FDAが進行性腎臓癌の新薬を承認(Torisel)

FDAが進行性腎臓癌の新薬を承認(Torisel)

原文
FOR IMMEDIATE RELEASE:2007年5月30日
Media Inquiries: Susan Cruzan or Sandy Walsh, 301-827-6242
Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA

米国食品医薬品局(FDA)は本日、進行性腎臓癌の一種である腎細胞癌の治療薬としてTorisel〔トリセル〕(temsirolimus〔テムシロリムス〕)を承認した。Toriselが腎細胞癌患者の生存期間を延長するという臨床試験に基づいて、今回の承認に至った。この薬剤は細胞の生成、増殖、生存を制御するタンパク質である酵素の阻害剤である。

医薬品評価研究センター(CDER)の局長、Steven Galson(M.D., M.P.H.)氏は次のように述べている。「腎臓癌との戦いにおいて、われわれは大きな進歩を遂げた。Toriselは、この適応症に対して過去18ヶ月内に承認された3番目の薬剤であり、患者の生存期間を延長することが確認されている。」

Torisel以前では、2005年12月にNexavar[ネクサバール](sorafenib[ソラフェニブ])が承認されているが、その承認は、この薬剤が病勢進行を遅らせたことよる。2006年1月にはSutent[スーテント](sunitinib[スニチニブ])が持続的な奏効率および腫瘍径の縮小効果に基づいて迅速承認され、また後に腫瘍の増悪を遅らせることが示されている。

Toriselの安全性と有効性は626名の患者を3群に分けた臨床試験により示された。その3群とは、Torisel単独で投与された群、比較薬としてインターフェロンαが投与された群、そしてToriselとインターフェロンの両方が投与された群である。

Torisel単独投与された患者の群は全生存期間が有意に改善することが示された。Torisel単独の患者の全生存期間の中央値は10.9ヶ月で、それに対しインターフェロン単独の場合は7.3ヶ月だった。無増悪生存期間(病気が悪化しない期間)は、インターフェロン単独群3.1ヶ月だったのに対し、Torisel単独群は5.5ヶ月と向上した。Toriselとインターフェロンの併用群は、インターフェロン単独群と比べて全生存期間に有意な差はみられなかった。

Toriselを投与された患者において、30%以上の高頻度でみられた副作用は、皮疹、倦怠感、口のびらん、悪寒、浮腫、食欲不振であった。検査所見の異常の中で最も高頻度だったのは、高血糖値、血中の脂質や中性脂肪の上昇、肝臓や腎臓血液検査値の上昇、そして赤血球数、白血球数、血小板数の減少であった。

アメリカでは年間51,000名の人々が 腎細胞癌との診断を受ける。アメリカの成人に発症する腎臓癌の約85%は腎細胞癌である。

Toriselは、フィラデルフィアに拠点を置くWyeth Pharmaceuticals, Inc.社によって製造販売されている。

大國 義典 訳
瀬戸山 修 監修 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

腎臓がんに関連する記事

ベルズチファンとペムブロリズマブの併用は術後の腎がん再発を抑制かの画像

ベルズチファンとペムブロリズマブの併用は術後の腎がん再発を抑制か

ASCOの見解(引用)「LITESPARK-022試験のデータは期待が持てるものであり、ある意味では意外な結果でもあります。これまでの研究では、高リスクまたは再発リスクの高い腎...
血管新生を標的とした新規併用療法はカボザンチニブ単剤より腎がん抑制効果が高いの画像

血管新生を標的とした新規併用療法はカボザンチニブ単剤より腎がん抑制効果が高い

ASCOの見解(引用)「この第3相試験データは、ベルズチファン+レンバチニブ併用療法が、カボザンチニブによる従来の単剤療法と比較して、特定の利点をもたらす可能性を示している。重...
【ESMO 2025】既治療の進行腎がんにレンバチニブ+エベロリムスによる二重標的療法の有効性の画像

【ESMO 2025】既治療の進行腎がんにレンバチニブ+エベロリムスによる二重標的療法の有効性

MDアンダーソン研究ニュース 

● 研究により、レンバチニブ(販売名:レンビマ)とエベロリムス(販売名:アフィニトール)の併用療法を受けた患者は、疾患の進行なく生存期間が延長したことが判...
腎臓がん腫瘍に新たなヒストトリプシー(集束超音波)治療の画像

腎臓がん腫瘍に新たなヒストトリプシー(集束超音波)治療

オハイオ州立大学総合がんセンターのアーサー・G・ジェームズがん病院およびリチャード・J・ソロブ研究所(OSUCCC–James)の腎臓がんおよび画像下治療(IVR)の専門医らは、進行中...