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FDAが転移非扁平上皮非小細胞肺がんにペムブロリズマブ併用療法を迅速承認

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FDAが転移非扁平上皮非小細胞肺がんにペムブロリズマブ併用療法を迅速承認

米国食品医薬品局(FDA)

米国食品医薬品局(FDA)は2017510日、治療歴のない転移非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療薬として、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ、Merck and Co., Inc社)を、ペメトレキセド(商品名:アリムタ)とカルボプラチンとの併用において迅速承認した。

 

承認は、非盲検多施設共同マルチコホート試験(KEYNOTE-021)に登録した患者のコホート(G1)に基づくものであった。局所進行または転移非扁平上皮NSCLCで、転移がんに対する全身療法を受けたことがない患者計123人を登録した。ペムブロリズマブ200mgとペメトレキセド+カルボプラチン(PC)との併用を3週間ごとに4サイクル投与した後にペムブロリズマブを最長24カ月間投与する群(60人)と、PCのみを投与する群(63人)に患者を無作為に割り付けた。試験責任医師の判断により、両群の患者に維持療法としてペメトレキセドを投与することが可能であった。ランダム化は、腫瘍におけるPD-L1の発現(腫瘍比率スコア[TPS<1% vs TPS≧1%)によって層別化した。

 

本試験により、ペムブロリズマブ+PC併用群に無作為に割り付けられた患者の奏効率(ORR)および無増悪生存期間(PFS)の改善が示された。ORRは、ペムブロリズマブ+PC併用群が55%(95% CI:42-68%)、PCのみ投与群が29%(95% CI:18-41%)(p=0.0032)であった。奏効を示した患者において、奏効期間が6カ月以上の患者の割合は、ペムブロリズマブ+PC併用群では93%、PCのみ投与群では81%であった。PFSのハザード比は0.5395% CI:0.31-0.91, p=0.0205)、PFS中央値は、ペムブロリズマブ+PC併用群では13.0カ月(95% CI:8.3-NE)、PCのみ投与群では8.9カ月(95% CI:4.4-10.3)であった。ORRの探索的解析は、腫瘍におけるPD-L1の発現(TPS<1% および TPS≧1%)によって定義されたサブグループで実施された。TPS1%サブグループでは、ORRは、ペムブロリズマブ+PC併用群、PCのみ投与群でそれぞれ57%、13%であった。TPS≧1%サブグループでは、ORRは、ペムブロリズマブ+PC併用群、PCのみ投与群でそれぞれ54%、38%であった。

 

コホートG1の患者において、ペムブロリズマブ+PC併用群ではPCのみ投与群と比較して、有害事象(AE)および重篤な有害事象(SAE)がより高頻度で発生した。ペムブロリズマブ+PC併用群の患者で重篤な有害事象が発生したのは41%であったのに対し、PCのみ投与群では28%であった。ペムブロリズマブ+PC併用群で最も高頻度に認められた有害事象(全グレード)は、疲労(71%)、悪心(68%)、便秘(51%)であった。グレード34の有害反応で最も高頻度に認められたのは、疲労(3.4%)、呼吸困難(3.4%)、悪心(1.7%)、嘔吐(1.7%)、下痢(1.7%)、発疹(1.7%)であった。患者の10%で、有害反応のためペムブロリズマブが中止となった。ペムブロリズマブの中止の原因となった有害反応(≧2%)で最も高頻度に認められたのは、急性腎障害(3.4%)であった。

 

ペムブロリズマブによって発生する可能性のある免疫介在性有害反応には、肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌疾患、腎炎がある。有害反応の重症度に応じて、ペムブロリズマブの投与見合わせもしくは中止、また適宜副腎皮質ホルモンを投与しなければならない。

 

NSCLCに対するペムブロリズマブの推奨用量および投与スケジュールは、3週間ごとに200mgを静脈内投与するもので、病勢の進行、容認できない毒性が発生するまで、また病勢が進行していない患者では最長24カ月継続する。

 

ペムブロリズマブの処方情報全文はこちらを参照のこと。

 

FDAは、ペムブロリズマブに優先審査認定を付与し、本適応に対して迅速承認した。本適応に対するペムブロリズマブと化学療法との併用の臨床的利益を裏づけるため、追加試験が必要である。FDAの促進プログラムの詳細は、業界向けのガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」で閲覧できる:Guidance for Industry Expedited Programs for Serious Conditions – Drugs and Biologics.

 

医療従事者は、あらゆる医薬品および医療機器の使用との関連が疑われるすべての重篤な有害事象を、http://www.fda.gov/medwatch/report.htmのオンラインフォームへの入力、オンライン上の宛先フォームに料金受取人払いでFAX1-800-FDA-0178)または郵送、もしくは電話(1-800-FDA-1088)のいずれかの方法で、FDAMedWatch Reporting Systemに報告すること。

 

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原文掲載日

翻訳生田 亜以子

監修高濱隆幸(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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