放射免疫療法BexxarとZevalin(Bexxar二重作用放射性抗体薬) | 海外がん医療情報リファレンス

放射免疫療法BexxarとZevalin(Bexxar二重作用放射性抗体薬)

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放射免疫療法BexxarとZevalin(Bexxar二重作用放射性抗体薬)

1 Bexxar二重作用放射性抗体薬/ミシガン大学 ミシガン大、FDA承認(2003/6)以来初の リンパ腫Bexxar療法レジメン治療を実施

2004/1 January 1, 2004 First lymphoma patients treated with BexxarR therapeutic regimen at UMHS since FDA approval

Mark Kaminski, M.D氏とそのグループは、10年以上前にこの新しい治療法の開発を始めていた。今回、Kaminskiは、FDA承認(2003/6)以来初めての患者にBexxar治療を施した。 

 

  「Bexxarは治療の革新である。と、Kaminski氏(co-director of the Leukemia/Lymphoma/Bone Marrow Transplant Program at the U-M Comprehensive Cancer Center-ミシガン大総合がんセンターの‘白血病、リンパ腫、骨髄移植プログラム’共同ディレクター)は言う。Bexxar以前は、ほとんどの治療は、化学療法と外部照射療法に頼っていたが、それらは必ずしも効果を得られず、患者にとって毒性のある治療あった。これまでの化学療法と放射線療法が癌細胞だけでなく、正常細胞も殺傷するのに対し、Bexxar療法のレジメンは、癌細胞だけを標的とする放射物を使用する。

 

患者は、何クール、何ヶ月もの化学療法の代わりに、たった1本の注射を打つだけである。そして副作用もきわめて少ない。   Kaminski氏は、臨床試験でBexxarを使用してきたが、6月(2003年)にFDAは、他の治療に抵抗性となったノンホジキンリンパ腫(NHL)に対する治療として認可した。メディケア(高齢者向け医療保険制度)は、Bexxar治療に保険を適用すると発表した。(略)  

 

Bexxarは、化学療法を受けた濾胞性リンパ腫への使用に認可された。Bexxar は、腫瘍標的とする抗悪性新生物(抗癌)モノクロナール抗体(Tositumomab)と、個別に放射線量を設定する治療法をあわせもった二重作用の治療法である。組み合わされることによって、これらの物質は、放射性標識化モノクロナール抗体となり、体中を巡って癌細胞上に発見された標的とする抗原に結合することができる。したがって、癌細胞に対して免疫反応を誘引し、また放射性物質を直接腫瘍へ運ぶことになる。

 

Bexxarは、個別に指定されたクリアランス値に基いて投与できる唯一のNHL治療であり、それぞれの患者に応じて前もって決められた線量の放射性物質を運ぶことが可能となった。   「実際、B-Cellと呼ばれるリンパ球から発生するすべてのリンパ腫は、細胞表面にCD20という蛋白質を持つことがわかった。」と、ミシガン大学核医学パイオニアであるRichard Wahl, M.D.氏 (現在Johns Hopkins University Medical Center核医学教授)とともに治療を開発してきたKaminski氏は述べた。  

 

「我々がラジオアイソトープを組み合わせた抗体は、このCD20というターゲットに絞って認識し、しっかりと付着する。したがって、この抗体を血流に導入すると、それは、このターゲットを持つ細胞やものに自然と結合する。」   一旦、それがCD20に結合すると、ラジオアイソトープが強力な粒子を放出、腫瘍細胞に突撃し、その周辺の癌細胞だけを殺傷する。  

 

Bexxar治療は、患者を嘔気や脱毛といった副作用から解放するだけでなく、化学療法より速い。化学療法が、3~4週間サイクルで6~8ヶ月かかるのに対し、Bexxarは1週間以内で終了する。   治療の初日に患者はBexxarのテスト投与のための注射を打つ。それによって、患者の体が標識Bexxarをどのように処理するかをみる。核医学スキャンでBexxarがどのくらいの速度で腫瘍に達し、また放射性物質がどのくらいで患者の体から消失するかを判定する。その時点で、腫瘍医はその患者に応じたBexxarの投与量をきめる。

 

患者は、テスト注射から1週間で治療を始める。患者は合計で4回の通院ですむ-1回目テスト投与、2、3回目核医学スキャン、4回目治療投与である。   「治療はそれで終わりです。再度のサイクルなどはありません。患者は帰宅し、治療は投与された瞬間から効果を表し始めるのです。」とKaminski氏は言う。  

 

6~8週間でCTスキャン、身体、血液の検査をうけて治療の効果があったかどうかみます。医師はこのとき、そのリンパ腫が寛解に至ったかどうか判定できるのです。   Bexxar治療を受ける患者の多くが、すでに何サイクルもの化学療法を受けており、通常の抗癌剤に反応しなくなっています。昔から、NHLの予後はよくありませんが、この臨床試験で、70%の患者がBexxarに反応し、20~30%の患者が完全寛解-画像診断でも生検でも一切リンパ腫が認められない状態に至っています。   この治療の有望なところは、かつてないほど多くの患者が、副作用もなく病気なしに暮らせることです。このことは、もはや選択肢のなくなった患者に、あらたなオプションと希望を提供するでしょう。」と、Kasinski氏は語った。

http://www.med.umich.edu/opm/newspage/2004/bexxar.htm

製品情報 Bexxar / Corixa Corp., GlaxoSmithKline HP: www.bexxar.com

 

野中 希 訳

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