転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療に関する新たなガイドライン/米国臨床腫瘍学会(ASCO) | 海外がん医療情報リファレンス

転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療に関する新たなガイドライン/米国臨床腫瘍学会(ASCO)

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転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療に関する新たなガイドライン/米国臨床腫瘍学会(ASCO)

米国臨床腫瘍学会(ASCO) プレスリリース

 

米国臨床腫瘍学会(ASCO)とキャンサー・ケア・オンタリオ(CCO)は本日、転移性去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)男性患者の治療に関する合同診療ガイドラインを発表した。このガイドラインでは、アンドロゲン除去療法とともに使用される全身療法が盛り込まれ、それぞれに対して生存期間および生活の質の利益、副作用、ならびに費用の検討を取り上げている。

 

「私たちは近年、進行前立腺癌に関してかつてない進歩を目の当たりにしています。ここ数年で新たな治療法が6つ承認されました」と、このガイドラインを作成したASCO/CCO専門家委員会の共同議長であるEthan Basch医師は述べた。「病期や患者が受けた前治療によって、治療法の選択には多くの微妙な差異があります。このガイドラインにより医師や患者が治療法に関する十分な情報に基づいた判断を下す助けになることを、私たちは願っています」。

 

ホルモン感受性転移性前立腺癌患者の多くは最終的には、CRPCになる。現在このような患者はアンドロゲン除去療法を続けながら、生存期間を延長し生活の質を向上させる可能性があるさまざまな追加治療が利用できる。

 

ASCOとCCOはこのガイドラインの発表にあたり、推奨事項の作成において生活の質に関する配慮を特に取り入れた。「このガイドラインに生活の質に関するデータを盛り込むことで、さまざまな治療法によって患者がどの様に感じるのかを誰もが理解することができます」と、このガイドラインを作成したASCO/CCO専門家委員会の共同議長兼CCO泌尿生殖器疾患グループ長であるAndrew Loblaw医師は述べた。「私たちは費用に関しても配慮する必要があります。なぜなら、費用が治療法の利用や生活の質に影響を及ぼす可能性があるためです」。

 

主要なガイドラインの推奨事項:

•期限を設けずにアンドロゲン除去療法(内科的または外科的)を継続する。
•アンドロゲン除去療法に加えて、アビラテロン/プレドニゾン、エンザルタミド、または(前立腺癌が主に骨に転移した患者に対する)ラジウム223を投与すべきである。これら3種類の治療法のいずれによっても、生存期間が延長し、生活の質が向上し、そして、有益性と有害性のバランスがよいためである。
•化学療法を検討している場合、ドセタキセル/プレドニゾンを投与すべきである。ただし、副作用のリスクについて話し合うべきである。
•ドセタキセルを投与しても進行する患者にカバジタキセルを投与することがある。ただし、副作用のリスクについて話し合うべきである。
•無症候または症状が非常に軽度の患者にシプロイセルT[Sipuleucel-T] を投与することがある。
•ミトキサントロンを投与することがある。ただし、臨床的有益性がわずかであることや副作用のリスクについて話し合うべきである。
•ケトコナゾールや抗アンドロゲン薬(ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド[nilutamide])を投与することがある。ただし、臨床的有益性がわずかであることについて話し合うべきである。
•ベバシズマブ、エストラムスチン、またはスニチニブを投与すべきではない。
•治療選択肢について話し合っている全ての患者に対して早期に緩和ケアを提供すべきである。

 

治療を行う最適な順序を推奨するために利用できる臨床的根拠は十分ではないが、現在進行中の臨床試験はこの疑問や、さまざまな治療法を併用する潜在的利益について検討している。

 

このガイドラインは、ASCOとCCOが1979年~2004年に発表されたランダム化臨床試験28件の系統的レビューに基づいて示したこれまでの推奨事項を踏まえている。さらに28件のランダム化臨床試験が、転移性CRPCの治療に対する分子標的治療や免疫療法を含む全身療法に関して2004年以降に特定された。これらの追加されたランダム化臨床試験は最新の推奨事項に対して情報を提供している。

 

このガイドライン「転移性去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)男性患者における全身療法:米国臨床腫瘍学会/キャンサー・ケア・オンタリオ診療ガイドライン」は本日、Journal of Clinical Oncology誌に発表された。

 

原文掲載日

翻訳渡邊岳

監修榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)

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