FDAが進行腎臓癌に対する治療薬Inlyta(アキシチニブ)を承認/FDAニュース

FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年1月27日
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FDAが進行腎臓癌に対する治療薬Inlyta(アキシチニブ)を承認 -癌の進行を抑制する新薬 

米国食品医薬品局(FDA)は、本日、他の治療薬では奏効がみられない進行腎臓癌(腎細胞癌)患者に対する治療薬Inlyta(アキシチニブ)を承認した。

腎細胞癌は、腎臓内にある微細な管の内膜に発生する腎臓癌である。Inlytaは腫瘍増殖や癌増悪に関与するキナーゼというタンパク質を阻害する。Inlytaは錠剤で患者は1日2回服用する。

「本剤は、2005年以降、転移性または進行性の腎細胞癌治療薬として承認された7番目の薬剤です」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。「全体的にみて、この期間のかつてない医薬品開発レベルは、転移性腎臓癌の治療パラダイムを大きく変化させ、患者へ多くの治療選択肢を提供しています」。

近年、腎臓癌の治療薬として承認された医薬品には、ソラフェニブ(2005年)、スニチニブ(2006年)、テムシロリムス(2007年)、エベロリムス(2009年)、ベバシズマブ(2009年)、パゾパニブ(2009年)がある。

Inlytaの安全性と有効性は、一次全身療法の途中または後に癌が進行した723人の患者を対象とした1件のランダム化非盲検多施設共同臨床試験で評価された。本試験は、癌の進行なしに患者が生存した時間である無増悪生存期間を測定することを目的としてデザインされた。結果は、標準治療(ソラフェニブ)では無増悪生存期間の中央値が4.7カ月だったのに比べ、Inlytaでは6.7カ月であった。

本臨床試験で20%を超える患者でみられた最も頻度の高い副作用は、下痢、高血圧(血圧上昇)、倦怠感、食欲減退、悪心、失声(発声障害)、手足症候群(手掌足底感覚異常症)、体重減少、嘔吐、無気力(無力症)、および便秘であった。

高血圧患者に対しては、Inlytaを投与するまでに十分な血圧管理が必要である。Inlytaを服用した一部の患者では出血が認められており、死亡例もみられた。未治療の脳腫瘍または胃腸出血を併発している患者はInlytaを服用するべきではない。

Inlytaは、ニューヨークに拠点を置くファイザー社が販売している。

詳しい情報については以下を参照のこと、

FDA Voice Blog: Cancer Care in the U.S. – Looking Back, Looking Forward (音声ブログ:米国のがんケア-過去を振り返り、未来を見つめる)〔原文〕

FDA: Office of Hematology and Oncology Products (血液腫瘍製品室)〔原文〕

FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)〔原文〕

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佐々木亜衣子 訳
辻村信一 (獣医学/農学博士、メディカルライター)監修 
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原文

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