米FDA、点滴に代わる注射用ニボルマブを承認

米FDA、点滴に代わる注射用ニボルマブを承認

皮下注製剤ニボルマブが、米国食品医薬品局(FDA)の承認を得た。この承認により、静脈内( IV)注射で投与される元の製剤の適用となっている同じ患者グループのほとんどに、皮下注製剤を使用できるようになる。

専門家らによれば、皮下注製剤ニボルマブ(販売名:Opdivo Qvantig[オプジーボQvantig])により、患者への治療はより迅速で簡単になる。注射には5分もかからないが、点滴では約30分かかる。

この注射は通常腹部または大腿部に打ち、静注ニボルマブ投与で必要になることもある外科的留置ポートを必要としない。そしてこの新しい製剤によってゆくゆくは、患者はかかりつけ腫瘍専門医の診察室や自宅でも治療を受けられるようになるかもしれない。

NCIの免疫腫瘍学センターの共同所長であるJames Gulley医学博士は、皮下注製剤ニボルマブによって治療効果を維持しつつ患者の利便性を高めることができると述べた。

これは、皮下注射型の免疫チェックポイント阻害薬として初の承認ではない。アテゾリズマブ(販売名:テセントリク)の皮下注製剤は9月に承認されている。ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)やブリナツモマブ(販売名:ビーリンサイト)など、他の免疫療法薬の皮下注製剤も製薬企業で開発中である。

皮下注製剤ニボルマブの承認は、進行腎臓がん患者を対象にニボルマブの静注製剤と皮下注製剤を比較した臨床試験の結果に基づいている。この試験では、ニボルマブ二種の薬物動態(薬剤が体内でどのように吸収され、分解され、排泄されるか)が類似していることが示された。また、皮下注ニボルマブは、静注ニボルマブと同様に安全であり、かつ客観的奏効率の観点で効果も同等であった。

今回の承認の根拠となった臨床試験の結果については、2024年3月NCIブログ記事でさらに詳しく取り上げられている。

  • 監修 田中謙太郎(呼吸器内科、腫瘍内科、免疫/鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 呼吸器内科学分野)
  • 記事担当者 山田登志子
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  • 原文掲載日 2025/02/19

この記事は、米国国立がん研究所 (NCI)の了承を得て翻訳を掲載していますが、NCIが翻訳の内容を保証するものではありません。NCI はいかなる翻訳をもサポートしていません。“The National Cancer Institute (NCI) does not endorse this translation and no endorsement by NCI should be inferred.”】

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