FDAがHER2陽性固形がんにトラスツズマブ デルクステカンを承認

米国食品医薬品局(FDA)

2024年4月5日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性のHER2陽性(IHC3+)固形がんで、全身療法を受けたことがあり、満足な代替療法がない成人患者に対し、トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ、第一三共社)を迅速承認した。

有効性は、治療歴のある切除不能または転移性のHER2陽性(IHC 3+)固形がんの成人患者192人で、3つの多施設試験、DESTINY-PanTumor02試験(NCT04482309)、DESTINY-Lung01試験(NCT03505710)、およびDESTINY-CRC02試験(NCT04744831)のいずれかに登録された患者を対象に評価された。 3試験とも、スクリーニング時にステロイドによる治療を必要とする間質性肺疾患(ILD)/肺炎の既往のある患者、またはILD/肺炎の既往のある患者、臨床的に重要な心疾患のある患者は除外された。また、活動性の脳転移やECOG performance status が2以上の患者は除外された。治療は病勢進行、死亡、同意の撤回、または許容できない毒性が認められるまで行われた。

3つの試験における主要な有効性評価項目は、客観的奏効率(ORR)であり、副次的有効性評価項目は奏効期間(DOR)であった。すべての有効性は、RECIST v1.1に基づく独立中央審査(ICR)によって評価された。DESTINY-PanTumor02において、ORRは51.4%(95%CI:41.7, 61.0)、DOR中央値は19.4カ月(範囲1.3, 27.9+)であった。DESTINY-Lung01では、ORRは52.9%(95%CI:27.8, 77.0)、DOR中央値は6.9カ月(範囲4.0, 11.7+)であった。DESTINY-CRC02では、ORRは46.9%(95%CI:34.3, 59.8)、DORは5.5カ月(範囲1.3+, 9.7+)であった。

臨床検査値異常を含む主な副作用(20%以上)は、白血球数減少、悪心、貧血、好中球数減少、疲労、リンパ球数減少、血小板数減少、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、血中アルカリホスファターゼ増加、嘔吐、食欲減退、脱毛症、下痢、血中カリウム減少、便秘、ナトリウム減少、口内炎、上気道感染であった。処方情報には、間質性肺疾患および胚・胎児毒性のリスクを医療専門家に注意喚起する「枠囲み警告」が含まれている。

トラスツズマブ デルクステカンの本適応症における推奨用量は、5.4 mg/kgを3週間に1回(21日サイクル)、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで点滴静注することである。

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  • 翻訳担当者: 後藤 若菜
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  • 原文掲載日 2024年4月5日

 

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