ゼヴァリンを使った放射線免疫療法による自家移植前処置はびまん性大細胞型リンパ腫患者の全生存率を向上させる | 海外がん医療情報リファレンス

ゼヴァリンを使った放射線免疫療法による自家移植前処置はびまん性大細胞型リンパ腫患者の全生存率を向上させる

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

ゼヴァリンを使った放射線免疫療法による自家移植前処置はびまん性大細胞型リンパ腫患者の全生存率を向上させる

キャンサーコンサルタンツ

びまん性大細胞型リンパ腫患者への自家幹細胞移植前にゼヴァリン®(イブリツモマブチウキセタン)を用いた放射線免疫療法を行うと、全身照射の場合と再発率は近似であるが、毒性はより低く、全生存率は高くなる、とする研究結果がBiol Blood Marrow Transplantに掲載された。

 

非ホジキンリンパ腫(NHL)はいろいろな免疫系細胞を原発とする癌の一群である。びまん性大細胞型(DLCL)は、進行性の高いタイプの非ホジキンリンパ腫とされている。

 

ゼヴァリンは、抗CD20モノクロール抗体と放射線を運ぶ放射線同位体・イットリウム90で構成されており、放射線免疫療法(RIT)においてモノクロール抗体・リツキサン®(リツキシマブ)と併用される。体内に注入されると、B細胞の表面に特異的なタンパク質CD20に付着する(非ホジキンリンパ腫の多くの型で癌化したB細胞が見られる)。付着先のB細胞にイットリウム90の放射線が照射され、破壊する。ゼヴァリンを用いる放射線免疫療法は、健常組織を保護する手法である。

 

ゼヴァリンには、立証済みの高い治療効果に加え、投与期間が短いというメリットがある。ゼヴァリンは外来ベースで投与され、総治療日数も10日に満たない。忙しい患者にとっては、従来の化学療法に比べ、拘束される時間が少なくて済む。

 

研究者らは、患者92人を対象に、びまん性大細胞型非ホジキンリンパ腫患者向けの自家移植前処置に関するマッチ化コホート分析を実施した。患者は、ゼヴァリン+BEAM(BCNU、エトポシド、シタラビン、メルファラン)(Z-BEAM)、もしくは、全身照射法(TBI)+エトポシド+シクロホスファミド、のいずれかによる治療を受けた。

 

4年目時点の結果は、Z-BEAM群の全生存率が81%であったのに対し、TBI群52.7%であった。同4年間の累積再発・増悪率はZ-BEAM群40.4%、TBI群42.1%であった。非再発死亡率は、Z-BEAM群0%、TBI群15.8%、とZ-BEAM群のほうが優れていた。心毒性率はTBI群のほうが高く、肺毒性率はZ-BEAM群のほうが高かった。

 

研究者らは、ゼヴァリンを用いる放射線免疫療法を基本とする前処置は、全身照射法と再発率はあまり変わらなかったが、全生存率、特に2回以上の治療歴のある患者のそれを向上させた、と結論した。

 

参考文献:
Krishnan A, Palmer JM, Tsai NC, et al. Matched-cohort analysis of autologous hematopoietic cell transplantation with radioimmunotherapy versus total body irradiation-based conditioning for poor-risk diffuse large cell lymphoma. Biol Blood Marrow Transplant. 2012; 18: 441-450.

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳村上智子

監修林 正樹 (血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1診療時の腫瘍マーカー検査は不要な可能性
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  4. 4BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  5. 5EGFR陽性非小細胞肺がん一次治療にオシメルチニブが...
  6. 6若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  7. 7ペムブロリズマブが治療歴ある進行再発胃がんに有望
  8. 8ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10緩和ケアにより進行がん患者の医療利用が減少

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他