ペムブロリズマブ、古典的ホジキンリンパ腫にFDAが迅速承認 | 海外がん医療情報リファレンス

ペムブロリズマブ、古典的ホジキンリンパ腫にFDAが迅速承認

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

ペムブロリズマブ、古典的ホジキンリンパ腫にFDAが迅速承認

米国食品医薬品局(FDA)

米国食品医薬品局(FDA)は2017年3月14日、成人および小児の難治性または3種類以上の前治療にて再発した古典的ホジキンリンパ腫(cHL)に対するペムブロリズマブ(商品名:Keytruda[キートルーダ]、Merck and Co., Inc社)の新たな適応を迅速承認した。

 

210人の成人cHL患者を対象にした多施設、非ランダム化、非盲検臨床試験の結果に基づき承認された。被験者は自家造血幹細胞移植(ASCT患者129人)やブレンツキシマブ・ベドチンによる治療(175人)後に再発、再燃した患者で、中央値4回(範囲は1-12回)の全身治療を受けていた。9.4カ月(範囲は1-15カ月)のフォローアップ期間において、全奏効率は69%であった。この中には部分寛解47%、完全寛解22%を含んでいた。推定の奏効期間の中央値は、11.1カ月(範囲は0+から11.1)であった。小児患者の有効性評価には、成人の結果を外挿した。

 

安全性は、210人のcHL患者で評価した。高い頻度(20%以上)で成人に認められた副作用は、倦怠感、発熱、咳嗽、筋骨格痛、下痢、発疹およびトランスアミナーゼ値上昇であった。これ以外の頻度の高い(10%以上)副作用は、呼吸困難、関節痛、嘔吐、嘔気、掻痒(そうよう)、甲状腺機能低下症、上気道感染、頭痛、末梢神経障害、高ビリルビン血症およびクレアチニン値上昇であった。その他の免疫関連の副作用は、0.5-9%の患者に発現し、インフュージョンリアクション(投与時反応)、甲状腺機能亢進症、肺臓炎、ブドウ膜炎、筋炎、脊髄炎、心筋炎であった。15%の患者で、全身ステロイド治療を必要とする副作用が認められた。副作用が原因でペムブロリズマブ投与を中止した患者は5%、投与を中断した患者は26%であった。

 

安全性について、40人の進行性メラノーマ、PD-L1陽性の固形がん、またはリンパ腫の小児患者においても検討した。小児患者における安全性プロファイルは成人と類似していた。成人より小児で高頻度(15%以上の差)に認められた副作用は、倦怠感、嘔吐、腹痛、トランスアミナーゼ値上昇、および低ナトリウム血症であった。小児患者におけるペムブロリズマブの投与は、2 mg/㎏3週間おきに実施され、薬剤の曝露量は成人と同程度であった。FDAは製薬企業に対して、ペムブロリズマブの、思春期前の発育途上の患者に対する長期安全性を評価するよう求めた。

 

新たな「警告および注意」にはペムブロリズマブ治療後の同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)の併用についての記載が追加された。移植関連死が報告されており、超急性期移植片対宿主病(GVHD)、重度(グレード3から4)の急性GVHD、ステロイド投与を要する発熱症候群、肝中心静脈閉塞症(VOD)、および他の免疫関連の副作用といった移植関連合併症の発現については、医療関係者らが注意深く観察するべきである。FDAはメルク社に対し、ペムブロリズマブ治療後にallo-HSCTを併用した場合の安全性評価について追加試験を要請している。

 

cHLに対するペムブロリズマブの推奨投与量とスケジュールは、成人は200mg3週間おきに、小児は2mg/㎏200 mgまで)を3週間おきである。

 

ペムブロリズマブの処方に関する情報は、以下で入手できる。

http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/125514s015lbl.pdf

 

FDAはペムブロリズマブをホジキンリンパ腫治療の希少医薬品に指定し、本適応に対する画期的治療薬として認定していた。このため、優先審査と迅速承認が適応された。本適応においては、ペムブロリズマブの臨床的有用性を確認するために、さらなる臨床試験が必要である。FDAの迅速化プログラムについての情報は企業向けガイダンス、重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている:

http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf

 

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象を認めた場合、すべてFDAMedWatch報告システムに報告しなければならない。この報告は、オンラインフォームへの入力(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームのファックス(1-800-FDA-0178)もしくは郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。

原文掲載日

翻訳滝坂 美咲

監修北尾章人(血液・腫瘍内科/神戸大学大学院医学研究科)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1光免疫療法:近赤外線でがん細胞が死滅
  2. 2子宮頸がん予防に対するHPVワクチン接種ガイドライン...
  3. 3卵巣癌についてすべての女性が知っておくべき3つの大事...
  4. 4がんに対する標的光免疫療法の進展
  5. 5非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  6. 6リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  7. 7BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  8. 8コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  9. 9血中の腫瘍DNAが進行乳がん女性の生存期間を予測
  10. 10FDAが違法に販売されている抗がん製品に警鐘

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他