ざくろジュースは前立腺癌患者のPSAレベルを安定させる/カリフォルニア大学(UCLA)ジョンソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

ざくろジュースは前立腺癌患者のPSAレベルを安定させる/カリフォルニア大学(UCLA)ジョンソンがんセンター

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ざくろジュースは前立腺癌患者のPSAレベルを安定させる/カリフォルニア大学(UCLA)ジョンソンがんセンター

ざくろジュースは前立腺癌患者においてPSAレベルを安定させる
カリフォルニア大学(UCLA)ジョンソンがんセンター
2006/7/1

1日8オンス(1オンス=約29cc)のざくろジュースを飲むことで、治療後の前立腺癌患者の男性におけるPSAレベルの安定期間が約4倍に延びたことが、3年間のUCLAによる試験で分かった。

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試験には、手術または放射線治療を受けた後、早期に、癌の存在を示すバイオマーカーである前立腺癌特異抗原PSAが増加した患者50人が参加した。UCLAの医師らは、PSAレベルが倍増するのにかかる「倍加時間」(癌の進行を示すシグナル)を計測した、とJonsson
Cancer Center(ジョンソンがんセンター)の泌尿器科助教授であり、本試験の筆頭著者であるAllan Pantuck医師は話した。

倍加時間の短い患者は癌により死亡する確率が高いため、倍加時間は前立腺癌において重要である、とPantuck医師は言う。平均倍加時間は約15ヶ月である。UCLAの試験において、Pantuck医師および彼のチームは、倍加時間が15ヶ月から54ヶ月に、ほぼ4倍に延びたことを観察した。

 

「これは顕著な増加です。PSA値のこれほどの改善をみて、私は驚きました。前立腺癌の治療を受けた65歳から70歳の高齢男性では、ざくろジュースを飲んでもらうことで、癌により死亡するリスクを克服できるかもしれません。我々は、通常このような患者に対して行われ、有害な副作用をもたらすホルモン治療や化学療法の実施を、避けられるか、遅らせることができるかもしれないと期待しています。」とPantuck医師は話した。

 

本試験は、米国癌学会(American Association of Cancer Research)のピアレビュー誌であるClinical Cancer Researchの7月1日号に掲載される。

 

「これは病気を治すものではありませんが、前立腺癌が増大する機序を変えられるかもしれません。この反応の背景にある特異的な要因はまだわかりませんが、それが本試験の次のステップになるでしょう。どのような細胞シグナル伝達経路が影響しているのか、また何がPSAレベルを安定させているのかを解明したいと考えています。」とPantuck医師は述べた。

 

ざくろジュースは、抗炎症効果および高レベルの抗オキシダント(酸化体)を持つことが知られており、フリーラジカル(遊離基)によるダメージから体を防御すると考えられている。ざくろジュースはまた、緑茶に含まれる天然の抗酸化体成分であるポリフェノール、通常大豆に含まれるイソフラボンや、癌細胞死に関連すると考えられているエラグ酸を含んでいる。

 

Pantuck医師はまた、「ざくろジュースには、この反応を促進している可能性のある物質がたくさんあります。それが、1種類の魔法のような物質によるのか、ざくろジュース中に含まれていることが知られているもの全ての組み合わせによるのかは分かりません。私の推測では、1種類の成分ではなく、複数の組み合わせによるものでしょう。」と言う。

 

Pantuck医師の言うには、治療直後の男性におけるPSAレベルは検出不可能でなければならない。もしPSAが検知できるレベルであった場合、進行する可能性の高い侵襲性の癌である徴候である。Pantuck医師の試験に参加した男性は全員、治療後に検出可能なPSAレベルを持っていた。参加した50人のうち、80%以上に倍加時間の改善がみられた。

 

再発性前立腺癌患者に対するこれまでの治療法には、ホルモン療法、すなわち生体系からテストステロンを取り除く化学的去勢などがある。ホルモン療法を受けた男性には、顔面紅潮、骨そしょう症、疲労感、うつ状態、筋肉の消耗、性欲減弱、勃起不全等が起こる。もしざくろジュースを飲むことにより、ホルモン療法の実施を遅らせるか、避けることができれば、患者はより長い間、より良い生活の質(QOL)を保つことができる、とPantuck医師は言う。

 

Pantuck医師の試験において、患者はいかなる副作用も経験せず、試験中誰にも癌の転移は起こらなかった。

 

Pantuck医師は、泌尿器腫瘍学の教授であり主任でもあるArie Belldegrun医師、Center for Human Nutrition(ヒト栄養学センター)の教授でありセンター長でもあるDavid
Heber医師らUCLAの同僚と共に、約6年前に前立腺癌におけるざくろジュースの研究を始め、細胞培養および動物における前臨床試験を行った。これらの試験で、ざくろジュースは前立腺癌の成長を遅らせることが示された、とPantuck医師は言う。

 

Pantuck医師によると、そのデータは、臨床試験においてざくろジュースを試験するのに十分有望なものであったと言う。それらの発見を裏付けるため、UCLAの指揮による、より規模の大きい第3相試験が米国中の10のセンターで実施される。UCLAは南カリフォルニアにおいてこの試験に参加する唯一のセンターである。この第3相試験の詳細は、(310)
825-5538に電話のこと。

 

Pantuck医師はまた、試験に参加した男性のなかには、ざくろジュースを飲む以外には前立腺癌の治療を受けずに、3年以上PSAレベルが抑制されている患者もいると言う。

 

「ジュースは効いているようだ」と彼は言う。

 

本試験は、Stewart and Lynda Resnickトラストより資金を得て、Clark Urology Center(クラーク泌尿器学センター)において実施された。ResnickトラストはPOM
Wonderfulを所有しており、試験のための多種多様なざくろがWonderfulから提供された。

 

UCLAのジョンソン総合がんセンターは、疾患の研究、予防、発見、制御、治療および教育に従事する240人の研究者および医師から成っている。米国における最大級のがんセンターの1つであるジョンソンがんセンターは、研究を推進し、その結果を最先端の臨床試験へ移行させることに専念している。2005年7月には、U.S.
News & World Reportにより米国西部における最高のがんセンターであるとランキングされ、6年間連続でそのランキングを保ったことになる。

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原文(なし)
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(Oonishi 訳・Dr.榎本 裕(泌尿器科) 監修)

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