[ 記事 ]

FDAがp17欠失のない慢性リンパ性白血病に対してもvenetoclaxを承認

2018年6月8日、米国食品医薬品局(FDA)は、17p欠失の有無に関わらず、少なくとも1回の治療歴を有する慢性リンパ性白血病(CLL)患者あるいは小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者に対する治療薬としてvenetoclax[ベネトクラックス](商品名:VENCLEXTA、AbbVie Inc社およびGenentech Inc社)を通常承認した。

 

本承認は、ベネトクラックス+リツキシマブによる治療(VEN+R)をベンダムスチン+リツキシマブによる治療(B+R)と比較した、無作為化(1:1)多施設共同非盲検試験(MURANO、NCT02005471)に基づいている。MURANO試験は、少なくとも1回の治療歴を有するCLL患者389人を対象としている。VEN+R群の患者には、5週間ベネトクラックスを段階的に増量して投与した後、リツキシマブ投与開始日から24カ月間1日1回400 mg のベネトクラックス投与を行った。リツキシマブの投与は、ベネトクラックスを段階的に増量投与した後、6サイクルにわたり実施された(1サイクル当たり28日とし、サイクル1の初日に375 mg/m2を静注、サイクル2~6の初日に500 mg/m2を静注)。対照群では6サイクルにわたり、B+Rによる治療を行った(1サイクル当たり28日のうち初日および2日目にベンダムスチン70 mg/m2を投与し、VEN+R群と同様の用量および投与スケジュールでリツキシマブを投与)。

 

有効性は独立審査委員会の評価による無増悪生存期間(PFS)に基づいている。中央値で23カ月の追跡期間の後、PFSの中央値について、VEN+R群では到達せず、B+R群では18.1カ月(95%CI:15.8~22.3)であった(HR 0.19; 95%CI:0.13~0.28; p<0.0001)。全奏効率は、VEN+R群では92%であったのに対し、B+R群では72%であった。

 

VEN+R群の患者で最も多く見られた有害反応(発生率≥20%)は、好中球減少、下痢、上気道感染、疲労、咳嗽、および悪心であった。VEN+R群では、グレード 3 または 4 の好中球減少症が患者の64%、グレード4の好中球減少症が31%に発生した。患者の46%に重篤な有害反応が認められた。患者の21%に重篤な感染症が発生した。最も多く見られた感染症は肺炎であった(9%)。

 

腫瘍量の急激な減少に伴う腫瘍崩壊症候群(TLS)がベネトクラックスによる治療に伴う重大なリスクとして特定された。TLSに関するリスク層別化、予防措置、およびモニタリングに関しては、処方情報を参照のこと。

 

承認済みのあらゆるベネトクラックス療法は、5週間にわたる段階的増量から開始する。全処方情報は以下に記載されている:Venclexta PI

 

FDAはベネトクラックスとリツキシマブを画期的治療薬に指定し、この申請を優先審査に指定した。FDA迅速承認プログラムのに関する情報は、企業向けガイダンス、重篤疾患のための迅速承認プログラム—医薬品および生物学的製剤に記載されている。

翻訳三浦恵子

監修吉原 哲(血液内科・細胞治療/兵庫医科大学)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事