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FDAがBRAF V600E変異陽性転移非小細胞肺がんにダブラフェニブ+トラメチニブを承認

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FDAがBRAF V600E変異陽性転移非小細胞肺がんにダブラフェニブ+トラメチニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)

2017622日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査で検出されたBRAF V600E遺伝子変異を有する転移非小細胞肺がん(NSCLC)患者へのダブラフェニブおよびトラメチニブ(商品名:TAFINLARおよびMEKINIST、ノバルティス ファーマ社)の併用療法を通常承認した。

 

BRAF V600E遺伝子変異陽性転移NSCLC患者の治療に対するFDAによる承認は、本併用療法が最初となる。

 

FDAは本日、1つの組織標本から1回の検査で肺がんにおける複数の遺伝子変異を検出できる次世代シーケンサー(NGS)であるOncomine™Dx Target Test(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)についても承認した。この検査は、NSCLC患者の腫瘍組織で、BRAFROS1、およびEGFR遺伝子変異の有無や変化を検出し、ダブラフェニブ+トラメチニブの併用療法の対象となるBRAF V600E遺伝子変異陽性NSCLC患者を選択できる。FDAが複数のコンパニオン診断薬の適用においてNGSパネル検査を承認したのは今回が最初である。

 

承認は、BRAF V600E遺伝子変異陽性が局所的に確認された転移NSCLC患者を対象とした非ランダム化非比較非盲検国際多施設共同3コホート試験であるBRF113928試験(NCT01336634)に基づいて行われた。本試験では、93人の患者にダブラフェニブ(150mg12回経口投与)およびトラメチニブ(2mg11回経口投与)を併用投与した。93人中36人は転移NSCLCに対する全身療法を受けたことがなく、57人は白金ベースの化学療法レジメンを1つ以上受けており、疾患進行を伴っていた。また、BRAF V600E遺伝子変異陽性NSCLCの治療歴がある78人の患者に、ダブラフェニブを単剤投与した。

 

治療歴を有する群では、RECIST1.1に準拠した独立画像評価委員会の判定に基づく併用療法の全奏効率(ORR)は63%(95% CI: 49%, 76%)、奏効期間(DoR)中央値は12.6カ月であった。治療歴のない群では、ORR61%(95% CI: 44%, 77%)であり、DoR中央値は推定できなかった(95% CI: 6.9, NE)。 しかし、奏効者の59%で6カ月以上の奏効期間が得られた。ダブラフェニブの単剤投与を受けた患者のORR27%(95% CI: 18%, 38%)、DoR中央値は9.9カ月であった。

 

NSCLC患者に生じた副作用の頻度および重症度は、メラノーマ患者を対象とした事前承認で報告された副作用と概ね同様であった。最も高頻度の副作用(20%以上)は、発熱、倦怠感、悪心、嘔吐、下痢、皮膚の乾燥、食欲不振、浮腫、発疹、悪寒、出血、咳嗽、および呼吸困難であった。最も高頻度のグレード34の副作用は、発熱、倦怠感、呼吸困難、嘔吐、発疹、出血、および下痢であった。臨床検査値の異常は、大半がグレード12であった。最も高頻度の5%以上)のグレード34の臨床検査値異常は、低ナトリウム血症、リンパ球減少、貧血、高血糖、好中球減少、白血球減少、低リン酸血症、およびアラニンアミノトランスフェラーゼの増加であった。ダブラフェニブおよびトラメチニブの副作用により、それぞれ18%および19%の患者が投与を中止した。

 

用量用法は、ダブラフェニブ150mgは約12時間空けて12回経口投与、トラメチニブは2mg11回経口投与が推奨される。腫瘍標本におけるBRAF V600E遺伝子変異の有無については、治療開始前にFDAが承認した検査によって確認する必要がある。

 

ダブラフェニブの全処方情報

 

トラメチニブの全処方情報

 

FDAは、1つ以上のプラチナ併用療法による治療歴がある進行性および転移性のBRAF V600E遺伝子変異陽性NSCLC患者を対象としたダブラフェニブとトラメチニブの併用療法を、2015年にBreakthrough Therapy(画期的な治療薬)に指定した。希少疾病用医薬品としては、2014年にBRAF遺伝子変異陽性NSCLC患者を対象にダブラフェニブが単剤で指定され、2015年にトラメチニブとの併用で認められた。FDAの促進プログラムの詳細は、業界向けのガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」で閲覧できる。

 

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われるすべての重篤な有害事象について、オンラインフォーム(MedWatch Online Voluntary Reporting Form)に記入して送信するか、フォームをダウンロードしてFAX (1-800-FDA-0178) または料金受取人払いで郵送、あるいは電話(1-800-FDA-1088)で、FDAMedWatch Reporting Systemまで報告すること。

 

Oncology Center of Excellenceのツイッターのフォローはこちらから@FDAOncology.

 

最近の承認情報が得られるOCEの新PodcastDrug Information Soundcast in Clinical Oncology D.I.S.C.O.)」はこちらからwww.fda.gov/OCE

原文掲載日

翻訳小石みゆき 

監修吉松由貴(呼吸器内科/飯塚病院)

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