Axitinib (アクシチニブ)がネクサバール®抵抗性の転移性腎細胞癌に効果

キャンサーコンサルタンツ
2009年8月

米国の多施設共同試験結果により、axitinib(アクシチニブ)がネクサバール®(ソラフェニブ)抵抗性の転移性腎細胞癌の患者に対し高い効果があることが証明された。この試験の詳細は2009年8月3日に発行された Journal of Clinical Oncology誌の早期電子版に掲載されている。[1]

Axitinibは経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤及び血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1、2、3の選択的阻害剤で、肺癌、乳癌、甲状腺癌、腎細胞癌で活性を有することが示されており、おそらくは膵臓癌でも活性を有する。血管内皮増殖因子受容体1、2、3は血管が癌細胞に向かって新生することに関与している。新生した血管は栄養と酸素を癌細胞に供給し、その増殖と転移を促進する。

今回の第2相試験では、62人のネクサバール®抵抗性の転移性腎細胞癌患者を対象とした。全奏効率は22.6%、奏効期間の中央値は17.5カ月であった。また、無増悪生存期間中央値は7.4カ月、全生存期間は13.6カ月であった。Axitinibの主な副作用として、手足症候群、疲労、高血圧、呼吸困難、下痢、脱水症状、低血圧がみられた。著者らによると、一次治療に抵抗性の転移性腎細胞癌患者においてaxitinibとネクサバール®を比較するランダム化第3相試験が進行中であるという。

コメント:
Axitinibはさまざまな癌の治療に有効であり、次にFDA承認を受ける分子標的薬の一つとなるだろう。

参考文献:
[1] Rini Bl, Wilding G, Hudes G, et al. Phase II study of axitinib in sorafenib-refractory metastatic renal cell carcinoma. Journal of Clinical Oncology. [early on-line publication]. August 3, 2009.


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翻訳担当者 蝦名 亜城

監修 橋本 仁(獣医学)

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