FDAがモバイル機器向けに初の放射線診断学用アプリケーションを承認

FOR IMMEDIATE RELEASE:2011年2月4日
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FDAがモバイル機器向けに初の放射線診断学用アプリケーションを承認
−iPhoneおよび iPad使用者に無線アクセスによる医用画像を提供−

米国食品医療品局(FDA)により初めて承認されたモバイル向けの放射線医学用アプリケーションを使用することで、医師はアップル社製造のiPhoneおよび iPadで医用画像を確認することができる。[pagebreak]このアプリケーションはFDAにより初めて承認されたもので、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴画像法(MRI)および陽電子放射断層撮影法(PET)の様な核医学技術に基づいた画像を確認し医用診断を行うためのものである。しかし、これはワークステーションを完全に置き換えるためのものではなく、あくまでもワークステーションへのアクセスが不可能の場合に限り使用される。

「この重要なモバイル技術により、医師がワークステーションへ足を運んだりフィルム現像に時間を費やすことなく、画像をすぐに確認し診断を行うことが可能になる」と、FDA医療機器・放射線保健センターの主任科学者で科学部門の副局長でもあるWilliam Maisel医師/公衆衛生学修士は述べた。

病院や診療所で撮影される放射線画像は、ネットワーク上で安全に伝送されるように圧縮され、Mobile MIMと称するソフトウェアを介して適切な携帯用無線機器へと送られる。クリーブランドに拠点を置くMIM Software社製造のMobile MIMにより、医師が画像上での測定や画像強度値を測定したり、測定値の再確認あるいは要点部分の書込みをすることなどが可能となる。

FDAでは多種の携帯用機器を用いて性能試験を行い、その結果を審査することで本アプリケーションの評価を行った。これらの試験では国際規格やガイドラインに従い、輝度や画質(解像度)、およびノイズを測定した。また当局では、認定放射線科医による異なる照明条件での公開試験の結果を調査した。推奨される照明条件において診断用画像を解釈することが十分に可能であることを参加者全員は同意した。

モバイル機器の表示性能は、同じモバイル機器の中でも輝度レベルに有意な差が生じる可能性がある。Mobile MIMのアプリケーションには、不適切なスクリーン輝度または照明条件による質の悪い画像表示のリスクを軽減するために、十分な表示や安全機能が備わっている。本アプリケーションには、双方向性のコントラスト試験の機能が備わっており、スクリーンの一部分が他の部分と異なる色調になっている。医師がスクリーンのこの部分を特定して指でタッチすることができれば、その照明条件下で微妙なコントラストの違いを識別できていることになる。さらに、安全性ガイドもアプリケーションには含まれている。

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栃木 和美 訳
井上 進常(小児腫瘍科/首都医校教員)監修 
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原文


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