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遺伝子標的薬オラパリブは前立腺がんを治療する可能性

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遺伝子標的薬オラパリブは前立腺がんを治療する可能性

キャンサーコンサルタンツ

英国がん研究所(ロンドン)およびRoyal Marsden病院の専門家が主導する国際研究コンソーシアムによれば、遺伝性がんの女性患者治療用に開発された先駆的薬剤が進行性前立腺がんの男性患者に対しても有効な可能性がある。

 

オラパリブ[Olaparib]は遺伝子変異性のがんを対象として世界で初めて市場に投入された薬剤であるが、前立腺がん患者の3分の1の患者に有効であることがわかった。その多くはがん遺伝子の遺伝はないが、がんのDNA修復機構に後天性の異常が認められる患者である。本臨床試験の結果はNew England Journal of Medicine誌で発表された。

 

この臨床試験では標準治療に対して抵抗性をもつ進行性前立腺がん患者49人がオラパリブを投与され、そのうち臨床試験での診断基準から16人(33%)が奏効を示した。オラパリブは前立腺がんの増殖を止め、前立腺特異的抗原値(PSA)の持続的減少、血中の循環がん細胞数の低下、CTスキャンおよびMRI上での放射線奏効を示した。

 

また、この臨床試験の中で、進行性前立腺がん患者のうち最大30%はDNA修復機構に異常があるがんであることが遺伝子検査で判明し、こうした患者がオラパリブ投与に特に良好な奏効を示した。DNA修復機構に遺伝子変異を検出した16人のうち14人がオラパリブによって非常に良好な奏効を示し、これは本試験のオラパリブ奏効患者の大部分を占める。この患者のほとんどが治療法の選択肢が限られている末期の前立腺がん患者であり、この患者群における疾患のコントロールが予想以上に持続したことが示された。

 

上記結果を受けて、DNA修復変異が検出された前立腺がん男性患者のみにオラパリブを投与する本臨床試験第2ステージTOPARP-B試験を開始した。本試験が成功すれば、オラパリブはDNA修復変異のある進行性前立腺がん患者に対する標準治療の選択肢の一つとなる可能性がある。

 

参考文献:
Mateo J, Carreira S, Sandhu S, et al. DNA-Repair Defects and Olaparib in Metastatic Prostate Cancer. The New England Journal of Medicine. 373:1697-1708. October 29, 2015.

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 訳
監修
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原文


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原文掲載日

翻訳石川寛和

監修関屋 昇(薬学)

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