米FDAが切除可能な胃/胃食道接合部腺がんにデュルバルマブを承認
2025年11月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除可能な胃または胃食道接合部腺がん(GC/GEJC)成人患者を対象に、術前および術後療法としてのデュルバルマブ(販売名:イミフィンジ、AstraZeneca社)とフルオロウラシル/ロイコボリン/オキサリプラチン/ドセタキセル(FLOT)化学療法の併用療法と、それに続くデュルバルマブ単剤療法を承認した。
イミフィンジの詳細な処方情報はこちらに掲載される。
有効性と安全性
ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験のMATTERHORN試験(NCT04592913)において有効性を評価した。本試験の対象患者は、未治療かつ切除可能なステージII~IVAの胃または胃食道接合部腺がん患者948人であり、デュルバルマブ+FLOT併用群、またはプラセボ+FLOT併用群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。
主要な有効性評価項目は、盲検独立中央判定による無イベント生存率(EFS)であった。副次的な有効性評価項目は、全生存率(OS)および盲検中央病理判定による病理学的完全奏効率(pCR)であった。本試験は、治療の各段階(術前または術後)におけるデュルバルマブの効果を個別に評価するようには設計されていなかった。EFS中央値は、デュルバルマブ+FLOT群では未到達(NR)(95%信頼区間:40.7、推定不能[NE])、プラセボ+FLOT群では32.8カ月(95%信頼区間:27.9、NE)であった(ハザード比[HR]0.71[95%信頼区間:0.58、0.86]、p値<0.001)。OS中央値は両群ともNR(ハザード比0.78[95%信頼区間:0.63、0.96]、p値0.021)であった。pCR率は、各群19.2%(95%信頼区間:15.7、23.0)、7.2%(95%信頼区間:5.0、9.9)であった(p値<0.001)。
処方情報には、免疫介在性副作用、輸注関連反応、同種造血幹細胞移植の合併症、および胚胎児毒性に関する警告および注意事項が含まれている。
推奨用量
デュルバルマブの推奨用量は、体重30 kg以上の患者においては、化学療法と併用して4週間ごとに1,500 mgを最大4サイクル(術前および術後補助療法)、その後、単剤で4週間ごとに1,500 mgを最大10サイクル(術後補助療法)である。体重30 kg未満の患者においては、化学療法と併用して4週間ごとに20 mg/kgを最大4サイクル(術前および術後補助療法)、その後、単剤で4週間ごとに20 mg/kgを最大10サイクル(術後補助療法)である。治療は、病勢進行、再発、または許容できない毒性が認められるまで、あるいは手術後最大12サイクルまで継続する。
- 監修 野長瀬祥兼(腫瘍内科/市立岸和田市民病院)
- 記事担当者 仲里芳子
- 原文を見る
- 原文掲載日 2025/11/25
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
胃がんに関連する記事
【ASCO2025】年次総会注目すべき追加研究・LBA ①
2025年7月18日
【ASCO2025】胃がん周術期治療、デュルバルマブ+化学療法で再発リスク減少
2025年6月16日
dMMR固形がんに対してctDNA有無に基づく術後PD-1阻害薬が効果を示す
2025年5月12日
免疫療法薬+TIL療法により、さまざまな転移固形がんが縮小
2025年4月10日



