監視療法(AS)の安全性および実行可能性が過去最長の追跡調査で示される

キャンサーコンサルタンツ

予後良好または中リスクの前立腺癌患者に対する監視療法(active surveillance)の過去最長の追跡調査の結果、同療法は診断後20年間安全かつ実行可能であることがわかった。これらの結果は、スウェーデンのストックホルムで開催された2014年欧州泌尿器科学会(European Association of UrologyEAUCongress)で発表された。

米国では毎年192,000人以上の男性が前立腺癌と診断され、27,000人以上が同疾患で死亡している。一般的に前立腺癌は加齢に伴う疾患である。症状を呈することなく何年も発見されずに潜在することもある。

治療延期よりも積極的治療の方が生存期間を延長させるというエビデンスは少ないため、早期前立腺癌の治療法については意見が分かれる。さらに、治療は性的不能や失禁などの持続的副作用を伴うことがある。監視療法または待機療法と呼ばれる、より保存的なアプローチ(症状が現れたり、増悪がみられたりするまで治療を延期する方法)を選ぶ患者もいる。このアプローチにより、不要な治療や持続する可能性のある副作用を避けることができる場合もある。

監視療法のリスクと有用性を究明するため、長年にわたり研究が行われており、今回、過去最長の追跡調査の結果が得られた。早期癌を呈し、監視療法を受けた男性993人について前方視的単群コホート研究を実施した。これらの男性には、増悪の徴候がみられた場合にのみ治療を行った。

このうち診断後20年の間に死亡した患者は1.5%、転移が生じた患者は3.1%であった。さらに注目すべき点として、前立腺癌以外の原因による死亡者数は、前立腺癌による死亡者数の10倍であった。診断から5年、10年、15年、20年後の時点で、治療を受けずに監視療法を続けている患者の割合は、それぞれ75.7%、63.5%、55%、55%であった。追跡期間中、前立腺癌により死亡した患者は15人、癌が転移した患者は7人であった。

研究者らによれば、遅発性転移が生じた患者もあり、これらの患者に対して早期治療をしていれば転移を予防できたのではないかという問題もある。しかし全般的に、監視療法は安全で実行可能なアプローチであり、治療延期と比較すると、過剰治療により害を被る患者の割合の方が高いと述べている。

参考文献
Klotz L, Vesprini D, Loblaw A. Long term follow-up of a large active surveillance cohort. Presented at the 2014 EAU Congress in Stockholm Sweden. Abstract 26.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 遠藤微子

監修 林 正樹 (血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

前立腺がんに関連する記事

FDAが転移のない前立腺がんにエンザルタミドを追加承認の画像

FDAが転移のない前立腺がんにエンザルタミドを追加承認

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ前立腺がんの治療選択肢は過去10年間で爆発的に増えた。その流れは留まる気配がなく、最近では米国食品医薬品局(FDA)がエンザルタミド(販売名...
150回達成: ロボット手術HIFUで変わる前立腺がん治療の画像

150回達成: ロボット手術HIFUで変わる前立腺がん治療

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)リスク少なく回復が早い高密度焦点式超音波療法(HIFU)で世界をリードするカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)ヘルス...
FDAがBRCA変異転移性去勢抵抗性前立腺がんにニラパリブ/アビラテロン+プレドニゾン併用を承認の画像

FDAがBRCA変異転移性去勢抵抗性前立腺がんにニラパリブ/アビラテロン+プレドニゾン併用を承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年8月11日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査で判定された、病的変異または病的変異疑いのあるBRCA遺伝子変異去勢抵抗性前立腺がん(...
運動が前立腺がん治療に起因する性機能障害を改善する可能性が豪州の研究で示唆の画像

運動が前立腺がん治療に起因する性機能障害を改善する可能性が豪州の研究で示唆

米国臨床腫瘍学会(ASCO)ASCOの見解「運動は前立腺がん治療の副作用の一部を改善することが、以前から示されています。今回のデータは、前立腺がん患者に対する運動の有益性を性機...