半合致血縁ドナーからの幹細胞移植を受けた急性骨髄性白血病(AML)患者の有望な生存率 | 海外がん医療情報リファレンス

半合致血縁ドナーからの幹細胞移植を受けた急性骨髄性白血病(AML)患者の有望な生存率

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半合致血縁ドナーからの幹細胞移植を受けた急性骨髄性白血病(AML)患者の有望な生存率

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急性骨髄性白血病(AML)患者に、有望な新治療選択肢の可能性がある。「半合致」血縁ドナーからの幹細胞移植と化学療法を受けた結果、非血縁合致ドナーからの移植と同等の生存率となることが研究から示された。さらに、半合致ドナーからの移植は、移植片対宿主病(GVHD)のリスクを低下させる。Blood誌にてこうした知見が報告された。

 

急性骨髄性白血病は、骨髄(骨の中央にある海綿質の部分)および血液のがんで、骨髄細胞として知られる未熟な白血球細胞の急速かつコントロール不能な増殖を特徴とする。この疾患は小児より成人によくみられ、診断時の平均年齢は65歳を超える。AML高齢患者の治療は依然として満足のいくものではなく、大多数の高齢患者が診断から数カ月以内に死亡する。

 

急性骨髄性白血病は、同種幹細胞移植という処置により治療できる。白血病により骨髄に障害をきたすと、正常な血液細胞を産生できなくなる。幹細胞移植治療は健常な幹細胞を体内に届け、骨髄の正常な働きを促進する。幹細胞が別の人間(ドナー)に由来する場合、その処置は同種幹細胞移植と呼ばれる。

 

医師は、ドナーの免疫システムを患者の免疫システムと厳密に合致させるよう努力するが、ドナー細胞がレシピエントの細胞を異物と認識し、攻撃することがある。これは移植片対宿主病(GVHD)と呼ばれ、非常に重篤な状態となることがある。

 

ハプロタイプ一致幹細胞移植と呼ばれる代替処置は、GVHDのリスクを低下させたまま幹細胞移植の利益を提供するよう設計されている。ハプロタイプ一致移植では、医師は完全に一致していない細胞を移植する。こうした「半合致」細胞は家族から受け取ることがある。両親と子どもは必ず互いに半合致であり、兄弟姉妹は互いに半合致である可能性が50%ある。ハプロタイプ一致移植の場合、非血縁者間移植と比べてGVHDのリスクが低下するだけでなく、医師が早急にドナー候補者を見つけやすくなる。

 

ハプロタイプ一致移植と非血縁者間移植の成績を比較するために、研究者らはAML患者において両処置を調査した。研究者らは、ハプロタイプ一致移植を受けた患者192人と、厳密に合致した非血縁ドナーからの同種移植を受けた患者1,982人に関するCenter for International Blood and Marrow Transplant Researchからの情報をレビューした。

 

ハプロタイプ一致移植を受けた患者は、GVHD予防のため、シクロホスファミドによる化学療法と追加の治療を受けた。非血縁者間移植を受けた患者も、GVHD予防のための治療を受けた。各群の中で、骨髄細胞を重度にまたは完全に枯渇させる(骨髄破壊)治療を受ける患者と、より侵襲性の低い治療(強度を下げた移植前処置)を受ける患者とに分けられた。

 

30日後、骨髄破壊治療を受けたハプロタイプ一致群の患者は、非血縁者間移植群の患者と比較して、好中球(白血球の一種)が回復した割合がわずかに低かった(90% 対 97%)。同様に、強度を下げた移植前処置を受けたハプロタイプ一致群の患者は、非血縁者間移植群の患者よりも好中球回復の割合がわずかに低かった(93% 対 96%)。

 

骨髄破壊と強度を下げた移植前処置の双方のレジメンにおいて、ハプロタイプ一致移植を受けた患者は、非血縁者間移植群と比較してGVHDの発症率が低かった。3カ月時の骨髄破壊的移植後の急性GVHD発症数はハプロタイプ一致群のほうが少なく(16%対33%)、3年時の慢性GVHD発症数はハプロタイプ一致群のほうが少なかった。同様に、強度を下げた前処置による移植後の急性GVHD発症率は、ハプロタイプ一致群19%に対して非血縁者間移植群28%、慢性GVHD発症率は、ハプロタイプ一致群34%に対して非血縁者間移植群52%であった。

 

ハプロタイプ一致移植と非血縁者間移植の生存成績はほぼ同等であった。一方で、骨髄破壊治療を受けたハプロタイプ一致群の患者は、非血縁者間移植群と比較して3年生存率がわずかに低かった(45%対 50%)。しかし、他方で、強度を下げた移植前処置を受けたハプロタイプ一致群の患者では、3年生存率が46%(対44%)とわずかに高かった。

 

ハプロタイプ一致群はシクロホスファミドも投与されていたため、こうした知見から、ハプロタイプ一致移植後にシクロホスファミドを投与されたAML患者が、非血縁合致ドナーから移植を受けた患者と同等の生存率となることが示唆される。本研究は、非血縁合致ドナーを見つけることが難しい患者に有用であるのみならず、GVHDのリスクの低い幹細胞移植の選択肢を提供し得る。

 

監訳者注: 本研究は、HLA半合致移植とHLA適合非血縁者間移植の比較であり、原文でallogeneic transplantとされているところは非血縁者間移植を意味していますので、そのように翻訳しております。

 

参考文献:
Ciurea SO, Zhang MJ, Bacigalupo AA, et al. Haploidentical transplant with post-transplant cyclophosphamide versus matched unrelated donor transplant for acute myeloid leukemia. Blood [early online publication]. June 30, 2015.

 


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原文掲載日

翻訳原信田みを

監修吉原 哲(血液内科/コロンビア大学CCTI)

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