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Abiraterone Acetate のFDA承認

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Abiraterone Acetate のFDA承認

商品名:Zytiga

  • 化学療法施行前の転移性、去勢抵抗性前立腺癌治療に対し、プレドニゾン併用で承認
  • ドセタキセル治療後の転移性去勢抵抗性前立腺癌に対し、プレドニゾンとの併用療法に承認

本剤の臨床試験情報、安全性、投与法、薬物間相互作用および禁忌などの全処方情報(原文)が参照できます。

2012年12月10日、米国食品医薬品局(FDA)は転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の治療のために、プレドニゾンを併用しながらの酢酸アビラテロン(ヤンセンバイオテック社のZytiga®錠)の適応拡大を認可しました。

同認可は、転移を伴った去勢抵抗性前立腺癌で、細胞障害性の化学療法を受けていない患者を、プレドニゾンと酢酸アビラテロンの併用群(N=546)と、プレドニゾンとプラセボの併用群(N=542)にランダムに割りつけて行われた試験に基づいています。登録は骨や軟部組織、そしてリンパ節への転移を発症した患者に限られました。中程度から重度の痛みがある患者や、がん性疼痛に対してオピオイドを使用している患者は除外されました。全ての患者はすでに去勢術を受けているか、もしくはゴナドトロピン放出ホルモンアナログを持続的に受けていました。

副次的エンドポイントは放射線検査上の無増悪生存期間(rPFS)と全生存期間(OS)としました。酢酸アビラテロンによる治療ではrPFSが向上しました。プラセボ群の患者のrPFS中央値は8.3カ月で、酢酸アビラテロン群では中央値に達しませんでした[HR 0.43(95%CI:0.35、0.52)p<0.0001]。
事前に指定された3回目の中間解析では、OS中央値は酢酸アビラテロン群の患者では35.3カ月で、プラセボ群の患者では30.1カ月でした[HR 0.79 (95% CI: 0.66, 0.96)]。これらの結果は統計的有意性においてO’Brien-Flemingの棄却限界値と交差はしませんでした。また麻薬性鎮痛剤の使用や細胞障害性化学療法までの間隔の長さにも統計的に有意な延長があり、この主要エンドポイントは支持されました。

今回の試験と、その前の主要な試験において、転移性去勢抵抗性前立腺癌の患者のうち、酢酸アビラテロンとプレドニゾンとの併用治療を受けた1333人と、プラセボとプレドニゾンとの併用治療を受けた934人で、安全性データの評価を行いました。最も頻度の高い(少なくとも10%)有害反応として倦怠感、関節腫脹あるいは不快感、浮腫、顔面紅潮、下痢、嘔吐、咳、高血圧、呼吸困難、尿路感染、そして挫傷などが見られました。最も頻度の高い検査所見の異常(20%以上)として貧血、アルカリフォスファターゼ値の上昇、高トリグリセリド血症、リンパ球減少、高コレステロール血症、高血糖、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇、低リン血症、アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇、そして低カリウム血症などが見られました。
グレード3~4の有害反応が酢酸アビラテロン群患者の55%と、プラセボ群患者の50%に発生しました。グレード3~4のALTもしくはAST上昇は、酢酸アビラテロン群患者の4%に発生しました。グレード3~4の心不全がプラセボ群患者に比べ、酢酸アビラテロン群患者においてより高頻度に発生し(1.6%対0.2%)ました。副腎機能不全は酢酸アビラテロン群患者の0.5%と、プラセボ群患者0.2%に発生しました。患者には副腎皮質機能不全とミネラルコルチコイド過剰の恐れがあるため、モニタリングを要します。
酢酸アビラテロンは、一日二回のプレドニゾン5mg経口投与と共に、1000mgを一日一回のスケジュールで経口投与することが推奨されます。酢酸アビラテロンは空腹時に投与されなければなりません。投与前の最低2時間と投与後の最低1時間は絶食する必要があります。
酢酸アビラテロンが食事と共に単回投与された時、アビラテロンCmaxとAUC0-∞(服用)が、絶食時に比べてそれぞれ17倍と10倍に増加しました。

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新保孝史 翻訳
榎本 裕 (泌尿器科/東京大学医学部付属病院)監修
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2011年4月28日、米国食品医薬品局(FDA)は、 酢酸アビラテロン(ZytigaTM 錠、製造販売業者:Centocor Ortho Biotech社)について、前治療でドセタキセルを含む化学療法を受けた転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)患者に対して、プレドニゾンと併用療法での使用を承認しました。

今回の承認は、ドセタキセルを含む治療を前治療として投与されていたmCRPC患者1,195人を対象に実施した、ランダム化プラセボ対照多施設試験の試験成績に基づくものです。本試験では対象患者を、酢酸アビラテロン 1日1回1,000mg 経口投与群(n=797)、またはプラセボ1日1回投与群(n=398)のいずれかの群に無作為に2:1の割合で割りつけました。すべての患者は、プレドニゾン5mgを1日2回経口投与しました。病状進行(PSA値が患者のベースライン/nadir値から25%の増加し、さらに本試験の実施計画書で定めた画像診断による疾患進行や、症状に基づく、あるいは臨床的病状進行が確認された場合)、忍容不可能な毒性の発生、新たな治療の開始、または試験参加中止のいずれかの時点まで継続投与しました。前立腺癌に対する前治療としてケトコナゾールの投与を受けた患者、および副腎下垂体異常の既往歴がある患者については本試験からの除外対象としました。

552件の事象が確認された時点で、事前に定めた全生存期間(OS)の中間解析を実施しました。本解析で、プラセボ群と比較し実薬投与群ではOS に統計的に有意な改善(HR=0.646、95%CI:0.543~0.768、p=0.0001)が示されました。OS中央値は、プラセボ群での10.9カ月に対し実薬投与群では14.8カ月でした。また事象が775件確認された時点でOSの更新解析を実施し、OS中央値がプラセボ群では11.2カ月に対し実薬投与群では15.8カ月となりました(HR=0.740、95%CI:0.638~0.859)。

最も頻繁に認められた有害作用(5%以上)としては、関節腫脹または関節の不快感、低カリウム血症、浮腫、筋肉の不快感、紅潮、下痢、尿路感染症、咳、高血圧、不整脈、頻尿、夜間頻尿、 消化不良、上気道感染症が認められました。また、投与中止に至った最も頻度の高い副作用には、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値および/またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値の上昇、泌尿器敗血症、及び心不全が認められました(各事象ともに実薬投与群の1%未満)。

酢酸アビラテロンの投与で最も多かった電解質異常としては、低カリウム血症(28%)及び低リン血症(24%)が認められています。併用薬であるステロイドの中断および/または感染症合併あるいはストレスにより、酢酸アビラテロンの推奨用量をプレドニゾンと併用投与した臨床試験参加患者で副腎皮質不全(1%未満)が報告されています。

酢酸アビラテロンの推奨用法・用量は、1日1回1,000 mgを経口投与とし、またプレドニゾン5 mg を1日2回経口投与し併用療法として用いる。本剤は空腹時に服用するため、服用前2時間から服用後1時間は食事を避けるものとします。

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菅原 宣志 翻訳
榎本 裕 (泌尿器科/東京大学医学部付属病院)監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

 

原文掲載日

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