡調査7年経過時点における無病生存率は、寡分割照射法で治療を受けた患者で82%、通常照射法で治療を受けた患者では76%になると推定される。
・寡分割照射法に伴って増える重度の副作用は認められなかった。
本研究の主著者であるW. Robert Lee医師は、「本研究の結果から、寡分割照射法は低リスク前立腺がん患者に対して、治療に支障をきたしたり追加の副作用が課されることなく、患者にとって都合のよい短期間治療スケジュールを提供できることが実証されました」と述べた。
参考文献:
Lee, W.R, Sandler H, et al. NRG Oncology RTOG 0415: A Randomized Phase III Non-Inferiority Study Comparing 2 Fractionation Schedules in Patients with Low-Risk Prostate Cancer. Proceedings of the 57th annual meeting of the American Society for Therapeutic Radiation (ASTRO). Presented at the plenary session on October 19, 2015.
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