米FDA、乳がんにパージェタと互換可能な新バイオシミラーを承認
2025年11月13日、米国食品医薬品局(FDA)は、pertuzumab-dpzb[ペルツズマブ-dpzb](販売名:Poherdy、Shanghai Henlius Biologics Co. Ltd.社)をペルツズマブ(販売名:パージェタ、Genentech Inc.社)の互換可能バイオシミラーとして承認した。これは、パージェタのバイオシミラーとしては初めての承認である。
ペルツズマブ-dpzbは、HER2/neu受容体拮抗薬であり、適応は以下の通りである。
◎転移性疾患に対する抗HER2療法または化学療法を受けていないHER2陽性転移性乳がん(MBC)の成人患者を対象として、トラスツズマブ+ドセタキセル併用での使用。
◎下記の療法として、トラスツズマブ+化学療法併用での使用。
●HER2陽性、局所進行、炎症性、または早期乳がん(直径2cmを超えるまたはリンパ節転移陽性)の成人患者を対象とした、早期乳がんに対する包括的治療計画の一部としての術前補助療法。
●再発リスクの高いHER2陽性早期乳がんの成人患者を対象とした術後補助療法。
Poherdyの詳細な処方情報は、こちらに掲載される。
この承認は、幅広い構造的および機能的な製品品質特性の比較を根拠としている。それらには、安全性や有効性に影響を与えることが既知のもの、ヒト薬物動態データ、臨床免疫原性データ、およびペルツズマブ-dpzbがパージェタとバイオシミラーであり互換可能であることを示す乳がん患者における支持的な臨床データが含まれる。
処方情報には、左室機能不全および胚・胎児毒性に関する枠囲み警告、および輸注関連反応および過敏症反応/アナフィラキシーに関する警告と注意事項が含まれている。
ペルツズマブ-dpzbの推奨初回投与量は、静脈内注入(60分間)で840 mgである。その後は、3週間ごとに420 mgを30~60分かけて静脈内注入する。
- 監修 小坂泰二郎(乳腺外科/JA長野厚生連 佐久総合病院 佐久医療センター)
- 記事担当者 仲里芳子
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- 原文掲載日 2025/11/13
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