転移を有する膵臓がんでダラクソンラシブが全生存期間を有意に改善

転移を有する膵臓がんでダラクソンラシブが全生存期間を有意に改善

ダラクソンラシブが、既治療の転移性膵管腺がんに生存期間(OS)を2倍に延長

治療歴があり転移を有する膵管腺がん(PDAC)に対し、RAS(ON)マルチ選択的阻害薬であるdaraxonrasib[ダラクソンラシブ]が、標準化学療法と比較して統計学的かつ臨床的に有意な全生存期間(OS)の改善を示した。第3相RASolute 302試験のトップライン結果によるものである。

RASolute 302試験の治験責任医師であるBrian M. Wolpin医師(公衆衛生学修士、ハーバード大学医学部教授、ダナファーバーがん研究所のヘイル・ファミリー膵がん研究センター長)は、Revolution Medicines社のニュースリリース内で、以下の様に述べている:「転移を有する膵がん患者さんにとって、生存期間延長と生活の質改善を実現する新たな治療選択肢が強く求められています。この研究の結果は広く注目されていましたが、ダラクソンラシブは、従来の治療(主に化学療法)で病状が進行した膵臓がん患者さんにとって、明確かつ極めて意義深い前進となることを示しています」。

RASolute 302試験は現在進行中の国際共同ランダム化比較試験であり、治療歴があり転移を有する膵管腺がん患者が対象である。患者はダラクソンラシブ300 mgを1日1回経口投与する群と、担当医が選択する標準的な細胞傷害性化学療法群に無作為に割り付けられた。登録には、G12D、G12V、G12RなどのRAS変異に加え、RAS野生型の患者も含まれる。主要評価項目は、RAS G12変異陽性患者における無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) であり、盲検下独立中央評価により判定された。副次評価項目には、ITT集団全体におけるPFSおよびOS、奏効率、奏効持続期間、患者報告アウトカムとしての生活の質が含まれる。

ITT集団におけるOS中央値は、ダラクソンラシブ群で13.2カ月、化学療法群で6.7カ月であり、死亡リスクが60%低減した(ハザード比 0.40、P <0.0001)。また本試験は、RAS G12変異を有する患者においてPFSおよびOSの主要評価項目も達成した。安全性に関しては、ダラクソンラシブは概ね良好な忍容性を示し、管理可能な安全性プロファイルであり、新たな安全性シグナルは認められなかった。

ダラクソンラシブは、非共有結合型のマルチ選択的RAS(ON)阻害薬で、RAS野生型およびRAS変異型の活性型(GTP結合状態)を標的とする。従来のRAS標的薬とは異なり、より広範なRASバリアントを阻害するよう設計されており、多様なRAS変異がみられる膵管腺がんにおいては特に重要である。

規制当局による承認状況であるが、ダラクソンラシブは治療歴があり RAS G12変異陽性の転移を有する膵管腺がんを対象に、FDAからブレークスルーセラピー指定およびオーファンドラッグ指定を受けている。また、FDAコミッショナーのナショナル・プライオリティ・バウチャー制度にも選定されており、各国規制当局へのデータ提出も計画されている。

Revolution Medicines社のCEO兼会長であるGoldsmith氏は、ニュースリリースの中で、本結果はRAS(ON)阻害という同社のアプローチの有効性を裏付けるものであり、長年の研究投資の成果であると強調している。

  • 監修 泉谷昌志(消化器内科、がん生物学/東京大学医学部附属病院)
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