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進行性NHLに対するトレアキシンとリツキサンの併用療法はR-CHOPおよびR-CVPに対し非劣性である

キャンサーコンサルタンツ

 

トレアキシン®(ベンダムスチン)とリツキサン®(リツキシマブ)の併用療法は、一般的に使用されている、R-CHOP(リツキシマブ加シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)やR-CVP(リツキシマブ加シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン)といった化学療法のレジメンと比較して、治療歴のない進行性低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)やマントル細胞リンパ腫(MCL)に対して非劣性であることが認められたと、ジョージア州アトランタで開かれた第54回米国血液学会にて発表された。[1]

 

非ホジキンリンパ腫(NHL)はリンパ系の細胞に起因する腫瘍の一種であり、非定型(癌性)リンパ球の過剰な蓄積を特徴とする。これらのリンパ球はリンパ系に集簇し、他の免疫及び血球の構造および機能を抑制する。

 

R-CHOPおよびR-CVPはNHLに対する一般的な2つの治療法であるが、これら以外の治療法で、より効果的かつ副作用の少ない治療法を評価するための研究がなされている。トレアキシンは別々の経路から癌細胞を攻撃する2つの異なる物質の活性を併せ持つ化学療法剤であり、再発NHLおよび慢性リンパ性白血病(CLL)に対して承認されている。トレアキシンはヨーロッパにおいて数十年にわたり広く使われているが、米国で承認されたのは2008年になってからである。本剤はNHLに対する初回治療や、他の種類の癌に対する使用についても現在評価中である。

 

これまでの研究から、トレアキシン/リツキサンは濾胞性NHLおよびMCLにおいて、無増悪生存期間にR-CHOPをこえた著しい改善をもたらすことが示されており、また、このレジメンはドイツの標準療法となっている[2]。研究者らは、先に行われた試験の結果を確認するため、低悪性度NHLもしくはMCLに対する第一選択治療としての、トレアキシン/リツキサンと、標準的治療レジメンであるR-CHOPおよびR-CVPの安全性と有効性を比較するBRIGHT試験を行った。

 

本試験には419人の患者が組み込まれ、213人はトレアキシン/リツキサンに、206人はR-CHOPもしくはR-CVPに無作為割り付けされた。本試験は主要評価項目を完全寛解とし、両群に有意差は認められなかった。トレアキシン/リツキサン群の完全寛解率は31%で、対照群は25%であった。完全寛解比の1.26は非劣性の定義に合致するが、統計的に明らかな優越性を認めなかった。トレアキシン/リツキサン群の全奏効率は97%で、R-CHOP/R-CVP群では91%であった。

 

トレアキシン/リツキサン群とR-CHOP/R-CVP群の毒性プロファイルには明らかな違いが認められ、研究者らは毒性を治療選択の判断に含めるべきだと提言した。トレアキシン/リツキサン群の患者では高率に悪心/嘔吐、発熱、悪寒、薬剤過敏症反応、食欲減退、発疹、およびそう痒症を認めた。これらの患者では、グレード3以上の過敏症反応、日和見感染、および呼吸/胸郭障害を含む有害事象をより多く発現した。R-CHOP/R-CVP群の患者では高率に、便秘、錯感覚、末梢性ニューロパチー、および脱毛症を認めた。これらの患者ではより高頻度に(グレード3以上の)発熱性好中球減少症、脱毛症、およびニューロパチーを認めた。死亡例は、R-CHOP/R-CVP群(1人。死因は敗血症)と比較して、トレアキシン/リツキサン群(6人。死因はそれぞれ肺炎、呼吸不全、および敗血症。急性呼吸不全。心停止。肺炎。慢性閉塞性肺疾患。肺癌)で多かった。

 

研究者らは、進行性低悪性度NHLおよびMCLにおける完全寛解率において、トレアキシン/リツキサンはR-CHOP/R-CVPと比較して非劣性であると結論付けた。MCLの患者群では、トレアキシン/リツキサンは有意に高い完全寛解率を示した(51%対24%)。全奏効率は両群で高率であった。

 

参考文献:

[1] Flinn I, Van der Jagt R, Kahl B, et al: An open-label, randomized stdy of bendamustine and rituximab compared with rituximab, cyclophosphamide, vincristine, and prednisone (R-CVP) or rituximab, cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisone in first-line treatment of advanced indolent non-Hodgkin’s lymphoma or mantle cell lymphoma: The Bright study. 2012 ASH Annual Meeting. Blood (ASH Annual Meeting Abstracts) 2012 120: Abstract 902.

[2] Rummel MJ, Niederle N, Maschmeyer G, et al. Bendamustine plus rituximab (B-R) versus CHOP plus rituximab (CHOP-R) as first-line treatment in patients with indolent and mantle cell lymphomas (MCL): Updated results from the StiL NHL1 study. Presented at the 2012 annual meeting of the American Society of Clinical Oncology, June 1-5, 2012,Chicago,IL. Abstract 3.

 

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翻訳藤平あや

監修林 正樹 (血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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